武田良介参院議員は、環境大臣に対してメタンハイドレート開発から豊かな富山湾を守るべきと、4月23日の参院環境委で追及しました。
豊かな漁場として知られ、生物多様性のある富山湾での開発行為は、漁業や生物多様性の破壊につながる恐れがあるため、国際的取り決めでもある海洋保護区に設定し、富山湾を守るべきだと要求。保護区設定に言及できない環境大臣に、「いま、環境省の生物多様性や環境保全に対する姿勢が問われている」と厳しく指摘しました。
「ジュゴンは、沖縄本島付近では3頭生息するとみられていたが、そのうち1頭が死骸で漂着し、絶滅の危機に瀕している」として、環境省のジュゴンを守る姿勢について追及。「環境配慮は沖縄防衛局で適切に行われている」と答弁する環境大臣に対し、「ジュゴンが死骸で漂着した」と大臣の姿勢を批判するとともに、「沖縄衆院3区補選で示された沖縄の民意も受け止め、防衛省に対し工事を直ちに止めるよう求めるべきだ」と追及しました。
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議事録
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
本法案は、自然環境保全法を改正し、沖合海底域の貴重な生物多様性のある区域を保全区域に指定をする、保全計画を策定していくものであります。一〇%以上を指定しようとする条約を果たすために必要なものだというふうに承知をしております。小笠原諸島の海域を指定し、一〇%を超えていく、これ自身は必要なことだというふうに思っております。
最大の懸念は、今もお話がありましたけれども、今後行われるかもしれない海底資源の開発行為に対して、今回の法改正によって保全地域を指定することが実効性ある保全になるかどうかということであります。
第三期海洋基本計画では、海洋の産業による開発、利用、また海底の資源開発、利用に考慮をして、保全と利用の両輪で進めていく方針となっていると。よって、この法改正では、予防的広がりを持って保全地域を指定し、順応的管理を行うと。これが、この環境省の今回の法律案の概要の説明にもあることだと思います。で、小笠原の海域を指定する、ただ、その小笠原の後、その後の見通しはないというふうにもお聞きをしております。
予防的広がりを持って指定すると言うけれども見通しはなくて、指定しても、例えば農水だとか経産省との調整をしながら順応的に見直しをしていくと。これで海底の自然環境、生物多様性、守れるんでしょうか。正田局長。
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
海洋保護区の設定に当たりましては、今後の海洋の産業による開発、利用にも考慮することとしてございます。これは、委員御指摘のとおり、第三期海洋基本計画にも位置付けられているものでございます。
一方で、一旦設定されました保護区につきましては、保護区の総面積でございますとか自然環境の保全の程度を縮小、低下させるような見直しを原則として行うべきではないとされておりまして、この点は中央環境審議会からも同様の答申を受けているところでございます。
このため、産業による開発、利用の観点から、沖合海底自然環境保全地域の見直しを行う場合には、沖合域における自然環境の保全の程度が全体として維持されることを前提とすることが適当と考えておりまして、この点につきましては関係者としっかりと調整をしてまいりたいと考えております。また、指定の見直しに当たりましては、あらかじめ、学識経験者で構成されております中央環境審議会の意見、これは専門的な御意見を聴くこととしてございます。
そういった観点からも、生物多様性の保全は図れるものと認識をしてございます。
○武田良介君 保全が前提、原則としては守らなければいけないという趣旨の答弁ありましたけど、原則としてはということで、実際、見直しは見直しということでされるわけです。
富山湾を例にちょっとお話しいただきたいんですが、環境省は、先ほどもお話に出てきました重要海域にこの富山湾も選んでおられます。そこで、正田局長に簡潔に分かりやすく御説明いただきたいんですが、重要海域とは何かということと、富山湾を選んだ理由ですね、そこの生物多様性だとか、その重要さについて簡潔にお願いします。
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
まず、重要海域についてでございますが、環境省では、生物多様性条約第十回締約国会議、COP10が開催された翌年の二〇一一年度から、我が国周辺海域の生物多様性を保全していく上で重要度が高い海域、これを主な重要海域として抽出をいたしまして、二〇一六年に公表をしてございます。
この重要海域についてでございますが、様々な科学的情報や多数の専門家からの御意見を踏まえまして、生物多様性条約第九回締約国会議にて示されました生態学的、生物学的に重要な海域の基準を基本といたしまして、例えば、固有種の分布等に着目いたしました唯一性又は希少性など八つの基準に基づいて抽出をしたものでございます。この結果、沖合海底域に関する重要海域につきましては、合計三十一か所、総面積百万平方キロメートルを選定したところでございます。
また、委員御指摘ございました富山湾についてでございますが、富山湾、富山海底におきましては、富山湾内の急峻な地形に加えまして複数の丘陵を含み、これらの丘陵には海山も存在する、こういった地形的な特徴がございます。また、冷水性サンゴを始めとする脆弱な生態系も認められているところでございます。こうしたことを踏まえまして、重要海域の抽出基準のうち、先ほど申し上げました唯一性又は希少性でございますとか、人為活動等による影響を受けやすいといった脆弱性、感受性又は低回復性等の基準に照らして選定を行ったものでございます。
○武田良介君 唯一性又は希少性、脆弱性、感受性又は低回復性等々、御説明いただいたような重要なものがあると。
私もお聞きをしましたが、この富山湾はベニズワイガニだとかバイガイなどを漁獲する籠漁というのも行われている。一方で、メタンハイドレートも見付かり調査が行われていると。この開発がされるとなれば、漁獲もされているベニズワイガニ、バイガイなどの生息地と重なるということもこれ実際に指摘をされております。日本海では、このメタンハイドレートを食べる微生物がいて、その微生物を食べる生物もいて、そういうカニもいてということで、生物多様性が豊かであるということが分かってきているんだというお話も、私お聞きをしてまいりました。
このメタンハイドレートの開発は、メタンガスの漏えいだとか海底の地すべりだとかそういったことを起こし得る、影響が大きく懸念されるということを聞いているわけですが、この富山湾でのメタンハイドレートの開発、生物多様性を著しく損ねることになるんじゃないでしょうか。正田局長。
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
上越沖、富山湾、佐渡西方海域につきましては、経済産業省が平成二十五年から二十七年度にかけて実施をいたしました表層型メタンハイドレートの資源量把握に向けた広域的な地質調査の結果、メタンハイドレートが存在する可能性のある地質構造が確認されたと承知をしておりますが、現在の段階で申し上げますと、表層メタンハイドレートにつきましては、まずはこれを回収する技術の調査研究の段階であると伺っておるところでございます。
また、本年二月に経済産業省が改定いたしました海洋エネルギー・鉱物資源開発計画において、生産技術の開発と並行いたしまして、こうした鉱物資源の開発を行う際の環境影響評価手法の研究や海洋研究調査に取り組むこととされてございます。
海洋の生物多様性の影響にも配慮した形で、今後、表層型メタンハイドレートの開発が進められることになるものと承知をしております。
○武田良介君 今御説明あったこと、私も事前にもお聞きをしましたけれども、だから前段階の調査といいますか研究をしている段階だということですよね。二〇二三年からだったですかね、民間の方もそこに入って、実際に開発ができるかどうか調査研究を始めていきたいというふうな話もお聞きをしておりますので、十分に対応できるというお話をされるんですけれども、本当にそうなんだろうかと。
確かに、その法案では、保全地域の指定に関してだとか特定行為の規定に関して、それから特別地域での特定行為の許可、それから違反が疑われるような場合の最終的には中止命令なども含めて、これはやはり環境大臣に権限が一定与えられている、そういうものになっているとは思うんですが、富山湾は、環境省も重要海域に指定するような生物多様性が豊かな海域だと先ほど御説明いただいて、漁業関係者の皆さんもその主体となって環境改善が図られてきた海域だというふうに思うんですね。
そういうことを踏まえれば、まずこの富山湾の生物多様性を保全するために、本法案で指定できることとなる保全地域に指定すべきじゃないかというふうに思うんですけど、大臣はいかがですか。
○国務大臣(原田義昭君) 先ほどの説明にもございますけれども、中央環境審議会からの答申を踏まえまして、まずは小笠原方面の沖合域を優先的、先行的に検討するということが私どもの今の考えでございます。
一方で、将来的な海洋保護区の在り方については、二〇二〇年、来年に中国で開催されるCOP15において行われる議論や、また同会議で決定されるであろう二〇一〇年以降の新たな目標も考慮しながら今後検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
いずれにいたしましても、この自然保護とまた開発に向けての様々な議論、これは当然のことながらしっかりとした調整が必要になろうかと思います。そのためには、環境省としては、何としても自然保護という大原則をしっかりまた踏まえてこの調整に当たりたいと、こう思っております。
○武田良介君 局長からも大臣からも中環審を踏まえてという答弁があったんですけど、その中環審の答申で、見直しを行うことも可能だと。その保全地域に指定されていても、メタンハイドレート、例えばですね、その開発があれば見直しもやっていくんだということがその答申でも言われているわけですから、保全していくということが前提だという答弁はあるけれども、その心構えだけではこれはやはりならないというふうに私は指摘をさせていただきたいというふうに思いますし、今答弁あったとおり、自然環境の保全が維持されるということが前提だと言うわけですが、本改正案で保全地域にしたならば、しっかりそれを守っていくという大臣の姿勢、決意ということがどうしてもなければ、これは、指定はしたけれども、やはり開発があるから、結論、守れませんでしたというふうになってしまいますので、ちょっとそこのところ、大臣、いかがですか。決意、姿勢という点が必要だと思いますけど。
○国務大臣(原田義昭君) 当然のことながら、この保全地域として指定した以上は最大限それを守らなきゃいけないと、こういうふうに思っております。
同時に、この見直しを行うということの必要性が将来出てこないとも限らないわけでありますから、その場合には、資源開発、利用の観点からこの沖合海底自然環境保全の見直しをどうしても行わなきゃならぬ場合には、沖合域における自然環境保全の程度が全体としてしっかりと維持されるようなことを方針として維持していくことが必要ではないかと、こう思っております。
○武田良介君 先ほどの質疑じゃないですけれども、環境省の基本的な仕事とすれば、やはり生物多様性、そこの環境の保全ということが基本なわけですから、その部分を譲るわけにはいかないと思うんですけど、見直していくことがもう指定される前から既に念頭に置かれているという、こういう状況ですから、本当に私は今環境省の姿勢を問いたいというふうに思うんです。
その姿勢を問うということに関連して、ジュゴンの話を私からも質問させていただきたいと思います。
ジュゴンの死骸が、三月十八日、沖縄県の今帰仁村に漂着をしたと。生存が確認をされていた三頭のうち一頭が亡くなったという現状があるわけです。この事態を受けて、環境省が行ってきたこの海域における生物多様性の保護、希少種の保護のための取組はどうだったのかということを質問させていただきたいというふうに思います。
沖縄の本島周辺では、確認されてきた三頭のうち一頭が亡くなり、二頭は今どこにいるか分からないという状況だと思いますけれども、また、最近では、南西諸島で親子と見られるジュゴンが目撃されていたということもありますが、いずれにしても、日本のジュゴンは数える程度になってしまっているということだと思うんですが、まず環境省にお伺いしたいと思いますが、ジュゴンを守るためにこれまでどんな取組をされてきたのか。
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
ジュゴンは、環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧ⅠA類、すなわちごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い種に選定をされてございます。このジュゴンにつきましては、まず生息状況について把握する必要があったことから、環境省におきましては、平成十三年度から十七年度にかけましてジュゴンの生息数を把握するための航空調査や藻場の調査等を行いました。
その調査結果等を踏まえ、近年は生息数が極めて少なくなっている中、一九九〇年代以降、漁網や定置網による混獲が相次いだことから、まずは漁網による混獲事故を未然に防ぐことが一番重要であると考え、網に掛かってしまったジュゴンの救出訓練でございますとか、漁業とジュゴンの共生できる地域づくりを目指して、漁業者を含む地域住民の理解を得るための普及啓発活動や、漁業者によるジュゴンのはみ跡のモニタリング調査等を実施してきているところでございます。
また、昨年度は、これは委員から御指摘ございましたが、これらの取組に加えまして、近年調査が行われていなかった先島諸島の周辺のジュゴンの生息状況について、漁業者、観光事業者、有識者、行政機関等にヒアリングを行い、この中でジュゴンの目撃情報等の収集を行ったところでございます。
環境省としては、引き続きこれらの取組を実施していく考えでございます。
○武田良介君 まずは漁網に掛かってしまうようなジュゴンもいるからその対策をということが今答弁にありましたが、今説明のあったようなことだけで本当によかったのかということを思っているわけであります。
種の保存法は一九九三年に成立をいたしました。これは国内希少野生動植物種、まあ国外もありますけれども、指定をし、指定されればその生息域を保護するように指定することができる法律だと思いますが、やっぱりこの種の保存法でジュゴンをしっかりと指定をして保護をしていくということが必要だったんじゃないかというふうに思うんですが、これ、今も指定をされていないわけであります。
生息域を保護するために速やかに指定すべきだったと。なぜ今に至るも指定していないのか。正田局長、いかがですか。
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
ジュゴンにつきましては、国内的には鳥獣保護管理法の対象になってございます。個体の捕獲、殺傷が原則禁止とされているところでございます。また、国際的に申し上げますと、ワシントン条約において附属書Ⅰに掲載されておりまして、商業目的での取引が禁止されております。
こういったことを踏まえますと、既に必要な規制はなされているということを考慮いたしまして、国内希少野生動植物種に指定をしていないところでございます。
○武田良介君 私は、それ理由になっていないと思いますし、もう皆さん御承知だと思いますけど、やはりあそこの、辺野古の新基地建設ということもあるわけです。そのことも答弁されないということは私は驚きですし、そういうことはもう皆さん分かっているわけだから、新基地の建設の障害になるような指定はできないんだというようなことを考えているんじゃないかというふうに誰もが思っているわけだから、もう本当に許し難い話だと私は思っておりますが。
ちょっとお聞きをいたします。大臣にお聞きしたいと思いますけれども、この新基地建設にも関わって出されておりますが、国際自然保護連合、IUCNというところが三度にわたってジュゴンに関わる保護勧告というのを出しておりますけれども、大臣、そういう勧告が出されているということ自身は御存じですか。御存じかどうかだけで結構です。
○国務大臣(原田義昭君) そういう方向についてはお聞きしております。
○武田良介君 この勧告は二〇〇〇年、それから二〇〇四年、二〇〇八年と三度出されていると承知をしております。こういった勧告と相まって、自然保護団体だとか市民の皆さんからもジュゴンを守れという声と行動が大きく広がりました。こうした勧告だとか専門家の指摘には、ジュゴンを守るために保護区を設定すべきだという指摘は繰り返しされてきたわけです。
先ほどの答弁では、まず漁網に掛かるような、ジュゴンが亡くならないようにというようなことで対策してきたという話なんですが、しかし、こういう勧告も出されてきたわけだから、環境省はジュゴンを守るためにもっと踏み込んで、ジュゴンを守るための対策を取る姿勢という意味では闘う姿勢をもっと示すことができたんだと思うんですね。
少なくとも、環境省自身が先ほど答弁にあった調査をやって、二〇〇三年には個体数が最少で五頭しかいないかもしれないということを環境省自身が認識をされた。とすれば、種の保存法におけるこの国内希少種に選定の対象であるということも環境省は認めていました。だったら、このときにやっぱり指定すべきだったというふうに思うわけです。
これ、経過の関係もありますので、まず、正田局長、いかがですか。
○政府参考人(正田寛君) まず、ジュゴンの生息調査等につきましては、今委員の御指摘、また私の方から答弁したとおりでございます。
その中で、国内希少種への指定につきましては、また、先ほど御答弁申し上げましたとおり、例えば、鳥獣保護法におきまして捕獲等が原則禁止されていることでございますとか、ワシントン条約の関係で取引等が、商業目的の取引が禁止されている、こういったことで、施策効果の面から考えまして、現時点におきまして希少野生植物種に指定は行っていないというところでございます。
例えば、その中で、まず、非常に個体数が少なくなっていることでございますから、まずは個体の保護が必要だと。九〇年代以降、やっぱり相当混獲が、事故が相次いだわけでございまして、これに対する対策というのが最も個体の保護のためには大切だと考えまして、その取組を進めているところでございます。
○武田良介君 私は、その指定しない理由として全く理解できないんですよね。だって、現実問題、もうミニマム五頭なんですよね。もう今、個体Bが亡くなったというような話もあって、これから本当どうしていくのかということだと思うんですよ。もし本当に絶滅ということになったら、環境省の責任問題だと私思いますし、環境行政の汚点だと、これ後々言われたって仕方がないような話だと思います。
私も調べてみましたら、新生物多様性国家戦略、これは二〇〇二年に作られ、その後も作られておりますけど、これを作るに当たっての小委員会でどんな議論がされていたのか、私もちょっと調べましたら、例えば、自然環境保護協会の吉田さんという方、この方は、ジュゴンについて、絶滅を防ぐことが重要であり、さらに一歩踏み出して回復を図ることが必要だという指摘をされております。日本獣医畜産大学の羽山さんという方も、生物多様性保全上で最優先の課題というのは、絶滅回避ということ、絶滅に瀕した生き物たちの回復、あるいは絶滅の阻止が緊急の課題というふうに指摘をされておりまして、種の保存法の対象種に広げるべきだということを述べられておるわけですね。
そういう小委員会の議論を経て、実際のその国家戦略の中でも、ジュゴンの保護について、必要に応じ個体の保護や生息環境の保全などの措置を講ずる必要がありますと、国家戦略の中でもこれ言っているんじゃないですか。国家戦略の中でも言っているのに指定をしない。で、現状どんどんどんどんジュゴンは危機に瀕していると、そういう認識の答弁もありました。そういう状況になっている。これではやっぱりいけないんじゃないかと。
大臣、どうですか、指定すべきじゃないですか、種の保存法で。
○国務大臣(原田義昭君) 局長から御答弁いたしましたように、鳥獣保護管理法もしっかり運営することによって、個体の捕獲、殺傷の原則禁止などは守られているものと考えておるところであります。
ただ、ジュゴン自身が減ってきていることについては、私どもも非常に深刻に考えておりまして、新たな種の保存法等に基づく指定等によることも、既にある施策がどこまで足りずに、また指定による施策効果をどれほど出るかということも含めまして、今後必要性の検討は進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○武田良介君 いや、効果といっても、だから絶滅の危機に瀕しているわけです、実際に。
大臣の政治姿勢といいますか、基本的認識、ちょっと、じゃ、お伺いしたいんです、今の答弁聞いて。絶滅危惧種の絶滅回避とともに、絶滅回避、それから回復ということが必要だと、大臣、そういう立場でいらっしゃるということでよろしいですか。
○国務大臣(原田義昭君) それは重要なことだというふうに思っております。
○武田良介君 やっぱり回復ということも含めて、絶滅回避、回復ということも含めて考えれば、個体を保護するためにはその生息域をしっかり指定をしていく、保護できるように指定をしていくということは、これ当然のことだと思うんですね。
これ、やっぱり必要なんじゃないですか。大臣、どうですか。
○国務大臣(原田義昭君) 絶滅を回避し、そしてまた回復を図るという、これは非常に重要なことだと思っていますが、個体数を回復させるための人工増殖の取組までについては、現時点ではなかなか困難ではないかというふうに認識しております。
今後、ジュゴンの混獲等による死亡を避けるための取組を継続しつつ、更に必要な調査等について検討を加えていきたいと、こう思っております。
○武田良介君 私、本当に基本的に問いたいのは環境省の姿勢なんですね。なかなか難しいという話で、お手上げということで、じゃ、いいのかということもあると思うんですよ。それでいいのかと本当に私は思いますし、国連の環境計画というのも私見ましたら、ジュゴン報告というのが出ていますけれども、保護に向けての提案という中に、優先事項として海草藻場の保全、漁業の影響の減少、そのための保護区の設定ということも明記されているわけですね、優先事項として。保護対策を取らなければジュゴンは日本近海で近い将来絶滅するだろうと、国連がここまで言っているわけなんですね。本当に今姿勢が問われていると思うんです。
大臣、最後にお伺いしたいと思いますけれども、そういう中で辺野古に米軍の新基地建設、これは論外だというふうに思うんです。ジュゴンは絶滅の危機に瀕しているわけです。この影響があるないなんという話、いろいろありますが、少なくとも、この海域の保全をする、ジュゴンを守るということを考えたら、防衛省に対しても基地の建設やめるべきだと大臣言うべきじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(原田義昭君) 大浦湾における工事の実施に際しての環境配慮につきましては、環境影響評価の結果等も踏まえて、事業者である沖縄防衛局において適切に行われているものと、そういうふうに認識しているところであります。ジュゴンに対する環境配慮に、適切に行われているものと認識をしているところでございます。
○武田良介君 終わりますが、適切にといっても、ジュゴンが亡くなって見付かったわけですよね。だからこそ守れという声が更に広がっている。
先日、沖縄三区の衆議院の補欠選挙もありましたけど、これはもう明確に基地問題争点に選挙戦われて、屋良候補が勝利をするという結果になっておりましたけど、こういう民意しっかり受け止めて、ジュゴンを守るために環境省がしっかりと仕事をしていくことが大事だということを重ねて申し上げて、質問を終わりたいと思います。