活動日誌

名古屋市南部公害の現在…

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名古屋港を中心に、大気汚染によって喘息や肺気腫など、公害が発生した名古屋市南部。
戦前は軍需産業が集中し、戦後もトヨタ自動車に代表されるように工場が立ち並び、名古屋港を使って輸出入がされていきました。また高速道路をはじめ大型車もたくさん走るようになり、排ガスによる大気汚染も発生しました。

田中久幸みなと公害患者と家族の会事務局長から説明を聞く。本村伸子衆院議員、山口清明市議とともに

こうした中、健康被害を受けたみなさんが、「二度と繰り返すな」「安心して医療が受けられるよう救済を」と求めて行動されてきました。本当の願いは、「壊された健康を取り戻したい」ということです。しかし、完全に回復するということはできませんから、二度と繰り返すな、環境改善をと求められていることは、しっかりと胸にとめておきたい。

患者の方から声を聞く

名古屋港臨港地区には、新日鉄、東レ、三菱、東邦ガス、火力発電所…など多数の企業があります。
こうした企業と公害は無関係でないことは明らかで、名古屋南部大気汚染公害裁判がたたかわれてきました。
裁判は、2001年に和解が成立していますが、その後も名古屋港はじめ大気汚染をなくすよう手立てが尽くされているかどうかということは和解内容の実行であり、現在の課題として残されています。
名古屋港は、名古屋港管理組合という一部事務組合が管理しています。しかし、管理組合は港の水質や緑化については対応するが、大気汚染への対応などには正面から向き合わないという問題が明らかに。

潮見ふ頭にある火力発電所近くでお話をききました

また名古屋港にある火力発電は、かつては石炭火力、いまはLNGとのこと。
また新日鉄は、以前は東邦ガスが生産したコークスを使って製造していたが、いまは自らコークスを作るため、火力発電炉を自ら4基もち(アセス対象に満たない)をもって電力をまかなっているなど、いま注目される火力発電の実態もお聞きしました。

名古屋港のまわりには、人々の暮らしがあります。
公害被害者の方の全面救済は、水俣病でもそうですが、日本の公害の歴史から見ても、全国各地の広がりから見ても重大な政治課題です。それも、今日的な問題です。まだ終わっていません。
「生きているうちに解決を」という声にこたえられるよう頑張らなければなりません。