国会質問

質問日:2018年 2月 7日  第196通常国会  国際経済・外交調査会

核抑止力政策再検討を ICAN川崎氏提言

参議院・国際経済外交調査会。ICAN国際運営委員の川崎哲さんらを参考人に質疑。「核兵器禁止条約は廃棄プロセスを持っている。NPTにはないため、核兵器禁止条約が出口戦略になる」と。日本は核兵器禁止条約に署名することに関する調査を行うことなどを提言。

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2018年2月7日 国際経済・外交に関する調査会参考人質疑 武田良介議員の質問

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 今日は三人の参考人の先生、貴重な御意見ありがとうございました。
 川崎参考人にお伺いをしたいと思います。
 昨年の七月に、国連加盟国百二十二か国の賛成で核兵器禁止条約が採択された。まさに歴史的な快挙だというふうに思いますし、歴史的転換点になる条約採択ではないかなというふうに思います。
 ICANのノーベル平和賞の受賞も心から祝福をしたいというふうに思います。今回の受賞の理由の中に、この核兵器の使用がもたらす破滅的な人道上の結末への注目を集め、核兵器を条約によって禁止するための革新的な努力をしてきたことというのが挙げられていること、私も非常に注目をしておりますし、今日も先ほどのお話で非人道性ということをお話しになられておられました。
 そこで、この非人道性を国際的な共通認識にしていくことの重要性をどうお考えであられるかということと、とりわけ日本では被爆者の皆さんがこの非人道性ということを訴えてこられた強いメッセージがあったというふうに思いますが、今後、被爆者の方が直接語り部として語っていくことがなかなかできないようになっていく状況あろうかと思いますけれども、そういう意味で、この核兵器禁止条約、私は大きな意味を持っているんじゃないかなというふうに思いますけれども、その点でいかがでしょうか。
○参考人(川崎哲君) ありがとうございます。
 今回の禁止条約は、核兵器が使われた場合の結末、何が起きるか、その非人道性ということをベースに国際人道法の考え方で作られた条約でありますので、それまでの核軍縮をめぐる、あるいは核軍備管理をめぐる議論の枠組みを大きく変えたわけであります。伝統的には軍事バランスの問題として軍備管理の協定が作られていたわけですけれども、誰の核兵器であろうとも使われたら大変なことになるという非人道性の観点での議論が高まったと、そのようなことを市民社会やあるいは核の被害者、広島、長崎の被爆者たちが頑張ってやってきたということで、ノーベル平和賞の受賞にもつながったということでありますし、国際的な議論が高まったということであります。
 ですので、この視点、誰が使おうと結末が大変であるというこの視点をきちっと維持していくことが、国際社会がこの核兵器に向かうときに、この議論をするときにぶれない一線になると思うんですね。そのようなぶれない線を出せるのは、やはり被爆国の日本であろうというふうに思います。
 先生おっしゃるように、実際にはもう八十二歳、平均年齢を超えた被爆者の方々が語っていくということが困難になっていきますので、むしろ今回作られた法規範を活用して、核の非人道性、これ使用されたら大変なことになるということの警告をしていくことを、むしろ日本の国の役割として運用し、発展していくということが求められていると思います。
○武田良介君 ありがとうございます。
 川崎参考人に引き続きちょっとお伺いしたいんですが、今後の課題という点ですけれども、それぞれの国が、今後、政策転換をしていく必要性もあろうかというふうに思っております。
 振り返れば、たしか南アフリカ、かつて核持ったけれどもそれを廃棄する、国際的な査察ですかね、受け入れていくという流れもあったかというふうに思いますし、今回の条約でも、NATO加盟国ではたしかオランダが参加をされていたかというふうに思います。
 そういった国々での変化ということも私注目しておりますけれども、今後の各国の政策転換の可能性、意見陳述の中では日本の立場をどうするのかということで具体的な提案もいただきましたけれども、各国の政策転換の可能性について御意見いただければと思います。
○参考人(川崎哲君) 今日の資料でもお示ししましたように、NATO加盟国の中でノルウェーとイタリアの両国が、このNATOの義務を果たしたまま核兵器禁止条約に入るということがいかにして可能か不可能かと、そのことについて調査するというプロセスを正式に議会の決議を踏まえて始めております。まだ結論は出ておりませんけれども、そういったことを真剣に考えておると。
 それから、御指摘のようにオランダも、NATO加盟国ではありますけれども、禁止条約の交渉には参加をしたということであります。
 スウェーデンの場合は、NATOの加盟国ではありませんが、NATOに比較的近い防衛政策を取っている国で、やはり同様の調査プロセスが始まっているということでありますので、米同盟国であるから一律に駄目だということではなくて、同盟とこの核兵器禁止ということをどういうふうに両立できるかということの真剣な議論がヨーロッパでありますので、これを日本でどのように同じような議論をしていくかということが大きな課題になると思います。
○武田良介君 もう一問、川崎参考人に。
 北朝鮮の脅威に対してということで、先ほどもお話がありました。これはやはり、今国民的にも非常に大事な論点になっているかというふうに思っておりますが、日本共産党はこの点でも、北朝鮮に核兵器の廃棄を迫っていく上でも日本も核兵器禁止条約に参加をしていく、もう日本も核抑止に頼るということではなくて平和解決を目指していくんだと、そういう立場に立つことが北朝鮮に対して核兵器廃絶を迫っていく、もちろん政治的にも論理的にも強い立場を持って迫ることができるようになるだろうというふうに考えておりますけれども、そういった点で、北朝鮮の脅威という点、もう一言いただければというふうに思います。
○参考人(川崎哲君) この北東アジアに非核兵器地帯をつくるという考え方が長く提唱されております。つまり、北朝鮮の核問題の解決のその先の姿として、地域の国々が非核化、地域として非核化するということであります。これは、今ある核兵器禁止条約に例えば北朝鮮、韓国、日本の三か国が同時に加入をすれば、そのような事実上の非核兵器地帯になるということであります。
 北朝鮮に関しては、さきに述べたように、国際監視下で核を放棄すると。そして、韓国と日本に関しましては、禁止条約に入れば、これらの両国の国土には核兵器を配備できない、あるいはそれらの国々は核兵器の使用を援助することができないということになりますので、地域の非核化が達成されるとともに核の脅威を大幅に削減するということに寄与しますので、もし日本が単独で今条約に加入できないのだという議論が強いようであれば、どうやって地域で同時に加入できるかということを追求することも一つの方法だろうと思います。
○武田良介君 今の点に関連して、アジア太平洋地域、東アジアというか、もう少し広げてアジア太平洋の地域ということで見ると、例えばインドだとかパキスタンだとかそういった国もある、正確な、正確なといいますか、核保有国五か国以外の国も含めて、持っているだろうと言われている国も見れば、非常にこのアジア太平洋の地域というのは重要になっているかなというふうに思いますけれども、もう少し視野を広げた点で何か御見解があれば。
○参考人(川崎哲君) 先ほど軍事費の話でアジアで増えているということを言いましたけれども、核兵器に関しても、インド、パキスタンまで視野に入れますと、このアジアの核保有国がどんどんと核兵器を増強させているという現実があるわけですよね。
 ですので、日本、朝鮮半島、こういった辺りから核兵器禁止条約にコミットしていくということによって、アジアでの核軍拡競争を抑制していくという措置をとらないといけないんじゃないかと思うんですね。今、北朝鮮の核に対して対応が必要だという議論に、その軍事的な議論に傾斜し過ぎてしまいますと、逆に現実に起きているアジアの核軍拡のサイクルというのを悪化させてしまうというふうに懸念しております。
○武田良介君 最後に、川崎参考人に一つだけ。
 先ほどの質問にもありましたけど、アメリカの核態勢の見直し、日本の態度についての質問があったんですが、この核態勢の見直しそのものについての評価といいますか分析といいますかがあればお聞きしたいと思います。
○参考人(川崎哲君) 核の役割を縮小するとかあるいは新型核を目指さない、そういったことを追求しないということは、実はこれまでのNPTの再検討会議の中で積み重ねられてきた合意でありまして、これ全会一致の合意ですから、アメリカ合衆国も拘束されているわけですね。
 ですので、今回のトランプ政権のNPRというのは、これまでのNPT合意とどう整合性が取れているのかということを恐らくアメリカ政府はこれ説明しなければいけなくなるわけでありまして、日本政府は、禁止条約は駄目だけれどもNPTは重要だと、NPTの下での核軍縮があるからそれが大事なんだというふうに言ってきた立場でありますので、NPTの下での軍縮合意と今回のトランプ政権の出してきている事実上の核軍拡のためのというふうに見える核戦略との整合性の議論が今必要になってくると思います。
○武田良介君 ありがとうございました。
 ずっと聞きたいことがあって、二人の参考人にはちょっと失礼しましたけれども、時間になりますので終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

(中略)

○武田良介君 山田参考人に一つお伺いをしたいと思います。
 お話の中でも、この国際協力での日本の果たす役割について重要だというお話がありました。質問といいますか、ちょっと私が聞き漏らしたのかもしれませんけれども、もう少しお話をお聞きしたいということなんですが、ジブチで自衛隊の活動が、中立的な対応ができ、非常に国際的に評価をされたという話がたしかあったかと思います。先ほどの話の中でも、攻撃的ではないだとか、脅しではないという話もありましたけれども、このジブチでの評価、大いに評価していただいたというのは、これは誰の発言なのかだとか、ちょっとそのジブチの話がもう少しお聞きできればというふうに思っています。
○参考人(山田吉彦君) 実際、私もジブチへ行ってまいりました。
 ジブチのこの発言に関しましては、まず、アメリカの研究者、そしてヨーロッパの研究者、具体的にイギリスの研究者ですね。そしてこれ、中国の研究者からもその発言というのを聞きました。
 一番はP3Cの運用ですね。空から見る、空から見てそれをできるだけ近くにいる警備機関に対して連絡をする、それを特定のチャンネルだけではなく、最も近くにいる警備船、各国の警備船に連絡をすることによって、より速やかな動きが取れると。空をP3Cが飛んでいることによって、それを見た海賊船が動きを閉ざしていく、もう引いていく、見られている以上は運用できなかったと。具体的に動いていることが見えておりました。
 そして、日本の対策、体制をよく分かっている、これは中国の研究者も言っているんですが、分かっている中で、自衛隊の船、艦船の上に海上保安官を乗せるというやり方で法的なクリアをし、実際に今、これは苦肉の策で、日本も海賊対処法に基づいてソマリア海賊を今法廷にかけて懲役刑執行しているところですが、そういう具体的な動きができたというところで日本は高く評価されている。実際に具体的な動きを取ったということが評価されています。
○武田良介君 ありがとうございました。
 川口参考人にもお伺いしたいと思ったことがあったんですが、他の先生の話で既にお答えいただいたものがありましたので、時間の関係で省かせていただきたいと思います。
 今日はありがとうございました。

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