活動日誌

平和の歌「折り鶴」をサーロー節子さんの訴えと重ねて

生きていてよかった それを感じたくて 広島の町から 私は歩いてきた

苦しみを言葉に 悲しみをいかりに 傷ついた体で ここまで歩いてきた

 

 平和を願って歌ってきた「折り鶴」。いま、広島で13歳のときに被爆されたサーロー節子さんの訴えと、重なって聞こえます。

2017年7月7日、核兵器禁止条約が国連総会で採択されました。国際NGO「ICAN」は、被爆者のみなさんと連携した条約採択への活動が評価され、ノーベル平和賞を受賞しました。私は、核兵器廃絶へ世界が踏み出したこれらの動きを、被爆者のみなさんをはじめとした世界の平和運動の画期的成果として、心から喜びたいと思うのです。

 

サーロー節子さんは、ノーベル平和賞の授賞式に招待され、スピーチされたのです。核兵器の非人道性を訴えた上で、「核武装国の政府のみなさんに、そして核の傘なるものの下で共犯者となっている国々の政府のみなさんに申し上げたい。私たちの警告を心に留めなさい。そうすれば必ずや、あなたたちは行動することになることを知るでしょう」との訴えは私の心に響きました。

 

 安倍政権は、唯一の戦争被爆国でありながら、核兵器禁止条約に「反対」しています。河野太郎外相は、「北朝鮮の核・ミサイル開発を始めとした現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に、現実的な核軍縮を前進させる道筋を追及していく必要がある」とコメントしたそうです。“現実”という言葉を2度も使い、核兵器禁止条約が理想論だと言いたいのでしょうか。

 しかし日本政府は、核兵器がもたらす壊滅的な被害とその非人道性という日本が経験した現実こそ、認識すべきです。日本は自らが経験した戦争の惨禍を、他の国に対しての脅しに使い、核の傘のもとで平和を保つ。そんなことが日本政府の姿勢であってよいはずはありません。二度と核兵器が使われないように、二度と「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」日本政府は務めなければならないはずです。

 

この耳をふさいでも 聞こえる声がある この心閉ざしても あふれる愛がある

はばたけ折り鶴 私からあなたへ はばたけ折り鶴 あなたから世界へ

 

被爆者のみなさんは、どれだけ苦しい経験をされたでしょうか。偏見の目が向けられる中で、どんな葛藤をして核兵器廃絶を訴えられたのでしょうか。しかし、その訴えは国際社会を動かしました。核兵器禁止条約にサインできる政府をつくり、現実に核兵器を廃絶するまで、声をあげ続けましょう。