国会質問

質問日:2018年 12月 6日  第197臨時国会  環境委員会

石炭火力廃止の道筋を CO2削減目標引き上げよ

参議院・環境委員会。

入管法や漁業法が山場を迎え、徹底審議を求めるなか、パリ協定の実施ルールなどを議論するCOP24が開催中。

私は、日本国内で、石炭火力発電所の新増設を許さないことはもちろん、すでに建設されている石炭火力発電所を2030年までに停止せよと追及。

いくら効率がよくとも、液化天然ガス火力の約2倍の二酸化炭素を排出する石炭火力。イギリスやカナダはすでに2030年までの廃止を掲げています。

私「いま日本に石炭火力発電所はいくつあるのか?」
環境省「独自にはつかんでいない」

これは驚いた!
実態も把握せずどうやって二酸化炭素の排出を削減するつもりだったのか?やる気がなかったと言わざるを得ない!

環境省はさすがに「調査する」と言わざるを得ませんでした。

2030年26%排出削減(2013年比)という目標を引き上げよ、と迫りました。
直ちに、とはなりませんでしたか、引き続き追及していきます。

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石炭火発 止める道へ

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 前回の質疑では石炭火力発電所の新増設について質問させていただきまして、全ての新増設計画が実行されれば、低効率の石炭火力発電所を止めたとしても、二〇三〇年のCO2二六%の削減という目標は達成できないということを確認しました。つまり、その新増設は認めないし、かつ既存の低効率も止める、同時に必要だということを明らかにしたと思います。
 引き続き、今日は既設の石炭火力発電所について質問していきたいというふうに思います。
 まず、環境省に確認をさせていただきたいと思いますが、既設の石炭火力の発電所、全国に何基あるのか把握されていますでしょうか。
○政府参考人(森下哲君) 既設の石炭火力発電についての御質問でございます。
 一般社団法人火力原子力発電技術協会が作成をされておられます火力・原子力発電所設備要覧、平成二十九年度改訂版によりますと、既設の石炭火力発電は石炭を主燃料とするものについては二百三十六基となってございます。
○武田良介君 環境省としてつかんでいますか。
○政府参考人(森下哲君) 先ほどの資料に基づいて、環境省として承知をしているのが先ほどの数字ということでございます。
○武田良介君 私、本当に、昨日通告してびっくりしたんですね。環境省独自に、現実の、事実の問題ですよ、CO2の排出削減、そのために石炭火力をどう止めていくのかということがこれだけ問われているときに、そもそもどれだけあるのかということを民間の資料に頼らなかったら分からないという。もうこの状況は、私本当に驚きました。
 ちょっと通告していないですけど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(原田義昭君) ただいまの御意見踏まえまして、私どもとしてもしっかり把握をしたいと、こう思っております。
○武田良介君 私たちとしても把握をしたいという答弁を確認したいと思うんです。
 前回の質疑でも、まず手を着けるべきは石炭火力だということを私指摘をいたしました。これまでの世界の科学的な知見、IPCCの例えば第五次の報告書でも、世界の温室効果ガスの排出は七八%は化石燃料燃焼と産業プロセスからのCO2だったということだとか、石炭の使用増加が低炭素化傾向を逆転したこと、更に言えば、電力部門は最も費用効果的に低炭素化できる主要要素であるということも指摘をされております。つまり、石炭の燃焼を減らすこと、そのためにとりわけ電力部門から止めるということが大切だということだと思います。今COPも開かれていますけれども、とりわけ焦点は、二〇三〇年までの取組が非常に今焦点になっていると思います。
 大臣にお伺いしたいと思うんですが、全ての石炭火力発電所、二〇三〇年までに停止していく、稼働をゼロにしていく、そういう状況をつくることが必要だというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(原田義昭君) 地球温暖化対策については、政府として閣議決定をしております地球温暖化対策計画に基づいて取組を進めているところでございます。この地球温暖化対策計画においては、二〇三〇年度の削減目標やエネルギーミックスと整合する電力業界の排出係数の目標を確実に達成していくため、毎年度その進捗状況を評価することと定めております。
 まずは、地球温暖化対策計画に定められている二〇三〇年度の目標を達成できるよう、電気事業者にもしっかりと取組を進めていただくことが重要であると考えております。
○武田良介君 前回の質疑でもやりましたけれども、二月合意に基づく進捗のレビューという話も今ありました。これ、やっぱり事業者の方にお願いするということが環境省の基本的な姿勢になっているということを私は大問題だというふうに思っておりますけれども、環境省にもう一回確認します。もう一つ確認します。
 先ほど全国にどれだけ石炭火力あるかということをお聞きしましたが、石炭火力にもいろいろあります。比較的効率が高いと言われている超超臨界圧のものもあれば、それより更にCO2を出す超臨界のもの、もっと出す亜臨界のもの、いろいろありますが、超臨界、亜臨界、それぞれ今何基ありますか。
○政府参考人(森下哲君) 先ほど申し上げました火力・原子力発電所設備要覧におきましては、個別の既設石炭火力の発電方式別の情報がございません。私ども、その既設の石炭火力のうち、超超臨界、超臨界、亜臨界、それぞれ何基ずつかは把握をしていないということでございます。
○武田良介君 把握していないということが私、本当に驚きますし、それではならぬということだと思うんですね。実態つかまずにどうやってCO2排出削減の議論をリードしていくというのか。その実態もつかんでいなかったということですから、環境省、やる気がなかったと言われたって仕方がないような、そういう状況だと思うんです。
 大臣、先ほど、私たちとしてもつかんでいくということをお話しになりました。どういう石炭火力がどれだけあるかと、それつかむのも大事ですが、この際、過去それぞれの年度ごとにどれだけの稼働率だったかとか、それぞれの石炭火力発電所からどれだけのCO2が排出されたのか、直接の排出量だとか、そういったことの調査だってこれ必要になってくるんじゃないですか。大臣、どうですか。
○政府参考人(森下哲君) CO2の排出量につきましては、個別にデータを整えた上で、それを集計して毎年度公表させていただいております。その中に石炭火力発電所も当然入っているということでございます。
○武田良介君 それぞれの石炭火力発電所からの直接排出量なんて分かるんですか。
○政府参考人(森下哲君) 個別にいただいております。
○武田良介君 じゃ、それまとめて公表いただけるものがあるわけですか。
○政府参考人(森下哲君) 毎年、温室効果ガスの排出量につきましては公表させていただいております。
 例えば、先般、つい十一月三十日に速報値を公表させていただいておりますけれども、その中では、速報ベースではございますけれども、ここ四年連続で温室効果ガスの排出量、全体では下がっているということも発出させていただいておりまして、その中で、例えば部門別の排出量ということで公表させていただいているということでございます。
○武田良介君 部門別ということじゃなくて、それぞれの、石炭火力発電所が何基あるかということもつかんでいなかったわけですよね、それぞれの石炭火力発電所からどれだけ出ていたのか。もちろん、それぞれの効率も違います。どれだけ稼働したかによって、どれだけ出たかという実績も違います。今、部門別とおっしゃったけど、それぞれの石炭火力のそういった実態はつかまれていないわけじゃないですか。
○政府参考人(森下哲君) 個別のデータについてはしっかりと集計をさせていただいております。
○武田良介君 じゃ、ちょっと時間もあれですので、またこの後お聞きしたいと思いますけど、公表できるデータはどんどん出していただいて、実態つかまなかったら対策打てないわけですから、そのことは厳しく指摘をさせていただきたいと思いますし。
 大臣、もう一度お伺いをしたいと思うんですけど、低効率の石炭火力発電所、日本にたくさんあります。なかなかはっきりしたお話いただけなかったですけど、環境団体はこれ調べているわけですね。石炭火力発電所、環境団体の調べによると全体で百十七あるというふうに言われていると思いますし、例えば超臨界のものは二十一基、亜臨界のものに至っては六十九基あるというものも出ております。まずここを止めていくべきだと思うんです。
 さっきも言いましたけど、二〇三〇年までにどうするのかということが今一つ焦点になっています。二〇三〇年までに低効率の石炭火力発電所から止めていくという、そういう道筋を、もうこれは政治判断として、大臣の判断として描いていくべきじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(原田義昭君) 二〇三〇年に向けては、地球温暖化対策計画に基づく取組を着実に実施して、政府全体で二六%削減目標の達成を目指すこととしております。また、その対策、施策の進捗状況について地球温暖化対策推進本部において毎年厳格に点検するとともに、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すこととしておるところでございます。
 こうした政府全体の取組の中で、環境省として、石炭火力発電に対しては、経産大臣との合意に基づく電気事業分野における地球温暖化対策の進捗レビューや環境アセスメントにおける大臣意見の機会を通じ、厳しい姿勢で臨んでまいりたいと思います。
 あわせて、ただいま御指摘のように、必要な限りにおいてはいろいろと実態の把握について努めていきたいと、こういうふうに思っております。
○武田良介君 道筋を描いていくべきではないかということを私お聞きをしましたが、経産大臣との合意、進捗レビュー、前回もお聞きしましたけれども、それではやっぱりできないわけですね、石炭火力を止めていくということが。
 これは大臣の決断だと思うんです。政治的な判断、これが必要だと。実態はできる限り把握するというお話だったけれども、止めていくという計画、道筋を描いていく。もう一度、大臣、いかがですか。
○国務大臣(原田義昭君) 本年七月に閣議決定いたしましたエネルギー基本計画、エネ基とも言われておりますけど、二〇三〇年に向けて、非効率な石炭火力発電のフェードアウト等について取り組んでいくとともに、二〇五〇年に向けて、石炭火力を含む火力発電について、長期を展望した脱炭素化への挑戦として、CCSや水素転換を日本が主導し、化石燃料の脱炭素化による利用を資源国、新興国とともに実現することとしております。このように、石炭火力発電については、将来、CCS等により脱炭素化していくという明確な方針を示しているところであります。
 このような政府の方針の下、パリ協定の目指す脱炭素社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っておるところであります。
○武田良介君 ごまかしちゃいけないと思うんですね。フェードアウトとおっしゃいましたけど、二〇五〇年に向けてですよね。二〇五〇年に向けて低効率なものは少しずつ廃止していきましょうという話をされているだけで、私言いましたけど、今焦点になっているのは二〇三〇年までです。三〇年までにどうやってCO2を削減していくのか、そこの道筋がないから聞いているんです。大臣、もう一度お願いします。
○国務大臣(原田義昭君) いや、私は、二〇三〇年に向けても非効率的な石炭火力発電のフェードアウト等に向けて取り組んでいくと、こういうふうにお答えをしたところであります。
 いずれにいたしましても、全体として石炭火力をフェードアウトしていくということは間違いないと、こう思っております。
○武田良介君 全体としてフェードアウトということと、私がお聞きをしている低効率のものから止めていきますよということを大臣として政治判断してメッセージを訴えていくって、これ、違う話なんです。だったら、何で減らないのかということです。やっぱりそこには大臣の判断がどうしても必要になってくるということを私指摘したいと思います。
 現在、COP24開かれております。この直前に発表されました国連環境計画、いわゆるUNEPのギャップレポートというのが出ておりますけれども、世界の二度C目標をやり遂げるためには、現在各国が掲げている排出削減量、目標を三倍にする必要があるという指摘をされております。
 前回の答弁の中でも繰り返し、目標の二六%削減ですね、日本でいう、それが達成できないなら見直しを求めるという答弁繰り返しありましたけど、それでは不十分だということをこれで指摘されているわけです。
 大臣は、このUNEPの指摘、どのように受け止めておられますか。
○国務大臣(原田義昭君) 本レポートは、二度目標を達成する道筋に合致した排出量と、各国が現在掲げる目標に沿った排出量を比較したものであります。昨年と比べこれらの差は増加していると報告をされております。この差をより小さくするためには各国の目標引上げが必要とされており、例えば民間企業などの非政府主体や地方自治体の取組が重要であるというふうにも紹介されているところであります。
 我が国が本レポートも踏まえて国内対策に着実に取り組むとともに、現在開催されておりますCOP24におけるパリ協定の実施指針の採択や途上国支援を通じて全ての主体の取組を促進し、世界の温暖化対策の強化に積極的に貢献してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○武田良介君 答弁書読まれてちょっと残念といいますか、その真剣さといいますか、伝わってこないということをちょっと率直に私申し上げたいと思うんですね。大臣、もっと切迫感持っていただいた方がいいんじゃないかというふうに思うんです。
 IPCCの一・五度の特別報告書、これは、気温上昇が二度に及ぶのか一・五度にとどまるのか、これによって大きな差があるということが特徴でした。サンゴとかマングローブへの影響も指摘されていますけど、自然影響だけじゃないわけですね。トウモロコシとか米とか小麦とか、その生産量が減少する、厳しい水不足が発生するだろうと言われている。漁業で生計立てている方のリスクも増える、貧困の影響を受けやすい人々も増加する、もういろいろ指摘をされています。人間生活の根幹部分に関わる問題、命に関わる問題が深刻化するという指摘がされていると思うんです。
 私もCOPの22行かせていただきましたけれども、アフリカ連合の皆さんが、実際にもう海面上昇で居住地奪われている方もたくさんいると、水不足、食料不足で紛争にもう発展してきているという発言もありました。やっぱり、被害を受けている国々、そこに暮らしている人々、そういう方たちにとってあれこれの課題の一つではないというふうに思うんですよね。
 世界は本当に切迫感を持って今この問題に取り組んでいます。大臣、この切迫感、どのように感じておられますか。
○国務大臣(原田義昭君) IPCCの一・五度の特別報告書は、一刻も早く着実に世界全体で気候変動対策に取り組むことの必要性をうたっております。現在開催されているCOP24におけるパリ協定の実施指針策定に向けた機運を後押しするものと考えております。
 我が国は、本報告書も踏まえ、実施指針の合意に向け引き続き積極的に貢献していくとともに、途上国支援を着実に実施し、世界の脱炭素化を牽引してまいりたいと思います。私自身も、事情が許せば日本政府団の代表としてこれに出席し、会議に積極的に貢献する決意でございます。
 なお、先ほど事務からも御報告いたしましたけれども、二〇一七年度の温室効果ガスの排出量の速報値によれば、我が国は四年連続で減少傾向となっております。また、同計画については、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すということになっていることも繰り返したいと思います。
○武田良介君 他人事ではいけないと思うんですね。日本だって今年は西日本の豪雨もありました、多くの死者も出ました。世界気象機関だったでしょうか、この台風二十一号が今年最も強力だった台風の一つとしてこれを挙げています。そういう事態が日本でも起こっているということですし、非常に切迫感を持って取り組んでいただく必要がどうしてもあるというふうに思うんです。
 大臣に端的にお伺いしたいと思うんですね。先ほども紹介しましたけど、UNEPは各国の目標を三倍にしなきゃいけないと言っているんです。COP24、やっぱりこの場で、日本の削減目標を引き上げると、そういうことを表明してくるべきだと思いますけど、いかがですか。
○国務大臣(原田義昭君) 何度も繰り返しますけれども、二度目標を確実に達成するということを目指しながら、その上で一・五度まで抑える努力を追求していかなければならないと、こういうふうに思っております。
 この観点から、我が国においては、地球温暖化対策計画に基づく取組を着実に実施し、まずは二〇三〇年度二六%削減の目標を達成し、かつ計画については、少なくとも三年ごとに計画、検討を行い、必要に応じて見直すということにされているところであります。
 パリ協定の目指す脱炭素化社会の実現に向け、従来の延長線上にないイノベーションを創出し、温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指すとともに、世界全体の排出削減に最大限貢献してまいりたいと、こう思っております。
○武田良介君 温対計画の見直しという話もありました。その見直しの温対計画の中にも二〇三〇年二六%削減ということがあるわけですね、それも見直しの対象ですよね。
 来年見直すに当たって、その目標を見直していくということでよろしいでしょうか、大臣、これは。
○政府参考人(森下哲君) お答えいたします。
 地球温暖化対策計画、これは、地球温暖化対策推進法に基づいて、先ほど委員からも御指摘がありましたように、三年見直しの規定が置かれてございます。法律の趣旨にのっとりまして適切に判断を今後なされていくものだというふうに考えております。
○武田良介君 時間なので終わりますけれども、二月合意に基づくその自主的な取組、その枠組み、やっぱりこれを見直していくということがどうしても必要だと思いますし、二〇三〇年の目標を引き上げていく、石炭火力廃止していく、やっぱりそういう道筋を描いていく、そのことが本当に大事だということを重ねて強調させていただいて、質問を終わります。

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関連資料

しんぶん赤旗記事「石炭火発 止める道へ/武田氏『削減目標は不十分』」