平昌オリンピックの熱戦が続いています。今回のオリンピックに韓国と北朝鮮の合同チームが出場していることも注目を集めています。平和の祭典としての成功を、願わずにはいられません。
オリンピックに際して、金正恩朝鮮労働党中央委員長の南北関係改善の意志を示し、訪朝を要請した親書を持った北朝鮮代表団が韓国を訪問。文在寅大統領は「条件を整えて成功させよう」と応じたとのことで、前向きな変化が起きています。
これに対し日本はどうか。2月9日に行われた日朝首脳会談で、安倍首相は文大統領に、米韓軍事演習を延期すべきではないと話したのです。文大統領は、韓国の内政に踏み込む発言は適切ではないとの立場で応じられた。当然です。「微笑み外交に目を奪われてはいけない」「対話のための対話では意味がない」との立場を、「平和の祭典」にまでいって披露する安倍首相への失望がひろがりました。
国際経済外交調査会が広がれた14日、外務省がこの日朝首脳会談について報告をしました。口頭での説明にはなかったのですが、配布資料には文大統領が安倍首相に対し、「日本も積極的対話に踏み出してはどうか」と発言したことが記載されていました。そこで、どういうやり取りだったのか質問しましたが「資料記載の通り」と述べるだけ。資料にはそれに対する安倍首相の言葉はありませんでしたから、返す言葉もなく帰国したのでしょうか。国際社会から取り残される異常な日本の外交を感じざるを得ません。引き続き、日本が対話による平和外交に踏み出すことを強く求めたいと思います。
(2月24日 しんぶん赤旗 東海・北陸信越版に掲載)