私はCOP22に並行してマラケシュで開かれる列国議会同盟(IPU)議員会議に参加することになりました。
パリ協定は、すべての国が自主的な温室効果ガス削減目標を持ち、今世紀後半には、その排出の実質ゼロをめざすという画期的な条約です。今回、日本はCOP22で開かれるパリ協定の第1回締約国会合に正式メンバーとして参加できないという残念なことになりました。批准が遅れたからです。
今国会ではTPP(環太平洋連携協定)の承認を最優先にして、パリ協定を後回しにしました。そもそも財界の意を受け、米国や中国の様子見をして積極的な役割を果たそうとしてきませんでした。
日本は世界第5位の排出国であり、先進国として歴史的な排出責任も重い国です。この事態を招いた政府の責任は大きいものがあります。
温暖化の被害を肌身で感じています。私のふるさと長野県では緑の山がどんどん枯れて茶色になる「松枯れ」が深刻です。気温が上昇し、松枯れの原因となる虫が活動域を広げているからではないかと言われています。名産のリンゴは気温上昇が続けば栽培できなくなります。雪不足でスキー場の経営も苦しんでいます。
温室効果ガスの削減は待ったなしです。今後、日本の低い削減目標(2030年に13年比26%減)の引き上げ、低い目標の背景となった原発固執、石炭推進のエネルギー基本計画の見直し、自然エネルギーの拡大、などが重要です。
マラケシュでは、各国議員やNGOと交流する予定です。人類の生存を脅かす地球温暖化問題に背を向け、世界の流れに逆行する日本政府のあり方をただすために頑張りたいと思います。
2016年11月6日