活動日誌

オランダのパプリカ、トマト、チーズ農家を訪問

オランダ2日目。
輸出が世界第2位のオランダ。パプリカ、トマト、チーズを生産している農家(というより、経営者)を訪問。移動も長く、ほぼバスに揺られ続けた1日‥。

●パプリカ農園(Green Square )。
50年前にお父さんが始められた農業だが、いまは息子兄弟でやっています、とのこと。11年前に、政府の支援も受けて施設園芸を開始、流通を含めて経営環境を整えている。

徹底した水(オランダでは水が貴重。いかに循環させ、少ない水で栽培できるかに技術を注いでいる)、日光、温度管理をコンピューターが担う。こちらは日々、データと実際のパプリカを見ながら経験を蓄積。管理していても、毎年外的環境によってパプリカの出来は違う。

約1,000万ユーロを投資し、毎年約50万ユーロの利益を得なければならない経営計画。40kg/ha生産している。オランダの平均は34kg/ha
12/10に植えたパプリカは、(写真)3月初旬から収穫開始、毎年のように出荷できる。主にEU域内への輸出。

今後、気候変動に対応するため、これまで使ってきたオランダで出る天然ガスはやめて、再エネで施設園芸をしなければならないという。

面白かったのは、オランダでは、パプリカならパプリカ、トマトならトマト、という具合に、野菜ごとに共同組合を作っているということ。やはり、ここは資源が少ない、人口も少ないオランダの成り立ちが関係しているのか。
よく近所の顔見知りのパプリカ農家同士が集まって、「外的環境に対して管理をどうしたか」など話し合っているという。
当然、輸出先が同じであったり競争相手になりうるが、それがオランダの強み。1つのオランダ、という感覚もあるのだろうアドバイスをし合うという。

しかし、Green square も近くの農地を買収して土地を広げてきたというから、いざというときは合理的に、ドライに対応されるのかもしれない。 

●TOMATO WORLD
ここは、オランダのトマト栽培の技術を紹介できる施設。さまざまな企業も協同している。

だいたい、パプリカと話は同じだったが、温室に害虫が入った場合に、益虫を放して対応するということだった。

蜂は、受粉をしてくれる。この蜂は、仮に一匹が温室外に出て、より美味しい蜜を見つけても仲間に教えない蜂らしい。トマトの蜜はあまり好まない蜂たちにとって、そういう蜂が好ましいということだった。

約80種類のトマトを生産。

●チーズ生産(DOC KAAS社)(ドックカース社)
オランダのチーズメーカーで、乳牛農家の共同組合が経営。
ミルクの搬入用の黄色いトラックが入ってくる。製造、加工、包装、流通のプロセス全体を、ホーヘフェーン市の工場で行う。

繰り返しいわれたことは、経営協力協定によって、日本向けの輸出が前年度比14%増えたということ。成功だと。

「政策、制度が都市部を中心に考えられていて、地方にどのような影響があるか検証しなければならない」との言葉を思い出す。

●最後に、日本法人会の方と懇談。
野村證券やヤクルト、農林中金、貿易会社、農研機構の方。

日本はどうやって稼ぐか、という議論が続く。どうしても好きになれない議論。
だって、オランダも、ドイツも、国の成り立ち、自然条件、EU であるかないか、さまざまな違いがあり、真似するだけではいけない。

日本には日本がもつよさがあり、日本の政治は「世界はグローバル化しているんだから輸出しなければならない」というだけではなくて、日本の何を守るのかを明確にしていくべきではないか。それは、日本の地方に暮らす国民の暮らしを第一に守ることだと思う。

マーケティングだ何だと話はあって当然、それも必要だが、まず、自分たち国民を大切にしないで、日本の魅力など海外に伝わるハズがないと私は思う。