国会質問

質問日:2018年 6月 6日  第196通常国会  災害対策特別委員会

被災者本位の災害救助法の運用を

武田良介参院議員は、災害対策特別委員会での、災害救助法質疑で、迅速な災害救助につながるのかと質問。被災者の願いや状態に沿った柔軟な対応を求めました。

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被災者へ迅速で円滑な支援を

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 今回の法改正をどう見るかということを考えたときに、災害救助法の趣旨は、現に救助を必要とする者に対して応急的に必要な救助を行うこと、つまり迅速に柔軟に被災者の方々が求める支援を行うことであるというふうに考えておりますので、この法律の趣旨がきちんと果たされることが大切だと、そういう視点で質問させていただきたいというふうに思います。
 今回の法改正によって、救助実施市の長による救助が行われることになります。今回の改正でその法の趣旨である迅速な支援を行うことになるのかどうか、逆に言えば、今回の改正で法の趣旨に反して何か障害になるようなことはないのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(海堀安喜君) 今回の改正でございます。これは、指定都市が救助を実施するということによりまして被災状況を踏まえた実施をできる、これは都道府県を介さずにより迅速な被災者救済が実現できると思います。また、都道府県におきましても、マンパワーや財源を指定都市以外のエリアに注力することが可能になるということで、そういったエリアでの迅速な救助に資するということになると思います。こういったことを今回の法改正で実施しております。
 これを契機に、改めて、都道府県を中心に、先ほど来お話に出ております事務委任も含めた形で救助をどのように実施するかということを事前に検討いただくことにより、現場が混乱するというようなことのないように対応していきたいというふうに考えております。
○武田良介君 事務委任の話等々また後で伺っていきたいと思いますが、救助の際に、必要な物資の供給又はその役務の提供が適切に円滑に行われるようにということで、都道府県知事が救助実施市の長、また物資の生産を業とする者その他の関係者と連絡調整をするというふうになっております。これは、その物資が足りなくなったらどうするのかと、そういう懸念からその連絡調整していくという話があったというふうに聞いておりますけれども、それ聞きまして、私も、その都道府県の中だけで見ていれば物資が足りなくなっていくと、そういうことなのではないかなというふうに思いました。
 都道府県超えて物資が必要になるときに、国が責任を持って調達をし、柔軟かつ迅速に救助を実施できることが大切だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(海堀安喜君) 先生御指摘のとおり、都道府県を超えて対応が必要になるというときになりますれば、これは国において被災都道府県と調整しながらそういった対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○武田良介君 そういったことを踏まえまして、衆議院での審議を通じて一つ確認をしておきたいというふうに思います。
 一般基準を超えて特別基準で救助を行う必要があるというふうに認められる場合でありますけれども、今度、救助実施市が救助主体となって行う救助内容、それからこれまでのように都道府県が主体となって救助を行う場合と、両方存在するようになるわけですけれども、そのときに一般基準と特別基準で差が生じることはないかということの文脈でちょっとお伺いしたいと思いますが、私どもの日本共産党の田村委員が衆議院で、他の自治体と横並びではなくて、自治体が必要だと判断した救助については救助の対象とするということでいいかという質問をしたのに対し、海堀政策統括官は、格差が生じるんじゃないかという知事側の懸念もありますので、十分な連携、調整を我々実施していきたいというふうに答弁をされておりました。
 ここの調整とはどういう意味なのかということを確認させていただきたいと、特別基準をまさか認めないというような話にはなりませんねということを確認したいと思います。
○政府参考人(海堀安喜君) 私どもとしては、そういった特別の基準が設定されたということを関係の方々に情報伝達するということによって、格差が生じないような対応を取っていきたいということでございます。
○武田良介君 不当な格差が生じないようにという話がありましたけど、その内容というのは、その一般基準、向こうは一般基準、こっちは特別基準、両方一般基準にしましょうとか、そういうことでない、下にそろえるということではなくて、やはり、現に救助を必要とする方がいる、特別基準が必要だとなれば、それは国が責任を持ってそのための手だてを取るということがこの調整ということの中に入っている意味だということを確認をしておきたいというふうに思います。
 それと、救助実施市も特別基準で都道府県も特別基準と、よって物資が足りないというようなことはないかどうかということなんですが、包括しているその県の内部、先ほどの話ですけれども、その範疇だけで考えないで、そういう、もう本当に足りないと、大規模になればいろんなケースがあり得ると思いますけれども、そういうときにはやっぱり国が責任を持って物資を用意するし特別基準も認めていく、で、救助を急ぐという対応が必要だというふうに思いますけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) まさに救済に関わる話だと思いますけれども、災害救助法における救助の程度、方法、期間についての一般基準を超えて基準を定める特別基準の協議は、都道府県と救助実施市それぞれと国との間で実施することになります。
 その際、当該実施状況を国と都道府県、救助実施市との間で共有をして、協議を受ける内閣府においても、都道府県と救助実施市との間の救助内容に不当な格差が生じないように確認することとしており、議員御指摘の状況が生じないように責任を持って努めてまいりたいと思います。
○武田良介君 今回の法案の説明を受けたときにも、その一般基準を広げたという話も確かにお聞きをしました。それはそれなんですけれども、やっぱりこの特別基準をもって、それを超えるものは全て特別基準ということですけれども、特別基準をもって救助を必要とする方に迅速に柔軟に救助ができるということがこの救助法の最大のポイントだというふうに思いますので、そうした救助ができるように重ねて求めたいというふうに思います。
 事務委任の関係ですけれども、熊本地震の際の対応から、その事務委任の事前取決めがどう進められてきたのかと、先ほど来も少し話ありましたけれども、これは改めて検証しておく必要があるだろうというふうに思っております。
 今年の二月から三月、災害救助事務の連携強化に関する協議の場、持たれておりますけれども、そのときの資料を見ますと、事前取決めのされている自治体が示されておりました。それは、もちろん救助の種類がいろいろありますので、この種類については取り決めた、ここについては取り決めていない、いろいろあるわけですけれども、これ、応急仮設住宅については事前取決めがなかなか進んでいない。北海道札幌、埼玉県さいたま市、それから静岡県静岡市と浜松市、愛知県名古屋、兵庫県神戸といったところなんかは、これはみなし仮設も含めて進んでいないということになっているかというふうに思いますけれども、これはどうしてこの応急仮設のところはなかなか進まないんでしょうか。
○政府参考人(海堀安喜君) この応急仮設住宅でございますが、特に建設型の応急仮設住宅については、建設用地の選定、確保、あるいは発注に当たっての高度な事務処理などの能力があるというようなこともその事情になるのではないかと思います。
 この何が委任できるかどうかということについては、地域の実情に応じて各都道府県知事の方で御判断いただいているところでございますが、総じて考えると今のようなことがあるんではないかと考えられます。
○武田良介君 もう一つ確認しておきたいと思うんですけど、この同じく取決め状況、応急仮設以外でも何ら進んでいない都道府県があると。先ほども吉川委員からありましたけれども、宮城だとか神奈川だとか大阪、岡山、広島、熊本、その他政令市抱えていないところも含めて、何ら、避難所だとかそういったものも含めて進んでいないということがありますけれども、これで迅速な救助ということになるのかどうかということなんですね。
 これ、しっかり事務委任がどうだったということも含めて今改めて検証しておかなければ、今回の法の改正によって実効性のある改正になるのかどうかということも含めて問われることになるというふうに思いますけれども、これ何でこういう、なかなか進まないのか、また今後どうするのかと、改めてお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(小此木八郎君) おっしゃるように、事務委任の事前の取決めについて全都道府県で進んでいない状況があります。これでさえという言い方が正しいかどうか分かりませんが、進んでいないということ、そういった確認も今後必要になってくると思いますし、促進することも必要であります。
 どのような事情で十九府県が行っていないかについては、個別の事情があるものと承知して一概に言えるものではありませんけれども、しかしながら、都道府県と市町村との間で大規模広域的災害に備えて迅速かつ円滑に救助の実施体制が構築されるといった地域的検討が行われることはとてもとても重要であると考えています。
 そのため、今回の法案の成立をきっかけに、災害救助法の実施体制については都道府県を中心に日頃から日々考えてもらうことが必要であり、法成立後に都道府県や指定都市にヒアリング等をすることとしています。こうしたヒアリング等を通じて内閣府として事務委任が活用されていない理由等も確認するとともに、指定都市がある道府県に対して救助実施市制度の活用も含めた必要な助言を行ってまいりたいと思います。地域的検討を促してまいりたいということであります。
 加えて、指定都市がない都県に対しても、事務委任の事前の取決め等をすること、災害に備えるための地域的検討を促すことにより全国における災害救助法の体制の底上げを図ること、これを重ねておきたいと存じます。
○武田良介君 今回の法改正されれば、事務委任をするという選択肢もあれば、また権限移譲によって対応するという選択肢もあればというふうになると思いますが、いずれにしても、冒頭言いましたように、迅速で柔軟な災害に対する救助ができるかどうかということがポイントだと思いますので、これからヒアリングしていくということでしたけれども、是非そういう立場で進めていただきたいというふうに思います。
 最後に、いわゆる現金給付の関係について質問しておきたいと思うんです。
 災害救助法には、救助を要する者に対し、金銭を支給してこれを行うことができるというふうになっております。しかし、その運用通知によって、救助は現品、物によって行われることが原則だということで認められてこなかったというふうに理解をしております。
 しかし、この金銭支給、いわゆる現金給付というのは、繰り返し繰り返し、大規模な災害はもちろんですけれども、起こるたびに求められてきたことだと思います。中央防災会議のワーキンググループの報告書、私も見ましたけれども、この中にも記載がありました。現金給付等の活用の可能性を検討すべきであるというふうになっていました。可能性を検討ということですから、まだそういう表現でありますけれども、その検討はもう始まっているんでしょうか、やっていくという方向で検討しているということなんでしょうか。
○政府参考人(海堀安喜君) お答え申し上げます。
 災害が発生したときに生活物資の欠乏が発生いたします。こういった場合にはやはり現物を実際に提供しなければ救助にならないというような実態から、現物給付を我々原則とさせていただいているところでございます。
 熊本ワーキングの提言では、将来的には災害救助の方法については被災公共団体の手間や公的コストの低減という観点も含めて検討するということで、この点については、まだ将来的な課題として我々の中では検討していないという状況でございます。
○武田良介君 先ほど杉委員の質問に対して大臣が御答弁されていたので、ちょっとその関係で最後に一問お聞きしたいと思うんですけど、先ほども現金給付の質問に対して、今、政策統括官がおっしゃったような現金が役に立たない場合が多いということを大臣もおっしゃられましたが、そうでない場合もあり得るというふうにも認識しているというふうに大臣も述べておられました。そして、被災者に寄り添って対応していくと。この被災者に寄り添って対応していくというところがやっぱり大事だなというふうに思うわけですけれども、この現金給付について大臣に、先ほどのそういった答弁もありましたけれども、私必要だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) 先ほど、私自身の立場によって、その要請といいますかリクエストも立場によって違ったということを感じたということを申し上げました。ですから、よりその近い立場といいますか、いわゆるバッジのない立場のときの方が気さくに話してくれたということもありながら、いろいろ庁内でも議論した中で、現金給付についてどうだということについて、大混乱しているところにお金を給付しても買物なんか行けないじゃないかということは確かにありましたが、寄り添えば寄り添うほど、あるいは事情というもの変わってくればくるほど、そういったことも必要になるんじゃないかなということも踏まえて、先ほど被災者に一番近い現場において適切な運用が図られているものと承知しているということを申し上げました。
○委員長(河野義博君) 時間が参りました。おまとめください。
○武田良介君 発災直後は、確かに大規模であればあるほど現金使うことがなかなか困難な状況ってあるかもしれませんけれども、状況が変わればいろんな場合があり得るわけですので、やはりここは柔軟に考えることもできるかなというふうに思っておりますが、時間が来ましたので終わりたいと思います。

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