国会質問

質問日:2019年 11月 28日  第200臨時国会  国土交通委員会

国際戦略港湾より全国の地方港湾の老朽化対策を

国土交通委員会で港湾法改定案の質疑に立ちました。改定案は、洋上風力発電設備を設置するための拠点港湾をおくこと、また国際戦略港湾における国際コンテナ船寄港便数を増やすために、大規模港湾設備を整備することや運営会社に国の職員を派遣することを内容としています。
私は、これまで5年間の取り組みで、国際コンテナ戦略港湾への寄港便数は減少したことを指摘し、路線の根本的転換へ検証すべきと質問。

なぜなら、国際コンテナ戦略港湾への整備には巨費を投じる一方、地方港湾は老朽化しています。エプロン陥没、鋼管杭の腐食などが多数あります。地方港湾の老朽化対策こそ!
 競争優先の国際戦略港湾政策ではなく、地域経済活性化のための地方港湾支援へと港湾政策の根本的転換が必要です。

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 本法案は、大型洋上風力発電施設を整備するために拠点港湾を確保すること、それから、国際コンテナ戦略港湾の寄港便数を増やすことを目指しております。私、国際戦略港湾について質問させていただきたいというふうに思います。
 法案の説明資料では、国際戦略港湾についての方策で二点挙げております。一点目は、港湾運営会社の経営計画に国際基幹航路の維持、増加を書き込むという点、それからもう一つは、港湾運営会社に情報を提供し、国から職員の派遣もしていくということが強調されております。
 まず、その国際基幹航路の維持、増加について聞かせていただきたいと思います。
 国はこれまで、国際コンテナ港湾戦略政策推進委員会ですか、そこでの最終とりまとめというのを、これ二〇一四年の一月に出しておりまして、そこで政策目標として、国際コンテナ戦略港湾に寄港する欧州基幹航路を週三便に増やすとともに、北米基幹航路のデイリー寄港を維持拡大するということを掲げてきておられます。その目標達成のために、国際戦略港湾政策を進めていくために、集貨、創貨、競争力強化という三本柱を進めていくということであります。
 集貨というのは、地方港、先ほど答弁にもありましたけれども、地方港あるいはアジアから戦略港に荷物を集めていくということがありますし、創貨は、物流施設だとか流通加工施設を整備していく、競争力強化というのは、大水深のコンテナターミナルを整備するなどなどあるというふうに思うんです。
 まず、大臣にお伺いをしたいと思うんですが、先ほどの政策目標、欧州航路を週三便にする、北米航路のデイリー寄港を維持拡大する、この政策目標は達成できたんでしょうか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 先ほどから答弁していますように、この三十年、大変国際物流の状況は変化が激しい中、競争力も維持も大変難しい中、こうした平成二十六年以降、新たな国際コンテナ戦略港湾政策に取り組んできたところでございます。
 今お尋ねの北米航路につきましては、大変国際競争激化しておりますが、平成三十一年度末時点においてデイリー寄港を維持し、当初の目標は達成できたところでございます。
 他方、欧州航路につきましては、これは想定を上回るコンテナ船の大型化ですとか船社間、船会社間の共同運航体制の再編等、大変急激な寄港地の絞り込みの進展になって、なかなかそこの戦いに追い付くことができなかったと。我が国において大型船の寄港に見合う貨物量やコスト、利便性等の面で近隣の競合港に劣後したことが要因となりまして、現在、現在というか、その発表の時点では週一便でございます。今は、令和元年、今年の五月に週二便に増加をしたところでございますが、当初、週二便を週三便にという目標は未達成となっております。以上です。

○武田良介君 未達成となったという答弁でありました。これはやはり、先ほど国際コンテナ船の大型化が想像以上に進んだという話ありましたけれども、最終とりまとめの中にもこの話出てくるわけでありますので、想定できた話ではないかというふうにも思います。
 これまで三本柱でやってきたわけですけれども、政策目標はこれ達成できなかったわけ。そうすると、これからの五年間をどうするのかということになってくると思うんですね。
 今年の三月に出されましたこのフォローアップ、これ見ますと、今度、政策目標は、二〇一九年からおおむね五年間で、欧州・北米航路を始め中南米、アフリカ等、多方面、多頻度の直航サービスを充実させるということで、国際基幹航路を引き続き増やそうということを掲げておられますし、集貨、創貨、競争力強化の三本柱ということも、これうたっているわけであります。これで本当に国際基幹航路を増やすことになるのかどうか。
 高田局長にお伺いしたいと思いますが、簡潔に御紹介ください。五年間の取組のこのフォローアップではどのように総括をしているのか、この五年間の取組ですね、御紹介いただけますか。

○政府参考人(高田昌行君) お答え申し上げます。まず、国際コンテナ戦略港湾政策、集貨、創貨、競争力強化ということでございますが、これまで港湾運営会社が行ってきた集貨活動によりまして、国内からの集貨に資する内航フィーダー航路の運航便数は、阪神港で四割、京浜港で二割増加するなど、自国貨物を可能な限り集貨し、言わば国内のハブ港として国際コンテナ戦略港湾で取り扱うという仕組みは構築されてきました。しかしながら、残念ながら、我が国の国際コンテナ戦略港湾における国際基幹航路の運航便数については減少傾向にございます。
 この総括としましては、やはりアジア諸港におけるコンテナ取扱量の急増、コンテナ船の更なる大型化や共同運航体制の再編等による寄港地の絞り込みといったその外部要因に対しまして、我が国において大型船の寄港に見合う貨物量やコスト、利便性等の面で近隣諸国に劣後していることなどが原因と考えているところでございます。

○武田良介君 その近隣諸国に劣後しているということは、これまでも想定された話だと思うんですね。それまで、集貨で一定増やしてきたということもおっしゃられましたけれども、そういうことをやってもこれまで結局目標は達成できなかったわけであります。
 今回のこのフォローアップを見ても、先ほども言いましたように、やはり集貨、創貨、競争力強化というのはもう既定路線になっているわけですけれども、私、やっぱり目標達成できなかったのであれば、そういったことも含めてしっかりと検証していく必要があるんじゃないだろうかというふうに思うんです。大臣、いかがでしょうか。検証が必要なんじゃないでしょうか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 結果は、厳しい現状があり、またしかし、その中で北米航路は何とか維持ができたという、達成した部分もあります。そうしたことも踏まえてこのフォローアップはされているというふうに承知もしております。
 その中で、この集貨、創貨、競争力強化という三本の柱は揺るぎなく、しかしその中で、従来どおりと同じようなことをやるのではなく、先ほどから各委員の皆さんからも様々な御提言もありました、日本らしさの強みを発揮しながらしっかり頑張らなければいけないと。それは私は、もう相当厳しい、現状厳しい認識でありまして、本当にせっぱ詰まった状況の中で、三つのCですか、コストをいかに安くし、どれだけ利便性を向上することによって荷物を多く集められるのかと。やっぱり選んでもらえる、海外から選んでもらえるトランシップの港として、やっぱり相当戦略的に立ち向かわなければいけないというふうに思っております。
 これまで続いてきたことを惰性的に繰り返すつもりはないし、それでは勝ち残ることはできないと思っておりますので、しっかりとした国際戦略港湾政策を実現していかなければいけないと思っておりますが、この柱については様々な有識者の皆さんからの御意見をいただいて、この三つの柱自体は変えることは必要ないのではないかというふうに思っております。

○武田良介君 私、しっかり検証し、見直していくこと、必要だというふうに思います。
 日本の産業構造見れば、アジアを中心とした日系企業の生産移転によって産業の空洞化が起こっているということがあります。日本から出荷する貨物そのものが減少しているということも直視していく必要があると思うんです。
 資料をお配りしておりますけれども、資料の一番は、日系製造業の業種別海外生産比率の推移ということで、これ見ますと、どの分野でも海外の生産がどんどん増えているということが分かります。資料の二番見ますと、とりわけ自動車メーカーでありますけれども、これは二〇〇〇年と二〇一八年を比べますと、国内の生産それから海外の生産、逆転をするという状況にもなっているわけであります。こういう根本的な産業構造の問題があるという下で、その三本柱、集貨、創貨、競争力強化という三本柱だけでは、これやはりコンテナ港湾をめぐる危機は解決しないと。選択と集中というやり方では日本全体の港湾は一層廃れてしまうということを、私、指摘をしたいというふうに思います。
 競争力強化ということについて聞かせていただきたいと思いますけれども、施設整備を進めるということなんですね。この施設整備費はどうなっているかということで資料の三を付けました。
 一番上の欄のところに合計というのがありますが、コンテナターミナルと臨港道路を合わせて、当初計画は、これ足していただきますと五千五百億円になるわけですけれども、現在その計画が見直されて、二つ足していただきますと一兆二千億に膨らんでいるわけであります。この注釈のところを見ていただきますと、なぜ増えているのか、追加された主な事業があると。横浜港の国際海上コンテナターミナル再編事業、あるいは大阪港、北港のこれは岸壁の延伸ですね、とか、あるいは神戸港六甲アイランド地区の国際海上コンテナターミナル等々、増えているものがあるということになっているわけであります。
 こういうお金があるんだったら、私、地方港湾の改修、修繕にお金を使うべきだというふうに私は思っております。
 その後、資料の四番、これ国土交通省の資料でありまして、港湾施設の現状というものであります。四番から七番辺りまででしたかね、ずっと付けさせていただきました。写真が掲載をされておりまして、例えばエプロン等が陥没をしているという状況があったりですとか、資料の六番などを見ますと、これは鋼管杭が腐食をしているというものも出てきております。
 こういうものが全国、鹿児島だとか、三河湾、金沢、魚津、伏木富山、佐世保、松山港など各地で起こっているということ、これを国交省の資料で紹介しているわけでありますので、こういう地方港湾の改修、修繕、是非急いでやっていただきたいというふうに思っております。大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 地方のこういう港が今御指摘のような状況であるということは私も承知をしておりますが、これは、やっぱりこれまで公共事業に対して大変厳しい声もあり、十分な財源が確保できなかったということもその背景にあったということは否定できないというふうに思っております。地方の港を、こうしたことをしっかりと修繕を進めていくということは地方経済にとって大事だということは私も承知をしておりますが、そのことと国際戦略港湾のことというのは、私は全く違う話だと思います。
 かつて、日本の港湾行政振り返りますと、全国各地の港をボトムアップしようということで様々そうしたことが取られてきた結果、国際競争力を失い、そこの中でスーパー中枢港湾の構想ですとか今の国際戦略構想が出ている。
 しかし、その中でも、大変それでも厳しい状況が続いているということであって、この国際戦略港湾をもし放棄するようなことになってしまえば、増子先生の御質問だったと思いますが、大変な損失になってしまうということは私は相当明らかなのではないかと思っております。
 ですから、当然地方のこともしっかりと手当てをしなければいけないというふうに思っておりますので、公共事業等々の予算編成に対しては是非皆様方からの御支援もいただきたいと思いますが、そのことと日本の国際戦略港湾についてのことは私は整理をして取り組むべきではないかと。そうしたことをしないと、やっぱりトランシップの貨物はしっかり取っていくということをしっかり確度を付け、先ほど伊藤さんからも御提言ありましたが、やっぱりLNGという環境について日本の特性を、強みを発揮して切り込んでいくということは非常に重要だというふうに私は認識をしております。

○武田良介君 今後、老朽化した施設は更に増えていく傾向にあります。資料の八に付けておりますけれども、今後、二〇二六年になりますと、設置しましてから五十年を経過する施設が約四割、さらに、二〇三六年になりますと六割になるということ、これも国交省の資料で出てきておりますので、この問題の深刻だということを強調させていただきたいというふうに思います。
 国交省は、九月の二十五日に、自治体などが管理する港湾施設の五年に一度の点検状況というのを発表されております。岸壁の二一%、外郭施設の四〇%でそれぞれ点検未実施だったということでありました。資料の九に付けておりますけれども、これ見ますと、例えば一番上の係留施設では、対象にしている一万三千九百三十六施設に対して点検の未了は二一%、点検の結果、修繕対象となった二千三百七十七施設のうち六八%で修繕未完了ということになっております。
 これ、そもそも点検が進んでいない、点検ですね、ということでしたが、港湾管理者たる地方自治体に技術を持った職員が少ないからではないかというふうに思いますけれども、高田局長、いかがでしょうか。

○政府参考人(高田昌行君) 港湾施設の維持管理につきまして、今後ますます重要になると認識をしております。特に、港湾管理者によりましては、技術者や財源の不足により、点検や修繕が進んでいないところがあるということを承知をしております。
 この施設の点検につきまして、国土交通省では、港湾管理者が点検診断を適切に実施できるように、平成二十六年七月に港湾の施設の点検診断ガイドラインを作成しますとともに、港湾管理者の職員を対象とした研修や講習会の実施等の技術的な支援を実施させていただいております。また、施設の点検が進んでいない港湾管理者に対しまして、国の出先の直轄事務所が合同で点検診断を行うなど、技術的な援助も行っているところであります。
 また、施設の修繕につきまして、例えば写真でありました港湾施設の老朽化による陥没事故等が発生した場合には、まずは利用上の安全の確保のための措置を講じながら、事故原因の究明、復旧工法の検討等を行い、所要の予算措置をした後、復旧工事を行うのが一般的になっております。また、埠頭の再編事業等が計画されている場合には、利用者との十分な調整を行いながら時間を掛けて修繕を行うこともございます。
 様々なケースがございますが、いずれにしましても、限られた財源と人的資源の下で港湾施設の点検及び修繕の進捗が図られますように、国交省としましても港湾管理者と連携して取り組んでまいりたいと思います。

○武田良介君 時間ですので終わりたいと思いますけれども、質問できませんでしたけれども、港湾運営会社に国の職員を入れることでありますけれども、これまで民の視点を取り入れるということで港湾運営会社を創設してきた経過からしても、これやはり自己矛盾するのではないかというふうに指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 これまでも、港湾を管理している自治体港湾局に対しては、例えば東京都で六人とか、横浜でも六人、川崎十一人、二つの港湾運営会社に延べ九人来ていますけれども、しかし、冒頭述べたように、必ずしも目標達成できていないということでありますから、職員を派遣すれば増えるという保証はないのではないかというふうに思います。
 競争優先の国際戦略港湾政策ではなくて、地方経済活性化のための地方港湾支援へと港湾政策の根本的転換を求めて、質問を終わりたいと思います。

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参考資料

国土交通委員会配布資料