運転手の休息11時間拡大を
武田議員 医学的根拠ある
日本共産党の武田良介参院議員は8日の参院国土交通委員会で、バス運転手など自動車運転者の勤務終了から翌日の勤務までの「休息」を11時間へ拡大するよう求めました。
自動車運転者の働くルールを定めた改善基準告示は厚生労働省労働政策審議会で見直しています。昨年10月の案は、休息は現行の8時間を大きく上回る「原則11時間」としていました。
武田氏は「労災認定基準が根拠であり、脳や心臓疾患の発症は、睡眠が確保できないような長時間労働の関連が強い。つまり休息11時間は医学的根拠のある提案だ」と強調しました。
ところが同審議会では2月に休息「9時間」案を提出。武田氏は「この根拠は何か」とただしたのに対し、厚労省の担当者は「委員からさまざまな意見をいただいたことから改めて提示した」と、根拠は示しませんでした。
武田氏は、2018年に一部改正された旅客自動車運送事業運輸規則などに「乗務員を乗車させてはならない事由」に「睡眠不足」が追加された点を指摘。「十分な睡眠とは、どういうものか」と尋ねました。国土交通省の担当者は「6~7時間の連続した睡眠」と答えました。
武田氏は「(案の休息)9時間内に通勤、食事や入浴、家事、育児などをやって、6~7時間の連続した睡眠はどうやってとれるのか」と追及しました。
斉藤鉄夫国交相は「事業者が十分な休息を与えることが必要」などと答弁。
武田氏は「6~7時間の連続睡眠は、科学的根拠をもって、国交省がマニュアルに記載したもの。安全確保のために厚労省の審議会でも11時間が必要だと堂々と主張すべきだ」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2022年3月9日付より)