国会質問

質問日:2019年 11月 20日  第200臨時国会  災害対策特別委員会

被災者の要望をもとに、インフルエンザ予防接種、軽トラなどへの支援を確認

災害対策特別委員会で質問。20分の質問時間では足りない!

しかし、聞いてきた要望をもとに、いま被災者の方にお知らせしたい支援を丁寧に確認し、できるだけ使ってもらえるように、との心構えで質疑に臨みました。

インフルエンザ予防接種が無料で受けられる方は、避難所に寝泊まりしていなくても、食事をとるために、あるいは支援物資を受けとるために利用しているなどの避難所を利用している方も対象になります。
軽トラについても、農水省の支援策だけでは対象になるのはレンタルに限られるが、中小企業庁のグループ補助金では、一定の条件を満たせば対象とした西日本豪雨の例を確認、今回の災害でも「柔軟な対応をする」旨の答弁がなされました。

その他、保育園やあんずホールの復旧、きのこ農場の再建、住宅再建まで取り上げましたが、やはり時間が足りなかった!何にせよ、引き続き被災者の方の実態と要望を聞き、支援に取り組んでいきたい。

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台風19号被災 軽トラも補助対象

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 台風十九号とその後の低気圧による大雨で被災された皆さんに心からのお見舞いを申し上げたいというふうに思いますし、亡くなられた皆さんに哀悼の意を表したいというふうに思います。
 発災から一か月以上が経過をいたしました。被災者の皆さんの疲労もピークに達しておられるというふうに思います。避難所で生活を続けておられる方もいらっしゃいます。あるいは、被災されましたけれども、被災された御自宅で避難をされている、一階が被災をして、その家屋の二階に住まわれているという方もたくさんいらっしゃるわけであります。
 こういう中で、病気にかかりやすい状況にもある、そして一方で、インフルエンザの流行も指摘をされております。インフルエンザの予防接種をしてほしいという願いは大変切実なものになっているというふうに思います。
 そこで、内閣府にお伺いしますけれども、全ての被災者の方に対してインフルエンザの予防接種をしていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 御指摘のインフルエンザの予防接種につきましては、自宅で避難生活を続けている被災者を含めて、避難所におられる六十五歳以上等の方については災害救助法の適用対象としているところでございますけれども、六十四歳以下の方については救助法では対象とはしていないと。ただ、自治体の判断において避難所利用者に予防接種を行っているところがあるというふうに承知をしております。

○武田良介君 必ずしも避難所に寝泊まりをしている方だけではなくて、避難所を利用されている方、食事を取りに避難所に行くだとか、支援物資を受け取っているだとか、そういった避難所を利用している方に対しても予防接種をできる、このことを確認をしておきたいと思いますし、寝泊まりをされている方に限っているんじゃないかというふうに考えておられるところもあるように聞いておりますので、是非周知徹底をお願いしたいというふうに思います。
 それから、六十五歳以上の方という話ありましたけれども、先ほど言いましたような被災されたことによる生活環境の変化ということもありますので、何歳であっても誰であってもインフルエンザにかかる可能性というのは高まるわけですから、対象年齢の引下げも重ねて求めておきたいというふうに思います。
 私の地元長野県でありますけれども、千曲市というところでは、二つの保育園が浸水をしてしまいました。
 そこで、二つお聞きしたいと思うんですが、まず、市の方は仮設の園舎を早急に整備したいということを言っておられましたけれども、これは災害復旧の対象になるのかということがまず一つ。
 それから、次いで本設についてですけれども、浸水してしまった二つの園のうち一つの園は、被災しなかった別の園と統合するという計画を災害が発災する前から持っておられました。それは、建てる場所については、被災、浸水被害のおそれも考慮して別の場所に建てたいということを計画をされていた。要は、浸水のおそれがあるから統合して別の場所に置きましょうということを考えていたということでありましたけれども、こうした事情で建設場所が変わる本設に際しても、これ災害復旧の対象となるのかどうか、厚生労働省にお伺いしたいと思います。

○政府参考人(依田泰君) お答え申し上げます。
 被災した保育所の早期の復旧は大変重要であると認識しております。厚生労働省といたしましては、社会福祉施設等災害復旧費補助金により施設の復旧を支援しているところでございまして、その際、お尋ねございましたように、建物の復旧に要する費用だけではなくて、復旧するまでの間の応急仮設整備も補助対象としているところでございます。
 それから、この施設整備についての災害復旧補助金でございますけれども、災害前と同じ場所、また形状で元に戻す原形復旧を原則としているところでございますけれども、国に協議をいただきまして、その必要性があると認められる場合には移転、改築も可能としているところでございます。
 いずれにいたしましても、被災自治体等と緊密に連携を図りまして、早期の施設の復旧に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

○武田良介君 実情に応じて検討していくということでありましたので、災害復旧で取り組んでいただけると、その取組の中身も現場とよく緊密に連絡を取り合っていただいて、充実したものでお願いしたいというふうに思います。
 同じく、千曲市にはあんずホールという文化施設があります。この中には図書館もあるわけですけれども、ここが浸水被害を受けてしまいました。県内でも非常によく利用されている施設でありまして、千曲市に伺っても、ここが被災してしまったということは非常に大きなインパクトがあるんだということをおっしゃっておられました。
 そこで、このあんずホール及びその図書館の再建ですけれども、どのような支援を行うのか、現場での再建の見通しが立つような支援を是非お願いしたいというふうに思いますけれども、文科省にお伺いします。

○政府参考人(寺門成真君) お答えをいたします。
 御指摘の関連につきましては、社会教育施設の災害復旧についてでございますけれども、激甚災に基づきまして、公立社会教育施設災害復旧事業におきまして、被災した特定地方公共などの設置する公立社会教育施設等の施設整備等の復旧に要する工事等に対しまして国がその三分の二を補助することにしているところでございます。
 台風十九号につきましては、先般、激甚災に基づきまして激甚災害、本激に指定されたところでございますので、御指摘の施設が存在する千曲市が当該災害により被災した特定地方公共団体に指定された場合には、本事業による支援が可能となると考えてございます。
 文部科学省といたしましては、今後、御指摘の施設につきまして、この事業による支援が可能となった場合には、県からの御申請に基づきまして適切に手続を進めてまいりたいと考えているところでございます。

○武田良介君 是非支援をお願いをしたいというふうに思います。
 次に、農業被害についてお伺いをしておきたいというふうに思います。
 皆さん御承知のように、長野県は農業県でありまして、リンゴの生産も大変盛んであります。私の実家もリンゴ農家でありますけれども、我が家は直接被災していないわけですけれども、リンゴの生産が大変盛んであります。
 今回の被害の特徴は、その果樹園地が浸水をしてしまったということが大きな特徴だというふうに思います。樹体そのものが、そのリンゴの木そのものが衰弱をしてしまうという状況があるということを現場からも聞いております。早期復旧、これを機に離農してしまうということがないように支援をしていくということが何より大事だというふうに思います。
 そこで、農水省では、今回初めてとなる果樹園地の早期復旧に向けた特別対策というのを取りまとめておられるというふうにお伺いをしております。簡潔に、被災農家の皆さんにも分かりやすいような形で御説明いただければと思いますけれども。

○政府参考人(鈴木良典君) お答えをいたします。
 台風十九号などによる果樹の被害につきましては、千曲川流域のリンゴ農家を始め、広範囲で浸水被害が発生し、被災農家は経営面積の大部分を植え替えざるを得なくなり、長期にわたり収入が途絶えるといった従来にない事態が生じております。
 これを踏まえまして、十一月七日に発表した対策パッケージでは、従来の十アール当たり改植支援の十七万円と幼木管理経費への支援二十二万円に加え、新たに十アール当たりの支援として、省力化が図られるリンゴの新矮化栽培を導入する場合には、改植単価を五十三万円に設定するとともに、大規模な改植を行う園地における早期に収穫を得るための大苗の育成や、果実が実るまでの期間の収入を確保するための代替農地での営農などの取組への支援として最大七十五万円を措置することで、改植及び幼木管理の経費の支援と合わせ、最大百五十万円を支援することとしたところであります。また、改植を免れた園地における次期作に向けた樹体洗浄や、病害蔓延防止のための防除などの取組への支援として十アール当たり最大九万四千円を措置したところであります。
 これらの対策により、被災した果樹農家が一日も早く経営再建できるよう、全力で取り組んでまいります。

○武田良介君 是非、現場の実情も聞きながら、また実務的にもこの取組を周知徹底しながら、被災農家の皆さんとともに取り組んでいただきたいということを重ねてお願いをしたいというふうに思います。
 その被災農家の皆さんとお話をしていて、多く聞いてきた声が、一つ、軽トラックの問題というのがあります。
 この軽トラックは、畑に農機具をもちろん運んでいくこともありますし、やはりリンゴを出荷するときには、リンゴを取って共選所に運んで出荷をしていくということで、農業を続けていくためにはなくてはならないものになっているというのが現場の実態だというふうに思います。しかし、汎用性があるということで、なかなか購入支援は実現してこなかったというのがこれまでの経過だというふうに思います。
 そこで、私、知恵を出し合う必要があるなというふうに思って、ずっと見ておりました。トラクターだとか、農業機械同様にグループ補助金のような枠組みで支援することはできないのかということも私も考えておりましたけれども、あの西日本豪雨の際には、グループ補助金による車両の復旧に関して、どういう車両を補助対象にするのかということについて一定の考え方を示して実際に補助したということをお聞きしております。
 そこで、中小企業庁にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、その西日本豪雨の際に行ったグループ補助金を活用した車両復旧の仕組み、これ御説明いただきたいということと、それを踏まえて今回の災害に対してどのように取り組んでいくのか、答弁をいただければと思います。

○政府参考人(渡邉政嘉君) お答えを申し上げます。
 今回の生活、なりわい支援パッケージに盛り込まれましたグループ補助金は、特に被害の大きい宮城県、福島県、長野県、栃木県におきまして、被災事業者がグループを形成して工場、店舗等の施設や機械設備などの復旧を行う際に、その費用の四分の三を補助するものでございます。
 初めて水害等に対応してこのグループ補助金を措置した平成三十年七月の豪雨の際には、業務に用いる車両の被害が大きいといった現場の声を踏まえまして、新たに補助対象とする拡充措置を講じたところでございます。被災前に所有していたこと、業務用のみに用いており事業内容に適した車種であることの二要件を満たした場合に補助対象とすることとしております。
 今般措置されましたグループ補助金におきましても、災害の性質を鑑みて、平成三十年七月豪雨と同様の取扱いとする予定でございます。こうした支援により、被災事業者の一日も早い事業再開をしっかりと後押ししてまいりたいと考えております。

○武田良介君 被災前に所有していたこと、それから業務用のみで用いることが適しているというものという答弁だったというふうに思いますし、同様に対応していくということが答弁であったというふうに思います。是非柔軟に対応をいただきたいというふうに思っております。
 今、中小企業庁の方から御答弁いただきましたが、グループ補助金の枠組みですので、農業に限った話ではないことかというふうに思いますけれども、農水省に伺います。農業でということで見るとどういうふうになるのか、その被害が甚大なわけですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(鈴木良典君) お答えをいたします。
 被害を受けた農業用機械の修繕、再取得につきましては、強い農業・担い手づくり総合支援交付金の被災農業者支援型により支援することとしておりますが、本事業は、農産物の生産に不可欠なトラクター、コンバイン、田植機などの農業用機械の修繕、再取得に限って補助対象としており、軽トラックのような農業生産以外の用途に利用できる汎用性の高いものは補助対象としておりません。
 一方で、レンタルの場合は、持続的生産強化対策事業のうち産地緊急支援対策において、運搬用トラックが水没などの被害を受け、営農再開のための作業に必要な時期までに調達できない場合などについて、運搬用トラックのレンタル経費について補助対象としております。
 農林水産省といたしましては、経済産業省などと連携しつつ、地元の意向をお聞きしながら、来年の営農に影響が出ないよう、被災地に寄り添って引き続き丁寧に対応してまいります。

○武田良介君 レンタルに対しては二分の一補助があると、そういう事業スキームがあるということでありました。是非、これ自身も徹底していただきながら、また関係省庁と引き続き協議いただいて、被災者の皆さんに寄り添った施策を打ち出していただけるようにお願いをしたいというふうに思います。
 長野県は、リンゴもそうなんですが、被災地ではキノコの栽培も非常に盛んでありまして、私の生まれ故郷であります中野市というところもエノキダケの生産でいいますと全国の約四割のシェアを占めるということでありまして、大変な被害が出てしまいました。キノコ農場が浸水をして、菌床、菌の、菌床ですね、だとか栽培用の瓶ですとか、もちろん湿度管理などをしている機械なども浸水をし、使えなくなってしまっているという状況があるわけであります。
 こうしたキノコ農場のその廃棄物の撤去、さらにはキノコ農場の復旧整備、これ莫大な費用が掛かってくるということなんですけれども、これにはどんな支援スキームがあるのか、林野庁の方から御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(前島明成君) お答え申し上げます。
 台風十九号に伴いまして、菌床キノコ栽培施設などの特用林産振興施設とともに菌床や原木といった生産資材が水没するなど、甚大な被害が発生したところでございます。
 このため、農林水産省といたしましては、キノコ生産に関わる被災者の方々の生業再建に向けまして、林業・木材産業成長産業化促進対策、これによりまして支援を行うこととしたところでございます。
 具体的には、一つ目には、浸水による廃棄せざるを得なくなった栽培機械や機材、また腐敗したキノコや菌床培地などの災害廃棄物の撤去。二つ目には、被災しました栽培機械や機材の修理又は買換え、壊れた建物の修繕に対して支援をすることといたしております。また、これらに加えまして、三つ目でございますけれども、水没などにより使用できなくなりました菌床培地の生産再開、このための買換え、再導入でございます。これにつきましても支援することとしたところでございます。
 なお、菌床培地などの廃棄につきましては、被災した生産者の方々が集積所まで持ち込む費用に対して農林水産省が支援を行います。また、その後、集積所からの処理につきましては市町村がこれを実施することといたしまして、処理費用につきましては環境省が支援を行うという、そういう仕組みを整備したところでございます。
 今後とも、被災された生産者の方々が一日も早く経営再建できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

○武田良介君 是非お願いしたいと思います。
 事前に伺ったときには、その上限額もないということをたしかお聞きしましたし、必ずしもその設備のバージョンアップを必要とするものでもないということもお伺いをしておりましたので、確認をさせていただきたいというふうに思います。
 最後二分しかないんですが、最後、住宅再建に関わって、大臣にお伺いをしたいと思います。
 長野県では、信州型の被災者生活再建支援制度というのをつくりました。今回、初めて適用となったものでありますけれども、これ、背景には二〇一四年の神城断層地震というのがあったんです、長野県で。このとき、スキーで有名な白馬村だとか小谷村というところはこれ適用になったんですね、適用要件によって。適用になったんですが、大町市や長野市は、同じ災害ではありましたけれども、一定の被害件数がなかったがために対象とならなかったと。そこで、そのときは県が独自に見舞金を支給するということをやってきた経過があるわけであります。こうした背景からつくられた信州型の支援制度でありますけれども、その被災家屋が半壊一世帯以上が生じた場合から信州型の場合は適用しているということであります。
 先ほどの答弁の中でも全国知事会との関係で継続的に意見交換しているということもありましたけれども、大臣の思いも含めて御答弁いただければというふうに思います。

○国務大臣(武田良太君) 長野県知事もよく来られるんですけれども、長野県のこの災害対応というのは非常に先進的で、参考にするべき点というのは多々あります。
 よく先生方から御指摘を受ける被災者生活再建支援制度に対してですけれども、これはいろいろな条件が付いているのも事実であって、市町村そして都道府県が自らの力のみで対応できない、そしてまた一市町村で全壊十世帯以上など著しい被害を及ぼす自然災害が発生した場合とか、その場合でも全壊、大規模半壊等の重大被害を受けた世帯に対して支援金を支給することとしているという、いろんな枠組みが付いておるのは事実であります。
 一方で、今、二十一の都道府県でこれを実施していただいておるんですけれども、支援法の適用となる災害であっても適用基準を満たさない市町村については、これは残念なことに支援法による支援金は支給されませんが、その各県の条例によって全壊等の世帯に対し支援法と同様の支援を行えば支給額の二分の一を特別交付税で措置することとしており、既にこの二十一の都道府県では導入されているところであります。
 これらの府県では、御指摘のような場合でも独自支援制度による支援金が支給されているところであり、当該制度を導入していない都道府県に対しても引き続き制度の導入を促すなど、被災者に寄り添った災害対応に今後とも努めてまいりたいと思います。

○武田良介君 支援制度の拡充、またその国の財政支援、今答弁にあった部分ですけれども、財政的な対応も含めて是非拡充をお願いしたいということを申し上げて、質問を終わります。

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赤旗記事「台風19号 軽トラも補助対象/武田氏に政府答弁/参院災害特委」