国会質問

質問日:2019年 10月 1日  第199臨時国会  災害対策特別委員会

災害被害 実情に見合った認定を行い、生活再建支援を

本日、臨時国会開会前ですが、閉会中審査で災害対策特別委員会が開かれ、質疑に立ちました。

被災地の力になるようにと願って、多くの方にお世話になりながら質問させていただきました。
質疑では住家被害認定について、
台風15号被害で言えば、その後の降雨による被害も加味して認定すること、
九州豪雨で被災した佐賀県大町町で言えば油被害も加味して認定することを、内閣府と通知していますが、
→その周知徹底を認定あたる職員や被災者のみなさんに対してやりきり、「半壊以上」の認定がなされるように求めました。

「ガラスが破損している」「飛来物による突き刺さり、貫通痕がある」など、
→「半壊以上の認定になりうる」被害も明らかにしました。

住家被害認定は、一度、罹災証明書の発行がなされても再調査を求めることができます。時間がかかっても、納得のいく被害認定を!被災者のみなさん、あきらめずに住宅再建に向けてがんばりましょう‼️

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実状に見合った災害被害認定を

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 台風十五号を始めとした暴風雨を含む八月からの前線に伴う大雨による災害で亡くなられた方に哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 私は、九月の二十七日、千葉県館山市に伺いまして、被害状況を調査するとともに、被災者の方のお話を伺ってまいりました。そこでお聞きした話から質問をいたします。
 住宅被害の認定についてお伺いをいたします。
 まず、内閣府から説明いただきたいと思いますが、九月二十日付けの事務連絡、この趣旨と、それを踏まえた被害認定調査の弾力的運用とはどんなイメージになるのか。

○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 九月二十日付け事務連絡でございますけれども、いわゆる弾力的運用について通知をしたところでございますけれども、この趣旨でございますけれども、一つには、今回の被害については台風による被害に降雨がすぐ後に生じていると、これは一体として判定すべきであるということをきちんと周知をするということ。それから、これは報道との関係もございますけれども、屋根が大部分被害を受けて吹っ飛んでいるようなものであっても一部損壊だというような報道がなされていると。そこは、被害の実態を十分に加味して、被害実態に即した評価をきちんと徹底する必要があるということで、各市町村に事務連絡を行ったところでございます。
 具体的には、台風による被害に降雨による被害も加味して判定してよいということと、屋根とか天井等の損傷面積については過小評価をしないようにということを内容とするものでございまして、これによりまして、瓦屋根等に相当程度の被害があって屋内が浸水している場合にはおおむね半壊程度、また、屋根の大部分に被害がある場合にはおおむね大規模半壊や全壊の判定となると考えているところでございます。

○武田良介君 今説明いただきました事務連絡そのものは資料一に付けて配付させていただいておりますし、説明ありました弾力的運用についても資料の二あるいは三に付けております。
 私、館山市に行ってお話を伺ったときに、この事務連絡は本当に徹底される、されているんだろうかということを疑問に感じたわけです。
 資料四を付けました。上の写真を御覧いただきたいというふうに思うんですけれども、この方のお宅は屋根が全て吹き飛ばされております。家の中のものも全て飛ばされて、お独り暮らしだそうですが、一人で必死に片付け作業をされておられました。この方は、罹災証明の発行が始まるということで、この御自宅の写真を撮って市役所に行ったと。で、その写真を見た職員の方が、これは一部損壊になるんじゃないかという話をされたというんですね。
 これ、屋根全部ないわけですから住めないわけですし、先ほどの答弁からしても、少なくとも大規模半壊だとか全壊になったっておかしくない、それで当然じゃないかと思うんですね。これ、一部損壊になったら、この方は何ら支援を受けられませんので、そんなことはあってはならないと、本当とんでもない話だと思うんです。是非、周知徹底、是非やっていただきたい。

○政府参考人(青柳一郎君) 御指摘のような事態が生じないようにということで通知を出しているところでもあり、また説明会、あるいは個別の市、町への説明も行っているところでございますけれども、ちょっと今伺っている話からすると、写真を撮って、いわゆる自己判定方式というやつで持ち込まれたということであるならば、そこは、屋根だけ取れば、先ほど一五%というような話ございましたけれども、一五%だったら一部損壊だねという話になってしまうわけでございますけれども、我々としてどこまでかというところはあるんですけれども、写真だけでは判定できないところございますけれども、この写真の一であれば、屋根がほとんど飛んでいます、それから外壁の仕上げ材も脱落していると。裏側はどうなっているかというところがございますけれども、相当程度の被害が内部にも及んでいる可能性がありますので、これはしっかりと家屋の内部も調査をした上できちんと被害認定をすべきだろうということで、これを改めて周知徹底を図っていきたいと考えております。

○武田良介君 あの事務連絡は二十日ですよね。私行ったの二十七です。で、二十四日の日にはそういった、会議を県庁で開いたとか、各自治体に行った、でも徹底されないということが、私もいろんな災害現場見ましたけど、なかなか徹底されないんですよね、やっぱり。これは本当に周知徹底、努力しなければならないと思っています。
 続けてお聞きします。被害認定は、被災者の方が納得いく認定がされるかどうかということがやはり大事だと思います。
 資料の四の下の写真なんですけれども、これ、先ほどのお宅とは別のお宅ですけれども、このお宅は二階の屋根からの雨漏りというのはなかったんです。ただ、これ、ベランダの写真ですが、台風十五号の際に降った雨がベランダにたまって、雨水が家の中に流れ込んだという話なんですね。このベランダの底の、底というか床のところは特に水が漏れる構造にはなっておりませんけれども、元々はこの角にある排水溝から水が流れる、しかしそれが流れ切れずに家の中に流れ込んだ。つまり、二階の床下、一階から見れば天井の部分に水がどおんと入ったということになっているわけであります。
 資料の五の上の写真ですが、ここが水が流れ込んだところなんですね。ですから、二階の床部分には余り損傷がないように見られます。しかし、一階の天井部分は水がたまりましたから、水を含んでどおんと落ちてしまっているということになっているわけであります。こういう被害があり得るということなんですね。屋根の損傷だけでなく、こういう被害があり得るということです。
 資料五の下の写真ですけれども、これは、二階の床下に今言った水がたまったことによって一階の天井だとか壁にも広く水がしみ込んでしまう。これ、一階の照明なんですが、天井と照明の間にこの影になっている部分が写っていますけれども、ここから雨水がどんどん落ちてきたというんですね。やはり、水を含んで、そういうふうに膨張してゆがみも出る。しみとかカビとかが生えていないように一見見える、被害がないように一見見えるわけですけれども、実際には浸水をしている。
 資料の六も紹介しておきますが、資料の六の下もそうなんです。今の方のお宅とは別のお宅なんですが、この壁にも水がしみ込み、ドアの木枠にも水がしみ込み膨張してしまったがために、ドアが閉まらなくなっているんですね。もうドアが閉まらないということを見て、明確に、これ水がしみているということは明らかに分かるわけなんですが、カビだとかしみは必ずしも生えていない。
 やっぱり実際に住家被害を認定していくときに、こういったところを絶対に見落としがないようにやっていただきたいと。簡潔で結構ですので、御答弁お願いします。

○政府参考人(青柳一郎君) 運用指針、これはマニュアルでございますけれども、屋根に損傷がなくても、壁等に脱落、破損等の損傷が生じて住家内に浸水のおそれがある場合は、外壁、内壁等々、部位に区分して各部位の損傷率を調査することとしておりますので、改めて、引き続き被災自治体には運用指針の周知を図っていきたいと考えております。

○武田良介君 この事務連絡が、自治体の職員の方にも徹底される、あるいは国から応援に行っている職員の方にも徹底される、重ねて求めておきたいというふうに思います。
 この事務連絡に関わってちょっと確認をしておきたいことがあります。この事務連絡、冒頭に言いました資料一に付いている事務連絡ですけれども、被害認定調査の効率化、迅速化をするというものなんですね。それ自身は、その住宅再建に必要な支援制度を受けるために住家被害の認定をする必要があるわけですから、それ自身は必要だというふうに思いますが、しかし、急ぐ余りに納得がいかない認定がされるということがあってはいけないわけなんです。
 そこで、確認したいんですが、資料の二にあります台風十五号による屋根等の被害への対応についてと。これ、右下のところを見ますと、おおむね発災一か月程度、十月十一日を目標にと日付が書き込まれておりますけれども、この十月十一日というのは、これ一体どういう意味なのか、あくまでこれは目標で、十月十一日以降も住家被害の認定作業、これは行われていくということでよろしいですね。

○政府参考人(青柳一郎君) この目標は、罹災証明書の交付がいたずらに遅れることがないようにということで、過去の災害の事例を参考にして、やはりおおむね災害から一か月程度で一回目の調査を終了させる、そのために必要な調査員の体制も、応援を含めて整えてやっていくということで、あくまでそういう性格のものですから、被災者が再調査を依頼できる期限を示すものではございません。
 このため、十月十一日以降であっても、市町村へ再調査を依頼することは可能でございます。

○武田良介君 答弁ありました。十月十一日以降も住家被害の認定、これはやっぱりやっていくということを確認をしたいと思います。
 今答弁の中にも再調査の話がちょっと出てきておりますが、ちょっと改めて確認しておきます。
 一度罹災証明が発行され住家被害が認定されたということになっても、しかし、その被災者の方がこれは納得できない、もう一度被害調査してほしいということで再調査を求めることができると、間違いないですね。

○政府参考人(青柳一郎君) 罹災証明書交付後であっても、被災者から市町村へ再調査を依頼することは可能でございます。その場合、市町村は、被災者の依頼の内容をちゃんと精査した上で、再調査が必要と考えられる点は、その点について調査を行って、その結果を理由とともに被災者に示すということになろうかと思います。

○武田良介君 二点確認しました。十月十一日以降も被害認定の調査をしていくということ、それから、再調査を求めて受けることができるということを確認をしました。
 やっぱり、こういう内容を被災地の現場に徹底していくということが非常に重要だというふうに思うんです。そうでなければ、罹災証明の発行を急ぐ余りに納得のいく住家被害認定がなされないという事態が発生しかねないということになるわけですし、被災者の方も再調査を求めることができない。
 これ、どういうふうに徹底していくのか。今、被災地は住宅再建どのようにやっていくのかということで非常に悩みがあるわけですから、この問題の徹底、非常に大事だと思いますけれども、大臣からの御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(武田良太君) 九月二十日付けの被害認定調査の弾力的運用の通知により再調査の依頼の増加が予想されましたが、罹災証明書に記載される住家被害等の調査結果は、その後の被災者支援の内容に大きな影響を与えるものであることから、同通知において、被災者から市町村に住家被害等の再調査を依頼することが可能であることを被災住民に十分周知するよう再度依頼したところであります。
 また、この点につきましては、被災自治体を対象に開催した調査の説明会や被災自治体に派遣された内閣府の職員によって、自治体の職員へ周知徹底を図っているところであります。

○武田良介君 大事なことですので、この事務連絡に関わってもう一点、ちょっと別の視点で確認をしておきたいというふうに思っております。
 事務連絡の③、二ページ目に当たるところですけれども、これ見ますと、半壊に至らないと判定する場合の記述がこの③なんですが、屋根、外壁及び建具のいずれにも以下の損傷が生じておらず、住家内への浸水のおそれがないと考えられる場合は半壊に至らないと判定すると、こういう中身だと思うんです。
 その以下の損傷、例えば建具について言えばガラスが破損しているだとか、そういった事例が紹介されておりますが、そこでお聞きしますけれども、逆に言うと、以下の損傷が生じている場合は半壊以上の認定に至り得るということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(青柳一郎君) 結論は至り得るということで、これ前のページにもございますように、判定方法で一のところの柱書き、風害による住家の被害認定調査については、外観目視等により以下の①から③の方法で迅速に判定することが可能ですということで、この基準として、この赤字で囲んだ点がない、なおかつ住家内への浸水のおそれがないという場合には、もう半壊には至りませんねということで判定しても結構だということなんですが、逆に言うと、ここに一つでも該当するものがあれば、それは半壊以上になるおそれがありますから、そこはしっかり見る必要があるという趣旨でございます。

○武田良介君 この半壊以上になり得るというのが非常にやっぱり大事だと思うんですね。半壊以上がなければ災害救助法についても被災者生活再建支援法についても支援が受けられないということになっていくわけですから、半壊以上の認定がされるということは、やはりここ大切だと思うんです。
 例えば、ガラスが破損している、そういうお宅たくさんあります。外壁に飛来物による突き刺さり、貫通痕があるとかですね、記載があります。先ほどベランダから水が流れ込んでしまったというお宅の事例を紹介しましたけれども、このお宅も雨戸も壊れて窓ガラスも割れているお宅であります。しかし、被害認定どうなるかねということで心配をされておられましたけれども、半壊以上の認定が出るということが非常にこれ大事だと思うんです。ですから、こういったところが半壊以上の被害認定があり得るということで、周知徹底をこれも重ねて求めておきたいというふうに思います。
 九州でも甚大な被害が出ておりますので、九州豪雨についても、九州豪雨に関わって、また住家被害についてお聞きしたいと思いますが、佐賀県の大町町では工場からの油漏れが発生をしたわけです。油の入った住家というのは臭気が物すごいわけです。油ではなくて普通に、普通にということはないですが、浸水被害があったということであれば、例えば床下だけであれば、換気を一生懸命するとか石灰をまくとかということで改修をしていくということもあるかもしれませんけれども、油が入れば臭いがきつくてとても住めないということになるわけですよね。
 これ、内閣府は九月十一日に事務連絡を出しております。これも確認しておきますが、この通知は浸水被害だけではなくて油の流出による被害も加味しなさいということを言っているわけですが、山本前防災担当大臣が、この通知を出したその日の記者会見で、油が流出し、長期間浸水の被害を受けた住家のうち床上浸水以上の住家につきましては、おおむね被災者生活再建支援法の対象水準になるのではないかというふうに述べておられます。これ、間違いないですよね。

○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 間違いございません。

○武田良介君 この通知を受けて、大町町の被害認定どうなっているかということで私もお聞きをいたしましたけれども、大町町の住家被害の総数二百八十三棟、全壊が七十七棟あって、大規模半壊は六十八棟、半壊が一棟、これは九月の二十日時点での数字でありますけれども、一定、全壊や大規模半壊、半壊というふうに認定されているのかなというふうに見ることもできると思うんです。
 問題なのは、その九州の豪雨で被災した油以外の浸水被害に遭ったお宅はじゃどうなっているのかなんですね。そこで、資料の八番にも付けましたけれども、二〇〇四年十月二十八日の通知、これ、浸水等による住宅被害の認定についてというものなんですが、この通知では、被災者生活再建支援法の積極的活用を図る観点から、浸水等の被害により、流入した土砂の除去や耐え難い悪臭のためやむを得ず住宅を解体する場合には、やむを得ず解体するものとして、全壊と同様に取り扱うというふうにあります。この通知に照らせば、今回のこの九州の豪雨でも、浸水被害などによってやむなく解体をするという場合、これ、全壊として扱っていくということでいいかどうか、これも確認したいと思います。

○政府参考人(青柳一郎君) これは、支援金は、全壊や大規模半壊に加えまして、半壊であっても、浸水等の被害によって流入した土砂の除去、耐え難い悪臭でやむを得ず住宅を解体する場合には全壊と同様に支援金を支給するということにいたしているところでございます。

○武田良介君 重ねてですけど、本当に半壊以上の認定をしっかり取れるかどうかということが住宅再建にとって非常に重要な点になっていますから、こういう扱いが被災者の方にとって大変重要だと思うんですね。
 ずっと聞いてきましたが、最後に国土交通省にもお伺いをしたいというふうに思います。
 先ほど来話が出ていますが、瓦屋根の修繕に対して自治体が支援を行う場合に国が防災・安全交付金を使って自治体負担の実質九割を見るということでありますが、これ、被災時点で屋根瓦だった住宅に限定されているということですけれども、瓦屋根から瓦屋根に改修するというのはもちろんそうですが、瓦屋根からその他の構造に改修することも対象になるということでよろしいでしょうか。これ、確認です。

○政府参考人(眞鍋純君) 支援の内容についてお答え申し上げます。
 自治体が被災した住宅の耐震性の向上等に資する補修について支援を行う場合に、私どもの方から防災・安全交付金の効果促進事業の対象として支援を行うと、こういう方針でございます。
 お尋ねの点につきましては、瓦屋根の補修により耐震性の向上が図られるという場合については対象になり得るものというふうに考えております。具体的な支援の内容については、現在地方公共団体で検討を進めているところでございますので、私どもは継続的にきめ細かく相談に応じるところでございます。自治体の意見をよく聞いて対応してまいりたいと考えてございます。

○武田良介君 ちょっと何かはっきりしない物の言い方であれなんですけど。
 私も事前に何度も聞きましたが、これはなりますとおっしゃいましたよ。だって、そうですよね、耐震改修のためにやる事業ですから。御答弁いただけますか。

○政府参考人(眞鍋純君) 先ほど申し上げましたように、耐震性の向上が図られる場合は対象となり得るものと考えております。

○武田良介君 だから、耐震改修……

○委員長(山本博司君) もう時間となっておりますので、おまとめいただけますか。

○武田良介君 はい。
 耐震改修、だから、瓦屋根から、瓦は重いから、それよりも例えば軽いものになった場合に耐震性が上がりますねと判断されれば、それもできるわけですよ。そういうことを事前にいただいていますからね。はっきりそういったところを御答弁いただくことが被災者の皆さんに対するメッセージにもなるというふうに思います。
 消費税の増税ということが今日ありましたけど、被災者の方に新たな負担を押し付けるものになってしまうわけでありますから、私たちもこれを今度減税していく、あるいは廃止していくということで新たに頑張っていきたいというふうに思いますし、被災者の全ての皆さんの生活、なりわいの再建のために全力を尽くしていきたいという決意を申し上げて、質問を終わりたいと思います。

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関連資料

赤旗記事「補修支援 瓦以外も住宅被害 畑野/・武田氏に国交省/衆参災害特委」

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参考資料

災害対策特別委員会配布資料