参環境委員会で東電・柏崎刈羽原発6,7号機の再稼働は許されないと質問しました。
東電に柏崎刈羽原発を運転する適格性があるのか追及しました。規制委「炉規制法上“技術的能力”なしとは言えないと判断した」と答弁。しかしそれは他の電力会社でも審査するものであり、それを以て適格性ありとは言えない。むしろ、再稼働のお墨付きを与えただけだ。
東電は、緊急時対策所を隣接する5号機内に設置計画だが、来年竣工で高台に作る計画も。これは審査書案にも出てこない計画。その方が安全と考えるなら、申請は取り下げるべきだ。
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議事録
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
今、全国各地で原発の再稼働、また運転開始から四十年超えた老朽原発の二十年運転延長など問題がありまして、国民の中で不安が広がっております。今日は、新潟県にあります東京電力柏崎刈羽原発について質問をさせていただきたいというふうに思います。
規制委員会は、この柏崎刈羽原発のいわゆる再稼働申請の調査に関わって東電に適格性ありとする判断を下しました。しかし、これは非常に重大だと思います。東京電力は福島第一原発事故の当事者でありますし、もし再稼働となればこれは沸騰水型では初めてのケースということにもなりますので、この再稼働はそういった面で他の原発の再稼働とは質的に違う意味合いがあるというふうに思います。
問題は、東京電力は福島の原発事故の根本的な原因の究明はいまだにできていないということだと思います。福島第一の廃炉も見通しはまだ立っていない。しかも、被災者の皆さんへの賠償は打ち切っていくということになっていく。これは許せないという福島の皆さんの思いは当然だというふうに思います。
それから、新潟県の皆さんからしても、東京電力はこれまでも、データの捏造と隠蔽だとか、メルトダウン隠しだとか、免震重要棟が基準地震動に耐えられない、そういうデータがあったにもかかわらず隠していた、こういうこともありました。先日も、防火壁の貫通部が塞がれていない箇所が六十か所も見付かったということもありました。新潟の皆さんは、その都度反省や再発防止ということを言われてきたけれども、まさに裏切られてきた、だまされ続けてきたと、そういう思いをお持ちだというふうに思います。
こういう東京電力の実態を見たら、東京電力に原発を運転する適格性はない、これは明らかだというふうに思いますが、規制委員会、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会は、東京電力が福島第一原子力発電所事故を起こした当事者であることを踏まえ、審査会合における技術的審査に加え、東京電力に柏崎刈羽原子力発電所を設置し及び運転をすることにつき必要な安全文化その他の原子炉設置者としての適格性を有するかどうかについても特に審査することといたしました。この審査は、原子炉等規制法に定める許可の基準のうち、発電用原子炉を設置するために必要な技術的能力、運転を適確に遂行するに足りる技術的能力に係る審査の一環として行ったものでありまして、通常より深掘りをして調査をしたものであります。
具体的には、本年七月と八月に東京電力の経営陣と意見交換を行い、同社の原子力発電事業に取り組む姿勢を確認をいたしました。また、本年七月に田中前委員長と委員一名が柏崎刈羽原子力発電所を訪れ、発電所長や現場の職員から安全確保に関する考え方などについて聞き取りを行いました。
これらの確認の結果、原子力規制委員会は、東京電力については、柏崎刈羽原子力発電所の運転主体としての適格性の観点から、原子炉を設置し、その運転を適確に遂行するに足りる技術的能力がないとする理由はないと判断をいたしたものであります。
○武田良介君 それでは国民の皆さんが納得していないということだと思うんです。
もうちょっと具体的に聞きます。
東京電力、二〇〇二年にデータの捏造、隠蔽という問題がありまして、その後、その対応策として、言い出す仕組みというものを含めた幾つか対策案、取り上げております。資料にも付けてあります。
しかし、問題は、そうした言い出す仕組みだとかこういったものも含めて、そうした対応がその後に生かされたのかどうかということだと思うんです。福島第一の事故の際にはメルトダウンの隠蔽の問題というのが起こりました。メルトダウンという判断をすることができたのに誰も言い出さなかったということがあったわけです。
これも資料の二枚目に付けておりますが、新潟県に設置されています検討委員会の一つである技術委員会とそれから東京電力、合同検証委員会というのが行ったアンケート結果があります。ここでは、メルトダウンの判定基準があると知っていたというふうに四・九%の方が答えている。しかし、結果は現実のとおりですので、メルトダウンという判断はされない、炉心溶融に至って、基準があったことも隠蔽されたということになっているわけです。
言い出す仕組み、これは反省の上につくられたはずですが、これ生かされていないというふうに思いますが、東京電力、いかがでしょうか。
○参考人(文挾誠一君) 東京電力ホールディングスの文挾でございます。本日はよろしくお願いいたします。
福島第一原子力発電所の事故から六年九か月が経過いたしましたが、今なお発電所周辺の地域の皆様、広く社会の皆様に多大な御負担そして多大な御心配をお掛けしておりますことを改めて深くおわび申し上げます。
それでは、今御質問のありました、教訓が生かされているのかということに関しましてお答えを申し上げたいと思います。
当社は、二〇〇二年の原子力不祥事以降、再発防止を図り、信頼の回復に向けまして全社を挙げて、しない風土、させない仕組み、言い出す仕組みの取組を継続してきております。しない風土といたしましては、企業倫理遵守に向けまして研修を実施し、社員の意識改革を図るとともに、させない仕組みとしましては、規程、マニュアルの整備、それと内部監査機能の充実、そして言い出す仕組みといたしましては、個人、職場が悩みを抱え込まないように社内のコミュニケーション活動を充実させる取組を実施してまいりました。
それらの取組により企業風土は着実に改善してきているものと考えておりますが、引き続き、これらの取組につきましては、マンネリ化せぬよう、陳腐化しないよう、工夫を重ねまして、企業倫理遵守を徹底してまいりたいというふうに考えております。
なお、新潟県の皆様を始めとする社会の皆様に御心配と御迷惑をお掛けしてしまいました免震重要棟の問題につきましては、隠蔽や改ざんの意図はございませんでしたが、審査会の場におきまして解析の目的、それと前提条件を十分に説明せずに審査に混乱を招いてしまったことは、改めておわびを申し上げたいと思います。
以上でございます。
○武田良介君 実態がもう全て物語っていると思うんです、繰り返されてきたわけだから。だから私は、これ対応全然できていないというふうに思います。
規制委員会にお聞きしたいと思いますが、なぜ他の原発と違って今回、適格性ありという判断をするのか。やっぱりこれ当事者だから、福島の事故の当事者だからだと思いますし、何より国民が納得できないからだというふうに思います。
しかし、逆に言うと、今回、規制委員会が適格性ありという判断をすることが再稼働に向けてお墨付きを与えることになっているんじゃないか。そういう自覚はあるのかどうか、端的にお答えください。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会は、原子炉等規制法に基づき、原子力発電所の基準適合性などを科学的、技術的に厳格に確認することを役割としておりまして、再稼働について申し上げる立場にはございません。
適格性の確認については、原子炉等規制法に基づき、発電用原子炉を設置、運転するに足りる技術的能力に係る審査の一環として行ったものでありまして、先ほどお答えしましたとおり、東京電力については、柏崎刈羽原子力発電所の運転主体としての適格性の観点から、原子炉を設置し、その運転を適確に遂行するに足りる技術的能力がないとする理由はないと判断したものであります。
○武田良介君 認識がないということが私非常に問題だと思います。
規制委員会が出しました適格性についての確認結果というものですか、あの文書を私も見ましたが、入口は確かに適格性を審査すると書いてありますけど、出口のところは、結果のところは技術的能力ありという結果になっています。技術的能力ありというのは、今お話があったとおり、炉規制法の関係でどの原発でも審査することですから、その同じ結論を適格性ありという文書でわざわざ出しているわけだから、これはお墨付きを与えることにやっぱりなるというふうに私は思います。規制委員会の姿勢を厳しく批判させていただきたいというふうに思います。
緊急時対策所についても伺っていきたいというふうに思います。
私も以前、この環境委員会でもお聞きをさせていただきました。結局、シビアアクシデントが起こった際に、対策本部、百四十平米で八十六人が作業するということに計画になっています。一人当たりにしたら一・六平米ほど、縦横一・二六メートルほどのスペースしかないところで作業する、そういう計画、これは何ら変わっていない、そういう審査書案が出ておりました。
こんな狭い部屋しか用意できずに、これで事故対応すると。これ、やっぱり大問題じゃないかと思いますが、規制委員会、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 五号炉原子炉建屋内にある緊急時対策所につきましては、作業卓や情報通信設備などの緊急時対応に必要な資機材を全て設置した状態で、緊急時に対応要員が重大事故等に対処するために必要な作業を行うことができる十分な広さを有する設計であることを確認しております。ちなみに、私も現地に赴きまして実地で確認をしております。
○武田良介君 私も現地へ行きました。狭いと思いました。十分これ認識持っていただかないと大問題だというふうに思います。
これ東電にお聞きしますが、東電もこの緊対所については問題ありというふうに考えていると思うんですね。少し振り返りますけれども、この六号機、七号機の再稼働、今議論している再稼働、元々どこに緊対所を置くのか、免震重要棟に置こうという話があった。でも、これ基準地震動に耐えられないという話になって、三号炉建屋内の緊対所を設けようとした。でも、これも液状化で駄目だという話になって今の五号炉です。
この五号炉、これまで二度も計画変更してきたから、もうこの五号炉建屋内で何とか審査通したいというふうに思っておられるのかもしれませんが、これも狭いだとかいろいろ問題を指摘されている。だから、今東電は、審査にかけている五号機建屋内の緊対所、これとは別に、七、六、五号機の陸側にある高台の上に別の緊対所を造る、そういう計画を持っている。
昨年の十二月十五日の審査会合の議事録、今日の資料にも付けました。これ見ましても、川崎課長補佐、この方が、「やはり三号緊対に比べて五号緊対が大分、気密、ボンベ加圧するのを除いて、大分見劣りすると言わざるを得ない。」と。五号機の緊対所がこれまでの計画より見劣りするということを言って、これまでの東電の資料は、たしかそういう大湊側、大湊側というのは七、六、五号機が設置されている側ですが、そこの高台に設置予定というふうにされていたねと、平成三十年七月竣工予定と、資料にはたしかあったなということを照会して、東電が特に変更はございませんということで言っております。平成三十年、来年の七月の竣工予定だと。
この高台に新しい緊対所を造るという計画は東電自身が五号建屋内の緊対所では十分対応できないと認識しているからじゃないでしょうか。東電、端的にお答えいただきたい。
○参考人(文挾誠一君) ただいま五号建屋内に造る緊急時対策内では不十分ではないかという御質問をいただきましたのでお答えさせていただきます。
今般、柏崎刈羽原子力発電所の緊急対策所といたしまして五号炉建屋内に設置をいたします緊急時対策所は、規制基準への適合のために遮蔽とか空調、そういう居住性設備、それとプラント情報把握のための設備、それと通信連絡のための設備、それと電源設備といった緊急時対応に必要な設備を設置するため、安全面で劣るということは考えておりません。高台に設置を予定しております大湊側の緊急時対策所は、より確実な災害対策を行うために新たに設置するものでございます。
以上でございます。
○武田良介君 私は、結局早く再稼働したいという思いが東京電力にあるというふうに思います。
高台の上に造るということになれば、今建物何もないところですね。そこに建てるというわけですから、一から工事しなければいけない、更に時間が掛かる。その緊対所で今回の審査パスしようなんということは、再稼働早くやりたいということからはもう待てないと、結局そういうことだというふうに思います。
そういう、さっきも紹介しましたけれども、三号炉の緊対所より見劣りするともう審査会合でも言われているわけだから、そんなことで審査通すなんというのは、世界最高水準の安全基準なんということは絶対に言えないと思うし、そんな審査は絶対通してはならないということを言っておきたいというふうに思います。
緊対所が五号建屋内に造られること自体、大問題だというふうに思います。七、六、五、この三つの原子炉が隣接しているわけです。今回の審査は七、六号機での再稼働を審査しているものですが、もし事故が起こったとすれば、すぐ隣の五号機建屋内、ここの緊急時対策所を本当に使えるのかどうか、この基本的な懸念は拭えないというふうに思います。東京電力、いかがですか。
○参考人(文挾誠一君) ただいま五号緊対の場所、立地につきまして御質問をいただきました。お答えさせていただきたいと思います。
五号炉の緊急時対策所は、六、七号炉に近いため、事故が発生した場合は確かに放射線の環境が厳しくなります。ただし、その際にも、事故への対応に支障を来すことのないよう、防護対策を講じる設計といたしております。
具体的には、六、七号機で同時に事故が発生し放射性物質の拡散を伴う事態に至った場合におきましても必要な居住性を確保することができるよう、緊急時対策所内を清浄空気で加圧をいたしまして放射性物質の侵入を防止する装置、これを陽圧化装置と申しますが、これを設置するということとともに、遮蔽についても増強する計画としてございます。
一方、五号機の緊急時対策所が六、七号機に近いということは、事故が発生した場合の現場対応を迅速に実施することができるということでもございます。事故への即応性が高まるという点ではメリットがあるというふうに考えております。
以上でございます。
○武田良介君 メリットを強調されましたけど、しかし、放射線量が高いということがあるということも前段におっしゃいました。結局デメリットだってあるわけです。そういうデメリットもあるけれどもこれで大丈夫ということであれば、それはやっぱり安全神話の復活ということになりますから、やっぱりこの問題は本当に正面から認識していただかなければいけない。
規制委員会にもお伺いしたいと思うんですが、福島第一の事故の原因、これ明らかになっておりませんが、一号機から四号機まで、それぞれ大きな被害を受けました。地震によるものかどうかも津波によるものなのかも、水素爆発なのか何なのか、まだ全て明らかになっていないわけです。こういう現実見ても、七、六、五、隣接してそのまま再稼働するものとすぐ隣の緊対所、これでいいのかどうか、規制委員会、どうですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 当該審査におきまして、この五号炉に設置する緊対所の審査に当たりましては、六号炉及び七号炉が同時に東京電力福島第一原子力発電所事故と同等の規模の放射性物質を放出すると仮定をしまして、五号炉の原子炉建屋内にある緊急時対策所について居住性の評価を行いました。
この際、五号炉については、その炉心に燃料が装荷されておらず、一方、使用済燃料プールにはその最大貯蔵量の使用済燃料が貯蔵されているものと仮定し、さらに、使用済燃料プールの水位が十分に確保できない場合も考慮して、プールの水による遮蔽効果には期待せずに五号炉緊対所で活動する要員等の被曝評価を行っております。要するに、六号炉、七号炉は1F事故並みの事故を発災し、五号炉の使用済燃料プールは水が抜けた状態です。
こうした厳しい条件下で五号炉緊対所の居住性評価を行った場合でも、同緊対所で活動する要員等の実効線量が事故発生後七日間で百ミリシーベルトを超えないことを確認しております。
○武田良介君 線量が高いということの話はありましたけれども、しかし、事故原因究明されていませんから、何がどうなるか分からない、それ以外の事態だって幾らでも想定されるものがたくさんある。今の答弁では国民の皆さん全然納得できないというふうに言っておきたいと思います。
事故となれば避難もしなければなりません。私、先日、新潟県に行きまして、県当局の方にもお会いをしてお話を伺ってまいりました。新潟県では、本当にきちんとした避難計画作ろうと思ったら、どうしても市町村や県だけでは対応できない、国に対応してもらわないと避難計画を作れない、幾つかの問題を指摘されておりました。
その一つに、避難時に使用するバスの運転手さんをどうやって確保するのかという話もありました。もちろん、そもそもバスの運転手さんが足りないという話があります。千三百台必要だという推計されているそうですが、千三百人いない。さらに、労働安全衛生法があるので、シビアアクシデントが起こった際、線量の高い地域にバスの運転手さんを派遣することができない、こういう話もありました。
こういう新潟県の声にどう応えていくおつもりか、大臣、いかがですか。
○国務大臣(中川雅治君) 原子力災害時の住民避難に必要な輸送手段の確保につきましては、各自治体とバス会社等による緊急時の協力協定の締結や、その実効性向上等に向け、内閣府としても支援を行っているところでございます。労働安全衛生法等の改正という形ではなく、内閣府としては実質的に様々な対応をしているところでございます。
具体的には、バス運転者等の防災活動に協力してもらう者の線量管理の目安として一ミリシーベルトを基本とすることや、被曝線量の管理方法を取り決めておくこと等、協力協定で定めておくべき内容についてのマニュアルの作成や、自治体が行うバス運転者等向けの防護服や個人線量計等の防災資機材の整備の支援、原発立地地域等において、原子力災害時の住民防護活動に携わるバス運転者等向けの研修を実施しております。
今後とも、原子力災害時の住民避難に当たってバス会社等の協力がしっかり得られるよう、地域原子力防災協議会の枠組みの下、関係自治体とも連携しながら取り組んでまいります。
○武田良介君 これ、全国知事会からも繰り返し要望も上がっているというふうに思います。今日、資料の方にも付けておきましたけれども、例えば、資料のエというところに項目があります高線量下での災害対応に係る法整備だとか、それから、私も聞きましたけれども、カ、行政区を越える広域避難、これを円滑に実施するために国が主体的に取り組むことなどが全国知事会からも求められております。
そういう関係からも非常に大事な問題だと思いますが、避難計画の策定というのは、全国の自治体そして住民が直面している大問題だというふうに思います。それだけに、立地自治体だけではなくて、事故の際には風向きで大きな影響が出ることが予想される地域、せめて三十キロ圏内の自治体の声を聞いてほしいという声もあるというふうに思いますけれども、大臣、こうした声にどうお応えになりますか。
○国務大臣(中川雅治君) 避難計画の策定に当たりましては、内閣府が地域ごとに設置いたしました地域原子力防災協議会の枠組みの下で、これは立地自治体のみならず、今御指摘のおおむね三十キロメートル圏内の関係自治体と国とが一体となって検討を進めているところでございます。ですから、三十キロメートル圏内の自治体の声を聞くというか、もう一緒に一体となって検討を進める、そういう形でやっております。
今後とも、立地自治体以外も含め、地域の声をしっかりお聞きし、住民の皆様の安全、安心を第一に、避難計画の具体化、充実化に政府一丸となって取り組んでまいります。
○武田良介君 きちんとした避難計画が作れるかどうか、国が対応しなければならない課題ということも具体的に声が上がってきているわけですので、そういう避難計画ができなければ、これはやっぱり再稼働どうなのか、認められないと、そういう強い立場で取り組む必要があるということを言っておきたいと思います。
最後に、時間の限りですが、新潟の柏崎刈羽原発の地層について若干お伺いしたいと思います。
まず、規制委員会に確認したいと思いますが、そもそもこの新潟の柏崎刈羽原発の地域、海の浸食なんかによってできる海成段丘、海岸段丘といいますが、そういう段丘が広く分布している地域ということで間違いないか、規制委員会、どうでしょう。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 柏崎刈羽原子力発電所近傍の内陸側にかけて広く海岸段丘が分布していますが、発電所敷地内には海岸段丘は確認できないものと承知をしております。
○武田良介君 周りに分布しているということでした。
資料に付けましたけれども、海成段丘というのはその堆積年代によって地層がつくられています。最も古い年代が高位段丘、大体二十万年から二十四万年前、それから中位段丘、十二万年から十三万年前に堆積した層、これ安田層というふうに言います。東京電力もこういう状況だということをこれ認識されている。原発周辺のこの中位段丘の上に柏崎刈羽原発が建っているということなんですね。その上で、断層のお話です。
柏崎刈羽原発の敷地内には断層が二十三本あると。今回の審査に係る断層は十二本あるというふうなことです。問題は、この断層が将来活動する可能性のある断層かどうかということです。平成二十五年の六月、新安全設計基準、将来活動する可能性のある断層として十二万年前から十三万年前の地層を挙げて、活動が否定できない断層がそれに当たるというふうにしている。十二万年から十三万年前というのは、全国どこでもその地層が広く見られるのでそこを基準にしているということでしたが、先ほどの海成段丘、この中位段丘が十二万年から十三万年前。審査書案ではこれは活動する可能性はないと評価したというふうに書いていますが、柏崎刈羽原発は十二万年から十三万年前の中位段丘の上にあって、そこに断層が見付かっているということになれば、これは断層が将来活動する可能性が否定できない断層だというふうになるというふうに思いますけど、いかがですか、規制委員会、端的に。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 御質問の中にもありましたように、断層の活動性評価は、評価対象の断層が十二から十三万年前以降に活動したか否かを確認するものであります。柏崎刈羽原子力発電所の敷地内断層の活動性評価では、断層が活動した後に堆積した地層の年代を二十四万年前のアタトイフラテフラなどにより確認するとともに、その地層に変位、変形がないことも確認し、敷地内断層が十二から十三万年前以降に活動していないことを確認しております。
○武田良介君 簡単に言えば、古い層だから大丈夫という話だったというふうに思いますが、本当にそうなのかということが今問題だというふうに思います。
新潟の方からもお話を伺ってきましたが、東京電力が新潟県の地元研究者の皆さんでつくる研究グループからこの問題を指摘されています、断層の問題。それに反論するチラシを資料の六に付けておりますけれども、東京電力が配付している、これ新潟県内に新聞折り込みなんかで七十五万部配付されているものだそうです。この資料にも付けましたが、チラシに書いてあるところ、活断層の可能性があるという御指摘がされています。研究会の皆様が発電所近くの柏崎市藤橋で調査したところ、約十二万年前から十三万年前に出てきた地面の下から発電所の火山灰と同じ主成分の火山灰が検出されたためというふうになっているというんですね。
この柏崎の研究グループが藤橋で見付けた火山灰層、これ藤橋40というふうに呼ばれている。原発の敷地内で見付かってきた火山灰層、刈羽テフラというものがある。東京電力は研究グループとともにそれらのサンプル、試料を互いに交換もして互いに分析し合って、それは同じ主成分持っているということを確認をしています。住民グループの皆さんは、藤橋40見付かったのは十二万年から十三万年前の層から見付かっているから、刈羽テフラも十二万年から十三万年前の可能性があるではないかというふうに指摘をされているわけです。
規制委員会に最後確認したいと思いますが、こういう重大な問題が今疑問として明らかになってきている。これまでの審査というのは基本的に東京電力からの説明、出された資料、それを基に審査しているというふうに思いますが、規制委員会自身がしっかり調査していく、それがやっぱり必要だと思うんです。この藤橋の地域へ行って一緒に見てくる、自分たちでも調査する、そういう再検証が必要だというふうに思いますが、いかがですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、先ほど私、お答えする中で、アタトイフラと申し上げてしまいましたけど、阿多鳥浜でしたので、これは訂正させていただきたいと思います。
お尋ねの刈羽テフラにつきましては、審査会合等において東京電力から説明は受けておりますけれども、敷地内断層の活動性評価の指標としましては、広域に分布するテフラである約二十四万年前の阿多鳥浜テフラなど、より適切な火山灰を指標として用いております。
したがいまして、現地調査においても、御指摘の藤橋40地点の露頭といった刈羽テフラに係る確認の必要はなく、活動性の指標に用いた阿多鳥浜テフラに係るボーリングコアなどを確認したと承知をしております。
○武田良介君 時間ですので終わりにしますが、東電の言うことだけをうのみにしていたらやっぱり駄目だと思うんですね。再検証していくということが本当に必要だと思います。
繰り返しになりますが、福島の原発事故の原因究明というのはまだ終わっていないわけです。その上で作られてきた新規制基準、それに照らしてこの原発は安全だろうということを幾ら言ってみても、誰も納得しないということになっていると思うんです。新潟県でも、原発の安全管理に関する技術委員会、それから健康と生活への影響に関する検証委員会、避難方法に関する検証委員会、三つの検証委員会が立ち上げられて、検証が終わらなかったら原発の再稼働の議論できないというふうに言っているわけです。これ新潟県の皆さんの思いだと思うし、全国の皆さんの思いだというふうに思います。
検証もなく原発の再稼働にひた走ることは許されないということを指摘をして、質問を終わりたいと思います。
関連資料
赤旗記事→「東電言いなりやめよ/参院環境委 武田氏が規制委批判」