活動日誌

オランダの園芸農業の研究所を視察

オランダ3日目、視察最終日。
今日はオランダの園芸農業の研究部門を視察。最後に、上院議長との懇談会。
これを終えれば、夕方の便でミュンヘン経由、羽田空港へ帰ることに。

●ワーヘニンゲン大学・研究所
オランダでは農業研究に長けた大学と言えばここ。各分野1大学が専門的に、その分野の研究をするらしい。国土は日本の九州くらい、人口も約1700万人のオランダでは、何でも「選択と集中」し、大学もそうであるとは外務省の説明。

昨日の、パプリカやトマトと同じように、プラントで試験的栽培をしているところを見せていただいた。EU で深刻な害虫が発生、オランダでも確認例があり、防護服を着ての調査。

写真のピンクは画像処理ではなく、まさにピンクのLEDライトをあてている。この日の日のでも8:45頃、17時と言えばかなり暗くなってしまう日照時間が短いオランダでは重要だ。

オランダがパプリカ、トマト、キュウリなど、園芸作物に限定して輸出を強化する戦略をたててから、ワーヘニンゲン大学と国立農業研究所を統合し、ワーヘニンゲン大学・研究所とした。大学はいわゆる教育機関としての大学であり、留学生も多いがいわゆる大学。研究部門は研究が主であり、大学の基礎研究を元に、連携したとりくみをおこなっているとのこと。

●デルフィ社
ワーヘニンゲン大学の隣にある。ここは、同じように農業研究にあたっているが、役割としては研究内容を農家に実用化できるように実践的な研究を続けているという。

「国が研究に力を入れるまでは、研究開発は農家に対して無償でやっていた。しかし、いまはお金をもらって研究している。その方が、農家も結果を求めるし、我々もこたえようとする」とは会社の言葉。

あまりに時間が足りず、どちらも質疑する時間もなく、この地を後にせざるを得なかった。

●最後に、日本大使館へ再び。

ここでは、大使へ帰りますよ、というあいさつの意味もあるが、オランダの上院議長であるブライン氏との昼食懇談会が。

青年農業者が少ないことについては、「将来への展望が持てることが重要だ」と、先日フット事務次官も言っていたし私もそう思うと話し、その通りと共感。

「私はいま、議長ですから中立ですが、元々は中道左派。今日は、与党もいるが野党議員まで参加されており、嬉しく思う。政策についても話し合い一致を作ることが重要だ」との言葉もあり、楽しい懇談に。
自民党の山田議員も「いまの日本は何でも競争、競争だ。それでは地方の農家はやっていけない。EUにおいては所得保障をぜひ継続させてほしい」と発言、「日本共産党とのコンビネーションを(笑)」とブラインさん。最後に、全員が、ブラインさんと握手、明らかに、他の議員とは違うテンションで「がんばって」とエールをいただき懇談は終了。

※ちなみに、玄関を入ると、出迎えてくれるように生け花が。聞くと大使のパートナーが生けたものだという。

実は、パートナーの方はオランダの方だ。
元々、中国が専門だった大使が若い頃、中国で知り合ったという。
大使が日本の外務省でも仕事をしていたわけで、日本暮らしがながく、日本語もペラペラ。

「花や枝を手にいれるのも大変ですね」と声をかけると、「いただいた花に庭の枝を使うことも」と、日本で習ったという生け花を拝見させていただいた。