参議院国土交通委員会で質疑。千曲川の洪水とリニアについて取り上げました。
千曲川は決壊、越水し甚大な浸水被害となりました。私は「これまでの治水対策の検証」を求めて質問すると、赤羽一嘉国交相は「国直轄河川で決壊したすべての地点でこれまでの治水対策を検証しなければならない」と答弁。これは大事だったと思います。
新幹線車両基地は、地域では浸水する地域だからつくらないでほしいという声があったにも関わらず、2mの盛り土をして建設。面積3万5千㎡とすれば、7万立方メートル分、浸水をひどくしたのではないか、との指摘もされていることを紹介し、ここに車両基地をおくこと自身誤りだったのではないか!と質問。「ご意見は受け止める」との答弁で、正面から答えられませんでしたが、引き続き、国の治水対策そのものについて追及していきたいと思います。
リニア建設では、岐阜県の山口トンネル崩落事故について質問。現場の事前事後のボーリング調査の結果、検証に必要なデータを出すよう求めました。国交省は答弁のなかで「検証にデータは必要」といい、だったら出してくれと要求。JR 東海が出さないといっている理由に「地価が下がる」というが、下がった例はなく、確認すれば「データも公文書のあたる」というではないか!だったら提出を!と迫りました。「私もJRに聞いてみる」という趣旨だったか、赤羽大臣が答弁。
データなくして検証できないのだから、国が認可したんだから、国がデータをつかみ公表するよう、さらに追及したいと思います!
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議事録
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
私も、今年災害がずっと多発をしております。台風十五号や十九号を始め、またその後の大雨も含めて、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、亡くなられた皆さんに哀悼の意を表したいというふうに思います。
この間の十九号を始めとした豪雨によって、甚大な被害が発生をしております。どれだけの被害が発生をしているのか、現在取りまとめている到達で構いませんので国土交通省から御説明をいただきたいと思いますけれども、全国の国の管理河川、また千曲川ではどうなのか、決壊箇所と浸水面積で概要を説明いただけるでしょうか。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
この度の台風第十九号では、全国の国管理河川のうち六水系七河川において十二か所で堤防が決壊するとともに、これらを含みます十四水系二十九河川で決壊、越水、排水不良等により約二万五千ヘクタールの浸水被害が発生いたしたところでございます。
このうち、長野県内を流れる信濃川水系千曲川では、長野市穂保地先の堤防が約七十メートル決壊するなど、千曲川の沿川で、決壊、越水、排水不良等により約二千二百ヘクタールの浸水被害が発生したところでございます。
○武田良介君 千曲川についていいますと、一か所二千二百ヘクタール、約ですね、ということでありました。本当に大きな被害が発生しているわけです。私の地元長野市でそれだけの被害が発生をいたしました。千曲川に注ぐ支川の内水氾濫とともに、今御説明がありました千曲川の決壊が被害を非常に大きくしたというふうに言われております。
この決壊の原因究明というのはまだまだこれからだというふうに思いますけれども、被災地で声を聞きますと、たとえ越水しても決壊しなければ被害はもっと小さく済んだのではないかと、こういった声もあるわけであります。
これまでの治水対策をもっとしっかりしておけば今回の被害はもっと小さくすることができたんじゃないだろうか。大臣、どのようにお考えになるでしょうか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私、大臣就任後、今回国直轄で決壊をした七河川十二か所は全て被災地に足を運びました。千曲川だけではなくて、全て被害が、大変大きな被害が起きたところばかりでございますので、全ての地点でいま一度これまでの治水対策はどうだったのかということをしっかりと検証しなければいけないと、こう思っております。
○武田良介君 しっかりと検証しなければならないと、検証なくして今後の対策ということはやはり出てこないというふうに思います。
長野市には千曲川の支川であります浅川という川がありまして、この浅川をめぐって浅川ダムの建設という歴史的な問題があります。今回浸水した長野市の長沼地域あるいは豊野の地域というのは、この浅川の水が千曲川に流し切れずに起こる内水氾濫の常襲地域でありました。それだけに、ダムを造って上流で流量を減らせば内水氾濫も防げると、こういうことで浅川ダムが推進をされてきたわけでありまして、現在はこのダムは造られております。完成しているわけです。しかし、今回の災害では、浅川ダムは流量を減らす役割を果たしていないのではないかというふうに指摘をされておられます。被災された皆さんがそういう指摘をされておられます。
浅川ダムはそもそも穴空きダムというふうに言われまして、流量を十分調整し切れないダムだという指摘もあるわけですけれども、何より今回の雨が多く降ったのは、ダムより上流域ではなくて、むしろ下流域でたくさん降っているということでありました。ダムで川の水を減らしたという状況ではないんじゃないだろうか。すると、この河川の流量を減らすという意味ではやはり自然の保水力が必要になってくるんじゃないかと。これは皆さん一致すると思うんです。
そこで、国交省に確認をさせていただきたいと思うんですが、信濃川水系河川整備計画、これ見ますと、中には遊水機能の保全というところがありまして、上流部や中流部においては、河川からの洪水を一時的に貯留する遊水機能について、その効果や必要性についてこの中で触れられているというふうに思うんですけれども、遊水機能の保全、そのためにどんな具体化がなされているのか、御説明いただけますか。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、信濃川水系河川整備計画においては、遊水機能の保全として、河川からの洪水を一時的に貯留する遊水機能を持つ沿川の農地が保全されるようにすることを主に想定をしているところでございます。
河川整備計画が策定された平成二十六年一月以降におけます流域の土地利用を見てみますと、沿川の市町の市街化調整区域の面積には大きな変化はなく、また遊水機能を持ち得る沿川の農地において大規模開発も確認されておりません。そのために、河川整備計画に記載されている遊水機能について、その保全、向上のための具体的な対策を要する状況とはなっていないものと認識しておりますけれども、引き続き沿川の土地利用状況について注視をしてまいりたいというふうに思います。
また、先ほどの質問の中での長野県内の浸水の関係でございますけれども、穂保地区だけではなく、全体で二千二百ヘクタールということでございます。
○武田良介君 ちょっと若干はっきりしない答弁だったんですけど、具体化を図ると言われているわけですよね、平成二十六年の整備計画で。どういう具体化がされているのかと聞いたんですけど、何か具体化されているんですか。何も具体化されていないということなんじゃないですか。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
沿川の遊水機能を持ち得る農地が他の用途へ転用されるとその遊水機能が低下するおそれがあるため、自治体の計画などで工業団地の誘致といった土地利用の転換を計画しているような場合には、遊水機能の保全等のための方策を具体化する必要が生じるというふうに考えられます。その方策としては、例えば、自治体と連携、調整をして必要に応じて災害危険区域の指定等による土地利用の規制等を行うことなどが考えられます。
先ほど申し上げたとおり、農地の面積、大規模開発等が考えられていないというようなことから、まだ具体化している状況ではないということでございます。
○武田良介君 農地の保水力が失われないから何もやっていないんだという御説明だというふうに思います。特にその遊水機能の保全について対策を打ってきたわけじゃないと、取り立てて、いうことだと思うんですよ。それで、これ私はとんでもない話だと思うんです。ただ、これ遊水機能の保全に、その具体化を図ってこなかったというだけではなくて、むしろ遊水機能を持っていたところを開発によって奪ってきた、遊水能力を、そういう歴史があるんじゃないかと。今のは平成二十六年からの話ですけれども、その最たるものが長野市の車両基地なんですね。
この車両基地は、千曲川で洪水が起こったら浸水するということが分かっていたところです。先ほどの午前中の質疑にもありました。しかし、平らなところが余りない。やっぱりここで造りたい、でも浸水する。それで、何とか造らなきゃいけないということで浸水対策をされていると思いますけど、どういう浸水対策されたんでしたっけ。
○政府参考人(水嶋智君) お答え申し上げます。
まず、この長野の新幹線車両センターの位置の選定でございますけれども、これは、当時の建設主体でございます鉄道運輸機構、建設当時は日本鉄道建設公団でございましたが、これが環境影響評価を行う際に、一つは本線、長野駅に近いこと、また、広い平たん地があること……(発言する者あり)はい。また、人家の支障が少ないことなどを考慮して現在の位置を選定したということでございます。
この車両センターを建設するときですが、この車両センターは平成九年の十月に供用を開始をしておりましたが、当時はまだ水防法に基づく浸水想定区域の指定制度はございませんでした。このため、当時は、過去の浸水被害を考慮いたしまして、周辺の地盤よりも約二メートル高く盛土をした上でこの車両センターを建設したものと承知をしているところでございます。
○武田良介君 二メートル盛土をしたというんですよね。私、現地で聞きましたら、この車両基地の面積は大体三万五千平米だというんですね。それで、二メートル盛土をしたということは、単純に計算すると、大体七万立方メートルの分は元々あったところから水がためられなくなっているわけでありますから、浸水被害をひどくしているのではないかというふうになると思うんですね。
これ、大臣、いかがですか。どのようにお考えですか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 同時に、その当該車両センターの建設に当たりましては、県の基準に基づいて約一万立方メートルの防災調整池を設置をしておりまして、こういう意味で、敷地内の降雨による河川への流出量を抑制しているほか、先ほど言いました盛土によりまして周囲の水の流れが阻害されることを防ぐための排水路の整備を行うなど、車両センター周辺の浸水対策は行ったものと承知をしております。
○武田良介君 そういう対策をやったというふうに承知しているということでしたけど、私が勝手に言っているんじゃなくて、地元の方たちが、あそこに車両基地を造るときに、ここはつかるから、そこに車両基地を置いてもらったら浸水被害がひどくなるという声が実際にあったという歴史的事実があるわけですね。そういうことを心配していて、今回、実際、内水氾濫とともに千曲川も決壊をして、これだけの大きな被害が発生してしまったという実態があるわけなんです。
そうすると、先ほどは水防法の関係でまだ改正の前だったからという話もありましたけれども、そういうことじゃないと思うんですね。ここに車両基地を置くという判断自身がやはり誤りだったのではないかと。それが今回の被害を更に大きくしてしまったということだというふうに私は思うんですけれども、大臣、もう一度、いかがでしょうか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 委員の御意見は御意見としてしっかり受け止めたいと思いますが、当時、先ほど局長からも答弁ありましたが、この車両センターの選定に当たっては、建設主体である鉄道運輸機構、当時は日本鉄道建設公団が環境影響評価云々、それぞれプロセスを踏んでやったわけでありますし、ちょっと、全然違う角度ですが、このことによって北陸新幹線ができたことのメリットというのも相当享受をされたと思いますし、様々なことを考える中で、今回のことは、私、午前中に申し上げましたが、今回のこの台風十九号の予報をもう少し早く見て、車両の、どう退避させるかとか、またタイムラインも、利用者の皆様をどう避難させるかというタイムラインは書かれておりますが、車両についての言及はなかったというようなことをしっかりとやるようにということを指示したところでございます。
○武田良介君 今、その車両の退避ということを答弁されましたけれども、私はそこにとどまってはいけないと思うんですね。最初に聞きましたように、今回の被害がどうして発生したのかだとか、どうして被害が拡大してしまったのか、これまでの河川整備についてしっかりと検証しなければいけないと、大臣御自身も御答弁になったと思うんですが、車両を退避させればいいというだけではなくて、あそこはやっぱり農地で、つかるところだったんです。そこに車両基地を置いたと、その反省をしっかりすると、検証するということがなければ私はならないんじゃないかというふうに思うんです。
先ほど浅川ダムの話、若干しましたけれども、浅川ダムの反対運動をされていた方もいろいろ調べていく中で突き当たったというんですね。それは、やっぱり千曲川そのものの河川整備をしなければならないと、浅川だけではなくて千曲川の河川整備やらなければならない。それはダム建設を推進している方も反対している方も一致していたというんですね。それだけに、千曲川の河川整備ということで、堤防の強化だとかあるいは河川整備、しゅんせつなどですね、遊水地、こういうものを設けていく、そして浸水被害を小さくしていこうと、こういうことをずっと提案されてきたわけですけれども、そういったことが十分されてこなかった、その責任を私は厳しく指摘をさせていただきたいというふうに思います。
ちょっと時間がなくなってきておりますのであれですけれども、あっ、いえいえ、結構です。堤防の整備についてちょっとお願いをしたいと思います。
簡潔に説明いただきたいと思うんですけれども、この千曲川の堤防の整備、計画堤防、暫定堤防、暫暫定の堤防、それから未施工、整備計画を作った二〇一四年からどれだけ整備されているのか、簡潔で結構です、御説明ください。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
平成二十六年一月の河川整備計画策定以降、千曲川において必要な高さと幅を満足する完成堤防というものにつきましては、約五・六キロメートル完成しているところでございます。平成三十一年三月末現在の完成堤防の整備率は約六四・三%でございます。また、完成堤防でない堤防も含めれば整備率は約九五・二%となっており、堤防のない区間は千曲川の二百二十六・五キロメートルのうち約十一キロメートルでございます。
なお、千曲川の完成堤防の整備率は五年間で約二・五%上昇しておりますけれども、これは国管理河川全体約二・八%の上昇とおおむね同程度となっているところでございます。
○武田良介君 計画堤防の整備率は二・五%伸びたということなんですけれども、二・五%伸びただけといえば伸びただけ。いつも私、聞きますけれども、河川整備計画に基づいて、三十年掛けて、限られた予算の範囲で少しずつやっていくんだという話されておられますけれども、河川整備はすぐになかなかできないということを国交省の側だってある意味悩んでおられるんだと思うんです。私は、しっかりとこの河川整備をやっていく必要があるというふうに思いますし、国の治水対策そのものの検証が必要だと、今後の重要なテーマになっていくということを指摘させていただきたいというふうに思います。
ちょっとテーマ変わりまして、リニアについて質問させていただきたいというふうに思います。
本年四月に発生しました中央アルプス山口トンネル、これ岐阜県にありますけれども、その崩落事故に関して岐阜県の環境影響評価審査会地盤委員会というところで検証が行われてきました。九月三十日に審査会が意見書を出し、十月七日に知事が意見書を出されて、それに応える形でJR東海が報告書を公表しております。
まず、大臣にお伺いしたいと思うんですが、JR東海が報告書出したということなんですけれども、これで事故原因の究明がされたという御認識になられるでしょうか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) これは今御質問にありましたが、リニア中央新幹線の中央アルプストンネル山口工区で、非常口トンネルの工事作業中の本年四月八日に、トンネル入口から二百メートル付近の地上部において土砂崩落が発生したということでございます。
崩落事故直後に、建設主体であるJR東海及びJR東海から当該工区の建設工事を受託している鉄道・運輸機構に対しまして、原因を徹底的に究明し、再発防止策を講じるよう指示をしたところでございます。
この崩落事故以後、JR東海と鉄道・運輸機構は、追加の地質調査を実施した上で、専門家の知見も得ながら原因究明と再発防止策の検討を行い、その結果を五月二十八日に公表したわけでございます。
この結果について、岐阜県は、専門家から成る岐阜県環境影響評価審査会での審議を経て、JR東海に対し、今後の工事に当たってはより慎重な工法で施工することなどの知事意見書が出されました。これを受けて、JR東海はより慎重に施工するなどを回答し、その回答内容は同審査会において確認されたところでございます。
このように、JR東海及び鉄道・運輸機構が行った事故の原因究明及び再発防止策につきましては、専門家から成る同審査会での審議を経た上で岐阜県も了解されており、特に問題はなかったものと考えております。
国交省としましては、リニア中央新幹線の工事実施計画認可の際に、本事業の推進に当たりましては、難度の高いと想定される工事については専門家の助言等を得ながら適切な施工方法を採用し、安全かつ着実な施工に努めるよう指示をしたところでございます。
JR東海及び鉄道・運輸機構には、今後ともこのような事故が発生することのないようにしっかりと求めてまいりたいと思います。
○武田良介君 事故原因の究明がされたという認識かということをお伺いしたんですが、その点については御答弁をいただけませんでした。
私、原因究明は全くされていないと思うんですね。あの崩落事故の今回の原因究明するためには地質調査を行うのは当然だと思います。先ほどの答弁の中にも追加の調査という話はありました。
そこで、必要なデータというのは当然あると思うんですね。例えば、計画段階のボーリングの位置、柱状図、事故発生後のボーリングの位置だとか柱状図、あるいはその切り羽の観察記録だとか、こういったものは常識的に必要だというふうに、こう言われております。
資料の方にも付けましたけれども、例えば、過去の同様の崩落事故に関わって資料は出されております。例えば資料の二、それから三などは、福岡の博多で起こりました七隈線の延伸工事、このときに陥没事故が発生して出されてきた資料でありますし、それから四番と五番などは、これは、二〇一七年九月に北陸新幹線の柿原トンネルの陥没事故というのがありましたけれども、そのときに出された地質調査の結果、切り羽の観察記録などであります。事故原因の究明にはこういう資料が出されてくるというのがやはりこれ必要だというふうに思うんです。
国交省に基本的な認識、認識というか確認をしておきたいと思うんですが、今回の山口トンネルの崩落事故で、岐阜県のこの地盤委員会にこうした資料、基礎的な資料は提出されているんでしょうか。
○政府参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
崩落事故の原因究明及び再発防止策を検討するためには、委員が議論されておられますようなボーリング柱状図などの地質に関するデータは不可欠な情報であるというふうに考えております。
本件の崩落事故につきましても、岐阜県の環境影響評価審査会地盤委員会におきまして、崩落箇所周辺の事故前、事故後のボーリングの位置、柱状図等につきまして、JR東海や鉄道・運輸機構から、配付はされていないものの、その会議の場でスクリーンに映写をして説明が行われて同審査会の専門家との間で議論が行われたと、そういう報告を受けている次第でございます。
○武田良介君 配付されていないんですよね。映像で流されて、この辺ボーリングしましたと言っているだけだということを私もお聞きをしております。
国交省の資料、六番と七番に付けましたけれども、国交省からいただいた資料を見ますと、例えばボーリングの位置も全然示されていないんですね。この赤い点線で囲まれて、崩落箇所はここですと。ただ、この辺でボーリングを何か所かやりましたということが書かれているだけなんです。
私も今回の崩落事故に関わって、事前と事後のボーリングの調査のデータ、出してくれということを何度も言いましたけれども、いまだに私、いただいておりません。先ほど、こういう資料は必要だというふうに答弁されました。基本的に必要なんですよね。必要だと言われた。そうだと思うんです。
資料の八番、それから九番もそうですけれども、今紹介しました岐阜県の地盤委員会というところで、その委員の専門家の方が指摘されています。専門家が撮影すれば、接写、その岩石や粘土の接写、破砕帯の接写を見せると思うのですが、今回は提示されなかったので細かい判断ができません、スケールを入れるのが基本ですが、なぜ専門家がいながら入れなかったのかと。資料の九番の方にも、出された資料は私たちが判断するには科学的にいまいちだというふうに指摘をされているわけであります。
JR東海が、じゃ、この公表を拒否している理由は何なのかということなんですが、資料の十番にも付けましたけれども、私が出してくれと言っていただいた資料によりますと、そこにも付けましたけれども、大体二つなんですね。ボーリング調査を実施した箇所には個人の所有地が含まれており、土地の価格に影響を及ぼすというのが一つ、それからもう一つは、公表していない資料のためということがよく言われております。
ここで国交省に確認したいと思うんですが、ボーリング調査の結果、それを公表したことが原因で地価が下がったという事例は過去にあるのかどうか、それともう一つ、七隈線の延伸陥没事故、先ほど若干紹介しましたけれども、実際の地価は事故の当時と現在でどう変化しているのか、御説明いただけますか。
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
一般的に、不動産の価格は、自然的、社会的、経済的、行政的な要因など多数の要因の相互作用の結果として形成されるものでございまして、不動産鑑定評価基準におきましては、こうした価格形成要因の例示といたしまして、地質、地盤の状態、あるいは土壌、土層の状態等を掲げているところでございます。
お話がございました公共工事に係るボーリング調査結果の公表により地価が下落、変動した事例につきまして、私ども、把握するようなことはいたしておりません。大変恐縮ですけれども、御理解いただきたいと存じます。
それから、もう一点御質問ございました、福岡市営地下鉄七隈線延伸工事の崩落事故の現場の状況の地価動向という御質問でございました。
この点につきましては、平成二十八年十一月に発生した福岡市営地下鉄七隈線延伸工事における崩落事故のありました道路に近接をいたしました地価公示の標準地のこれは毎年一月一日の調査結果、出させていただいておりますけれども、平成二十八年が平米当たり百七十二万円、二十九年が二百十七万円、三十年が二百五十九万円、三十一年が三百四万円と上昇してございますけれども、このエリアにつきましては、景気回復、それから訪日観光客の増加などを背景に、オフィスビル、ホテルの建設に対する需要が堅調であることが地価上昇の要因というふうに分析しているところでございます。
以上でございます。
○武田良介君 私、一つ目に聞きましたボーリング調査の結果を公表して地価が下がったという事例、過去にあるのかと聞いたら、今そういうものをつかむ立場にないというふうにおっしゃられましたが、私、事前に聞いた話と違うんですね。事前には、事例はありませんとはっきりおっしゃいましたよ。何で質疑当日になって答弁変わるのか。JR東海をかばっているとしか思えないようなこういう答弁、私は本当に許されないというふうに思いますし、それから地価は、博多ですね、地価は上がっているわけです。約一・五倍になっていると。
ということになりますと、これ、JR東海が資料を提出する、拒否する理由、それはないんじゃないだろうかと。これ、是非資料を出していただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 済みません、このJR東海が資料を出せない理由というのの中に、個人の所有地が含まれているということがあるんじゃないかと思うんです。しかし、そこを含めた上で、委員御提言ですから、私の立場からJR東海に話はさせていただきます。
○武田良介君 JR東海の山口トンネルのこの工事のための資料というのは、これ、鉄道・運輸機構も持っているということを確認を私、させていただきました。そうであれば、これ、公文書管理法上の公文書になるんじゃないかというふうに思いますけれども。これ、確認です。
○政府参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
委員御指摘の資料で鉄道・運輸機構が保有しているものにつきましては、公文書管理法第二条第五項の法人文書に当たりますことから、同法第二条第八項の公文書等に該当することとなると承知をしております。
○武田良介君 これ、公文書に該当するということですので、そうであれば、やはりその資料を全て出していただきたい。先ほど大臣も私の方からという話がありましたけれども、是非出していただきたい。大臣、もう一度改めてよろしくお願いします。
○政府参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
公文書等の情報公開につきましては、それぞれの規定がございますので、その手続にのっとって情報公開をさせていただくということになろうかと思います。現に、このボーリング調査につきましては、鉄道・運輸機構に対して情報の開示の請求が行われたというふうに承知をしております。
○武田良介君 開示の請求というのは何人もできると、法文上もたしかそうなっておりますよね。だから、誰でも開示の請求はできる。で、これは公文書ですから、私も是非出していただきたいと、この場でも改めてお願いをさせていただきたいと思います。
この委員会に是非、リニアの工事という大事な問題ですから、この委員会に是非提出いただきたいと思いますけれども、委員長、取り計らいをお願いしたいと思います。
○委員長(田名部匡代君) 後刻理事会で協議させていただきます。
○武田良介君 本当に今回の事故に対するJR東海の対応というのは不十分なものがある、不誠実な対応をされていると、これはもう沿線住民の方、どこでお話聞いても同じようにこの話をされておられます。これではやはり沿線住民の皆さんの不安だとか不信というのは一層大きくなっていくということだというふうに思います。
こうしたJR東海の対応を容認する国土交通省も私は非常に責任が問われていると、無責任だということを指摘させていただきたいというふうに思います。国が責任を持って事故原因を究明すること、それを抜きに工事の再開をすべきではないと、このことを厳しく指摘をさせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
関連資料
赤旗記事→「台風19号 河川決壊「従来の対策検証」/国交相が武田氏に答弁/参院国交委」