モロッコのマラケシュで開催された列国議会同盟(IPU)の議員会議に出席しました。CОP22(国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議)に合わせて開催されたもので、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑え、今世紀の後半には温室効果ガスの排出実質ゼロをめざすパリ協定を歓迎する成果文書を採択しました。日本の国会から、私を含め4人の国会議員が参加しました。
何より感じたのは、アフリカをはじめとした途上国の必死さです。海面上昇によって居住地を奪われる人々がおり、移民の問題等を抱えていること。また水源が奪われ、水質も悪化し、資源を求めて紛争が発生していること等、国連はじめさまざまな専門家によるプレゼンテーションとともに各国が現状を訴えました。それだけに、パリ協定を実効あるものにしなければならないと実感しました。
同時に、各国が現在の目標を達成したとしても、気温上昇を2度未満に抑えることはできないという指摘も踏まえ、さらに各国が自国の目標をどう引き上げるのか、各国の議会人として何ができるのかという問いかけもありました。
日本政府は、技術開発や資金援助で世界に貢献することを強調しています。しかし、原発や石炭火力をベースロード電源と位置づけ、海外にも売り込もうとしており、世界共通の目標に背を向けているのが実態です。政府の姿勢を正し、温室効果ガスの削減目標をさらに引き上げ、本当の意味で世界に貢献できるよう、日本の議会人として力を尽くす決意です。
2016年11月16日