原子力規制委員会が27日、北陸電力志賀原発1号機の原子炉建屋直下の断層について、「活断層と解釈するのが合理的」とした有識者会合の報告を受理したことがニュースになっています。新規制基準では、原発が活断層の上に立つことを認めていないので、規制委員会がこの報告を、「重要な知見」から「結論」にまですれば、志賀原発1号機は廃炉が迫られるでしょう。
私は昨年11月、志賀原発の視察に行きました。志賀原発のすぐ近くの海岸に行くと、原発敷地内につながっているという断層がはっきり見えました。
お話を聞くと、能登半島全体が、東西から推される「逆断層」の構造になっているとのこと。能登半島は、10の「地殻」の集まりとして成り立っているとのことで、志賀原発が乗っかっている地殻が、動いているであろう状況も見えるとのことでした。
その一つが、「ノッチ」。かつて波打ち際だったため、波の浸食で丸く削られた崖面が海岸に見えます。
そして、「海生段丘」。波打ち際の平らな浜辺部分が段丘になっているところ。
さらに、「ヤッコカンザシ」。海棲生物:かいせいせいぶつ、貝の一種で、波打ち際で生息しているものだが、それが急激な隆起で死んでしまい、化石になったものが海岸20mくらいのところで見つかっているといいます。
最後に、「海砂の地層」。うみすな、かつて波打ち際だったからこそ、そこにたまっているまさに浜辺の砂が、志賀原発の近くにあり、間違いなく断層が動いていることが確認できます。
次、いつ動くのか。それはやはり、専門家でも予知できないと言われているわけですから、何とも言えないわけですが、動く可能性があるのだから、危険な原発は廃炉しかないでしょう。
私が志賀原発を視察したこの日、北國新聞に北電が一面広告を掲載していました。活断層について意見を言わせてくださいというもので、国の有識者と北電の見解は違うと。
S-1断層、S-2断層など原発直下の断層について、堆積物だとか、硬い岩盤だから、200ⅿたらずの断層面が動くはずがないと学者がいっている、などの主張でした。
私はさらに学ばないといけませんが、少なくとも、そもそも能登半島の東西の逆断層であることや、10もの地殻からなっていることなどには触れる内容ではなかったと思いますし、今回の九州地方の地震も、これまで認識されていなかった活断層が動いたといいますので、やはり危険であることに変わりはないのではないでしょうか。
現地で、見て、聞いたことを紹介しただけですが、安全か危険かわからない原発を動かす必要はありません。電気も足りています。
川内原発はいますぐ停止するし、一つも動かしてはいけない。全基廃炉を目指すべきだと思います。