国会質問

質問日:2019年 2月 7日  第198通常国会  本会議

18年度第2次補正予算に対する反対討論

武田良介参院議員は、参院本会議で、18年度第2次補正予算に対する反対討論を行いました。

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第2次補正予算 反対討論

議事録

(議事録は作成され次第掲載します。以下は討論の概要です)

 日本共産党のたけだ良介です。会派を代表して、第2次補正予算案に反対の討論をおこないます。

 まず、毎月勤労統計の不正問題です。

 今回の統計不正問題によって、雇用保険や労災保険などで2000万人、567億円もの

 過少給付という実害が生じています。失業で収入の道をたたれた方の給付や、労災で死亡された方の遺族年金が削られていたということであり、きわめて重大です。すべての被害者を一刻も早く救済することに、政府は責任をもつべきです。

 重大なことは、毎月勤労統計という基幹統計で不正がおこなわれていたことで、政府の経済認識、景気判断、政策判断にも影響が及んでいることです。賃金構造基本統計でも不正が発覚しました。政府が発表する統計での不正は、国民の政府への信用を根底から破壊し、国民の判断を誤らせるものであり、まさに、政府予算案そのものの前提をゆるがす事態が起きているのであります。この統計不正の真相解明なくして予算審議はなりたたないではありませんか。

 ところが、この間の質疑であきらかになったことは、安倍総理をはじめ政府が統計不正の重大性をまったく認識していないことです。

 厚生労働省の特別監察委員会の報告書は、「隠蔽の意図は認められなかった」と組織的隠ぺいを否定しています。しかし、厚労省幹部や担当部局が不正調査の真実を知りながら、国民に報告せず、国民に隠れてこっそり「修正」していたものであり、組織的隠ぺいは明白であります。

 この報告書を、根本厚生労働大臣は「第三者委員会」の結論だと強弁してきましたが、野党の追及で、不正調査にかかわった職員に対する聞き取りに官房長や審議官が同席し、報告書の原案は厚生労働省が作成していたことが明らかになりました。根本大臣は4日、「特別委員会は第三者性を強調しすぎたのではないかと反省している」と発言しましたが、もはや第三者といえないのであります。

 しかも、2018年の実質賃金の伸び率を未だに提出していません。

 これでは政府ぐるみの組織的隠ぺいではありませんか。

 統計不正の背景には、昨年の裁量労働制のデータねつ造、森友学園に関する公文書改ざんや答弁捏造など、安倍政権によって引き起こされた政治モラルの大崩壊があることをきびしく指摘しなければなりません。

 統計不正について、国民の前にすべての真実を明らかにするため、国権の最高機関である国会が、政府行政監視の役割を果たさなければなりません。

 だから、1月18日の与野党国対委員長会談で、統計問題は「予算、国の政策に関わる課題」であり、「徹底的に全容解明をすすめる」と合意したのであります。

 そのためには、野党が一致して要求している、関係者を参考人招致し、徹底した集中審議をおこなうべきことを強く要求するものです。

 次に補正予算案に反対する理由をのべます。

 本補正予算の最大の問題は、巨額の軍事費が盛り込まれていることです。

 本案に計上された軍事費は、補正予算として過去最高額となる3998億円に上り、その八割を占めるのが、最新鋭ステルス戦闘機F35Aやイージス・システムなどを取得するための歳出化経費、つまり、兵器購入の分割払いの前倒しです。

 そもそも、財政法上、補正予算が認められるのは、当初予算編成後に生じた事由に基づく緊要な場合に限られています。既に発注済みの兵器の後年度負担分を繰り上げて払うことに緊急性がないことは明白です。ところが、安倍政権は、この間、戦闘機、ミサイルなどの兵器購入経費の後年度負担を補正予算に前倒しして盛り込むやり方を常態化させてきました。一九年度の後年度負担は五兆三六一三億円に達し、来年度当初予算の軍事費の五兆二五七四億円を超えました。契約額と歳出額のバランスをも崩す事態に至っています。予算を著しくゆがめるやり方であり、断じて許されません。

 看過できないのは、トランプ大統領が昨年11月30日の記者会見で、「日本は米国から数多くのF35を購入すると約束してくれた。感謝を表したい」述べていることです。トランプ米大統領に言われるがままに、安倍首相が米国製兵器の大量購入を約束した、まさに「浪費的爆買」であり、断じて認められません。

 アメリカ政府からの「有償軍事援助(FⅯS)」による米国製兵器の購入は、その価格も納品も米国の都合次第という、圧倒的に米国本位の契約であり、高額の購入費にくわえて膨大な維持費がふくらむ恐れがあります。

 しかも、本日の予算委員会でわが党の井上哲士議員が追及したように、F35は米政府監視院(GAO)が欠陥を指摘した欠陥戦闘機であります。まさに浪費的爆買の兵器購入に国民の血税をつぎ込むことは許されません。

 さらに、政府は、昨年末に閣議決定した新防衛大綱・中期防計画で、5年間で27兆4700億円という大軍拡計画を決定しました。専守防衛の建前さえもかなぐりすてて、「戦争をする国づくり」をすすめる大軍拡計画は中止すべきです。軍事費を削って社会保障に回すことを、強く要求するものです。

 また、本補正予算に、消費税10%増税の対策費を盛り込んでいることも問題です。政府広報費に20億円、プレミアム付き商品券の準備に96億円、新たなレジの導入に561億円など、すべて消費税増税を前提にした予算です。

 しかし、統計不正問題を通じて、2018年の実質賃金の伸び率のマイナスが明らかとなり、消費税増税を行うという判断の根拠が崩れています。消費税増税ありきの予算を認めるわけにはいきません。

 さらに、TPP発効に対応する農地大規模化、「生産性革命」や「ソサエティ5.0実現」関連事業、スパイ衛星なども、現実を無視し、国民の声を無視した大企業本位の政策的経費であり、補正予算に盛り込むことは許されません。

 本補正予算に、原発の再稼働対策費も含まれています。

 しかし、イギリスでもトルコでも、安倍首相が成長戦略の目玉としてトップセールスで進めてきた原発輸出は総崩れになっています。安全対策のためのコストが急騰したためです。もはや、原発はビジネスとしても成り立たないことを、安倍政権は認めるべきです。

 野党4党が共同提出した「原発ゼロ基本法案」の一刻も早い国会審議を、強く求めるものであります。

 最後に、本補正予算に計上された、台風21号、24号、北海道胆振東部地震等による被害の復旧などの災害対策費は、緊急かつ、必要な経費です。

 一方で、今年は東日本大震災から8年、阪神淡路大震災から24年を迎えます。被災地では、いまだに避難生活を余儀なくされ、住宅再建がままらない被災者の方が多く残されています。被災者のみなさんによりそった、住宅と生業の再建にこそ、力をつくすべきではないでしょうか。

 被災者生活再建支援法の改正は、全国知事会からも要請されています。被災者生活再建支援法に基づく支援金の最高額を、少なくとも500万円に引き上げること、支援金の支給対象に「半壊」や「一部損壊」世帯も含めるなど対象を拡大すること、小規模な自然災害にも支給できるよう適用条件を大幅に緩和することを求めます。

 日本共産党は、市民と野党の共闘で、ウソのない政治を実現し、立憲主義を回復し、本当に国民が主人公の政治を実現するために全力を尽くす決意を申し上げ、反対討論を終わります。

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関連資料

→しんぶん赤旗「18年度第2次補正予算に対する武田議員の反対討論/参院本会議」