活動日誌

アフリカゾウと、ボロボロの共謀罪法案

 絶滅が危惧されるアフリカゾウ。世界各国が、象牙の国内取引を規制し、事実上の「市場閉鎖」に踏み出すなか、日本の対応が現在、問われています。参議院環境委員会での「種の保存法」改正案の質疑で議論しました。

 象牙を含め、世界的な希少野生動植物の取引を規制するワシントン条約の国内担保法として定められているのが種の保存法。

委員会では、認定NPO法人「トラ・ゾウ保護基金」の坂元雅行事務局長に参考人として推薦。ワシントン条約の締約国会議で「市場閉鎖」決議が挙げられたこと、一方で日本は、今回の法改正でも「市場閉鎖」に踏み切らず、世界で唯一の合法市場として、さらなる密猟や密輸を招く懸念を指摘されました。

坂元事務局長は、「日本は2004年まで世界最大の象牙消費国だった」と、その道義的責任を強調し、アフリカゾウを守ることを訴えました。

 

 話は変わるようですが、こうした環境保護団体も、組織的犯罪集団の「かくれみの」なら共謀罪容疑で監視・捜査の対象となり、処罰され得るという答弁が飛び出しました。確かに、政府が共謀罪法案の対象犯罪を絞り込んだという277の犯罪を見ると、種の保存法違反が含まれているのです。

 つまり、表向きは環境保護を目的に活動するといっても、希少野生動植物を不正に取得し、テロ資金を調達するような重大犯罪の準備のための「かくれみの」にされるなら、共謀罪で処罰するということでしょう。

 とんでもありません。「アフリカゾウを守ろう」「日本政府は国際決議を遵守せよ」と真面目に活動する環境保護団体が、そこで活動する一般市民が、監視・捜査され、処罰の対象となるのが今回の共謀罪であると、ハッキリしました。

 

 いよいよ、国会最終盤。共謀罪法案を断固廃案に追い込まなければなりません。その何よりの力は、この法案の持つ危険性と、それをごまかそうとする政府答弁の矛盾や詭弁を徹底して明らかにして、広く国民に知らせることです。

 「最後は数の力で採決されてしまうのではないか」とお考えの方もいるかもしれません。しかし、追い詰められているのは安倍政権です。共謀罪を通すために会期延長したいが、伸ばすと加計学園疑惑の追及を受け、都議選に大敗しかねないというのが実際のところです。

政府は、加計学園疑惑に関わる文科省の文書の再調査を、国民世論に押されてせざるを得なくなりました。もっともっと追い詰めて、共謀罪法案の成立阻止、廃案を勝ち取り、都議選と衆院選で、安倍政権にNoの審判を下しましょう!