議事録
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
本日の委員会の冒頭に、建設工事費統計に関わって、大臣から調査票の配付が大幅に遅れたということで御発言もありました。
この受注統計の報告書にもあるように、体制が弱く多忙化していることが課題であるということで重ねて認識が示されました。そうであれば、この体制を強化していく、あるいは多忙化を解消していく、そういう対応が取られなければ、また引き続き根本的な問題解決しないということになってしまいますから、同じような統計の問題が起こっても不思議ではないというふうに思います。こうした問題も含めて、今回の経過あるいは今後の対応等を含めて更に議論が当委員会でも必要になってくるだろうというふうに思います。
それでは、園芸博の質問をさせていただきたいというふうに思います。
国際園芸博は、旧上瀬谷通信施設の跡地利用ということから話が始まっております。横浜市が、地域住民の声を聞きながら、残された豊かな自然を守りつつ今後のまちづくりを検討してきたという経過があるわけであります。そして、二〇一八年から国際園芸博の計画が持ち上がったということです。
国際園芸博となりますと、国が園芸博の主体となる協会を指定をして、協会が園芸博の開催を履行できるように、政府としてはその保証が必要になってくると。そして、政府が博覧会国際事務局、BIE、ここへの申請をするということであります。政府は、申請をするために、横浜市が行ってきた園芸博覧会の検討結果について、有識者を集めた検討会で再び検討されているというふうに思います。
そこで、確認だけ最初にさせていただきたいと思いますけれども、国交省と農水省で行ってきたこの有識者による検討会報告書がありますけれども、この報告書は何を取りまとめたものでしょうか。
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
国際園芸博覧会検討会報告書は、横浜市による横浜国際園芸博覧会計画案を踏まえて、国際園芸博覧会を国が開催する意義や開催地の考え方、横浜市における国際園芸博覧会について、横浜市の現在の検討状況を踏まえた今後の在り方等について、国土交通省及び農林水産省が取りまとめたものでございます。
○武田良介君 横浜市の検討を踏まえて、国でも横浜市のその検討結果、確認をされているわけですよね。その結果、園芸博の概要として出されたのは、二〇二七年の三月から九月の六か月間での開催であるとか、あるいは全参加者一千五百万人、うち有料来場者一千万人、そして建設費が約三百二十億円、で、運営費が三百六十億円などですね、こういうものであります。
私の問題意識は、過大なものになってはならないと、先ほどの認知度という話もありましたけれども、決して過大なものになってはならないのではないかということであります。
園芸博の規模ということから見ますと、一千万人の有料来場者は可能という判断を、今の御答弁からしても国の検討会でも確認したということだと思うんですね。衆議院での審議見ますと、有料来場者数一千万人というのは、横浜市の圏域人口約四千百二十万人の約三割から四割という過去の例からだと、先ほどの答弁にもありました。四千百二十万人が圏域人口ということは、これ衆議院でも言われております。
この圏域人口というのは、半径何キロで市町村を足し上げたものなんでしょうか。
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
参加者数の算出に用いた圏域人口については、博覧会会場予定地を中心とした半径百キロメートル圏内に含まれる市町村の人口となります。
○武田良介君 半径百キロメートルということなんですけれども、そうすると、その中に含まれる都県というのはどこになるのか、また、その境界線が掛かってくる自治体、市町村あると思いますけれども、そういう市町村の人口はどのように数えているのか、この点について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
博覧会会場予定地から半径百キロメートル圏内には、島嶼部を除く東京都、神奈川県、埼玉県の全域、銚子市、旭市、東庄町を除く千葉県の大部分、山梨県、静岡県、長野県、群馬県、栃木県、茨城県のそれぞれ一部が含まれます。
半径百キロメートルの境界上に位置する市町村の人口については、当該市町村全体の人口を計上しております。これは大阪花の万博、淡路万博や浜名湖万博における百キロ圏内、百キロ圏内の市町村人口の算出においても同様にしております。
○武田良介君 全域が百キロ圏内に含まれる、東京は、島はあれですけれども、それ以外のところは東京都であり、神奈川、埼玉といった辺りは全域が含まれるということでありました。
東京都の人口、大体で見ますと一千四百万人ぐらい、神奈川県も九百二十万人、埼玉が大体七百三十万人、この約三割、四割という方が有料で来場するというのが、本当に直感も含めてにわかには信じ難いというところなんですね。東京都民の約三割としても四百二十万人ぐらいですから、有料で来場するのだろうかというふうに思うわけであります。
もう一つ、この一千万人の有料来場者は可能という判断されているということなわけですけれども、過去の博覧会を見ても三割、四割ということなんですが、それが本当なのかということであります。
現在、国民生活は新型コロナを経験をしております。職を失う方がいる、あるいはシフトに入れず減収している方もいる、大変生活困難もあるという状況であります。大体、消費税の増税ということもありましたので、全体の景気が冷え込んでいるということはずっと言われてきました。
こういう経済状況を踏まえて三割、四割ということを判断するというのが本当に妥当なのか、この点について伺いたいというふうに思います。
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
過去の博覧会の実績は、我が国で実際に開催された国際園芸博覧会等の実績であり、二〇二七年国際園芸博覧会と類似するものであるため、根拠として適切なものと考えております。また、圏域人口を根拠とすることにつきましても、実際に国際園芸博覧会等を開催して得られた傾向を踏まえたものであり、適切であると考えております。
なお、現在の参加者数は、新型コロナウイルス感染症拡大等の状況を踏まえ、オンライン参加等を含み、一千五百万人と設定されております。オンラインでは、移動時間や交通費等を掛けることなく容易に参加できるため、来場する場合と同程度の参加が十分に見込めるものとし、参加者数をオンライン参加者数を含めて一千五百万人としたところでございます。
○武田良介君 コロナも踏まえてオンライン参加ということがあるということなんですけれども、先ほどの質疑でもあったように、一千万人の有料来場者ということがあって、それによって運営費を賄えるのかどうか、ここがぎりぎりのラインなんだと。だから、一千万人来なければどうなってしまうかということがやはり懸念をされるわけなのであって、一千万人というものが過大であれば、これは収支赤字になるわけですから、その問題を指摘をしているわけであります。
もう一点お聞きをしておきたいと思いますけれども、リニア中央新幹線について、横浜市の計画案を見ましたら、「JR横浜線橋本駅周辺に新駅を計画、新横浜までのアクセス性が高い。」というふうに記載があるわけですけれども、これを利用した来場というのも念頭に置いているわけでしょうか。
○政府参考人(宇野善昌君) 参加者数につきましては、先ほど申し上げた手法で算出した値であり、リニア新幹線による博覧会への集客については考慮しておりません。
○武田良介君 リニアも含めるということになると、じゃ、名古屋から有料で来場される方がいるのかということになりますから、ということだと思うんですね。
いずれにせよ、私、リニアが、この間も質問しておりますけれども、二〇二七年に開業というのはなかなか困難もあるのではないかというふうに思いますので、これを当てにして過大な計画というふうになると、これは破綻するのではないかというふうに思いますので、指摘をさせていただきたいというふうに思います。
政府は協会を認証して開催を履行できるよう支援をするということでありますけれども、そうであれば、今回この国会審議の中で仮に検討が不十分だというふうに明らかになって、このままでは有料来場者一千万人に満たないということであれば、これは法案を通す前に再検討もしなければならないということなのかなというふうに思いますけれども、その点の御認識について伺いたいと思います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 本博覧会の参加者数一千五百万人、また一千万人は、過去の博覧会の実績を参考として、本博覧会の圏域人口を基に横浜市において算出された数値であり、合理性のある計算方法により算出された妥当な数値と考えております。
なお、このため、博覧会の参加者数の規模は過大とは考えておりませんが、今後、国際園芸博覧会協会において博覧会の基本計画等の検討と併せて計画内容を踏まえた需要予測等を行うことになりますので、国としても助言、指導を行っていきたいと思っております。
○武田良介君 国として横浜市の検討を踏まえて、その言わばバックチェックしたということなわけでありますので、これに問題があったということであればこれはし直さなければいけないというのは私やっぱり思うわけなんですね、これまでの検討の結果についてですよ、というふうに思うわけであります。
なぜ質問するかといいますと、横浜市には苦い経験があるんだということを私伺ってまいりました。二〇〇九年四月二十八日から同年二〇〇九年の九月二十七日まで横浜開港百五十周年記念、開港博Y一五〇というものですね。これは総事業費が百五十七億円だったと。そして、来場者はどうだったかというと、ベイサイド、ヒルサイドという二つの有料施設、この来場者数が約百二十五万人だったということでした。目標の五百万人の四分の一程度だったということなんですね。しかも、聞きますと、教育プログラムだとか学校の関係で来られるお子さんたち、あるいは招待券を持ってくる方、業務券での入場者、こういう方を除いたら、有料来場者は八十九万人だったと。結果、赤字として、二十六億円の赤字出しているということなんですね。十二億円は税金で補填したというふうにも伺いました。
この二の舞だけは避けなきゃいけないと。これは、この国際園芸博そのものに対しては評価している立場の方も含めて、この二の舞だけは避けなきゃいけないということをおっしゃっていらっしゃるわけであります。
大臣に改めて伺いたいというふうに思いますけれども、こういう、過大ではないと考えているという答弁でありましたけれども、仮に赤字を出すような終わり方、これは絶対にしてはいけないというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほども申し上げましたが、博覧会の基本計画等の検討と併せて計画内容を踏まえた需要予測等を行うことになりますので、国としても助言、指導をしっかり行っていきたいと思っておりますし、また、成功に向けて国、市、協会、しっかり協力していきたいと、このように思っております。
○武田良介君 是非、赤字になるようなことは絶対にあってはならないというふうに思いますし、先ほど少しお話もありました、あの花博の後には巨大テーマパークの建設というような話もあったわけですね。しかし、これ、当初の海外事業者は撤退をしているということでありますし、それを想定して新交通上瀬谷ラインというものの計画もあったけれども、これも撤退ということであります。
これらの事業の実現は極めて厳しいというふうに言わざるを得ないと思うんですね。今回の園芸博、テーマパークや新交通と直接関係するものではないというふうに考えておりますので、法案そのものには賛成の立場を取りたいというふうに思っておりますけれども、今日、一貫して指摘をさせていただいたように、テーマパークなどに対しても懸念の声が上がっている中、園芸博の規模については過大とならないと、そういう再検討も必要だということを重ねて指摘をさせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいというふうに思います。
ありがとうございました。