国会質問

質問日:2018年 4月 13日  第196通常国会  災害対策特別委員会

地域の除雪体制 国の責任を果たせ!

参院災害対策特別委員会で質疑。私は、地域の除雪体制について質問しました。

今年の豪雪により、北海道や東北、北陸地方を中心に、国道の立ち往生はもちろん、県道や市町村道、生活道路の除雪が遅れ、市民生活に重大な影響が出ました。
全国的に、地域の建設業者が減り、除雪にあたるオペレーターが減り、業者は除雪機を維持することができず、機械もリースにするなどの状況が広がっています。

国は、豪雪地域対策基本計画というもののなかで「除雪体制の確保」を掲げています。

が!
まったく実効性のある計画になっていないことが、浮き彫りになりました。

除雪作業を請け負ったら赤字になるのでは担い手は増えません。しかし、国土交通省が地元建設業者と結ぶ国道などの除雪計画でも、利益になりにくい「除雪作業のみの契約(夏場の道路管理一般とセットの契約もあります)」、「単年度契約」が多いのです。
それが、今回大雪に見回れた福井県や石川県で非常に多いのです。そんな契約を国土交通省自身が結んでいて、どうして除雪体制の確保ができるのか。

長野県では、利益にならない悩みは同じだけれども、何とか除雪体制を確保しようという取り組みもありましたから、国は地方公共団体の取り組みを財政面も含めて支援すべきですし、実効性のある計画をもち、国の責任を果たせ!と求めました。

福井県や金沢市でお聞きした実態を紹介し、力を込めて質問しました!直ちに支援する、という答弁が出たわけではありませんでしたが、与党議員も含め、「その通りだ」と声をかけていただき、切実な問題に一石投じることができたかな、と思います。引き続き、取り組みたいと思います。

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除雪遅れ 民間任せ原因

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 島根県で発生した地震、また大分県の土砂崩れで亡くなられた方にお悔やみを申し上げたいと思いますとともに、被害に遭われた皆さんに心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
 北海道や東北、北陸などを中心に発生した豪雪被害についてお聞きをしたいと思います。
 除雪が追い付かずに国道での立ち往生はもちろんですけれども、県道や市道、それから生活道路でも除雪が遅れて市民生活に支障が出る事態が各地で発生をいたしました。こうした除雪が遅れる問題の背景に地元建設業者の皆さんの実態があるというふうに思います。当委員会で福井県に伺いましたし、私自身も石川県の金沢市の方に伺ってお話を聞いてきましたので、そういった中身を中心にお伺いしたいと思います。
 まず、国交省にお聞きしたいと思いますが、地域の建設業者が減って、除雪作業に当たるオペレーターの方も減る、除雪機械も台数がどんどん減っていく、こういう現実がある下で、除雪体制の確保というのが今全国各地で切実な課題になっているというふうに思います。その体制が弱まっている下で今回の豪雪被害が出ていると。国は、じゃ、何をもってこれに対応するのかと。
 国交省が豪雪地帯対策特別措置法に基づいて豪雪地帯対策基本計画というのを策定しているというふうに思います。ここに除雪に関わる部分がありますので、簡潔に要点を御紹介ください。
○政府参考人(小原昇君) お答え申し上げます。
 豪雪地帯対策基本計画は、豪雪地帯対策特別措置法に基づき、国が豪雪地帯における雪害の防除、その他積雪により劣っている産業等の基礎条件の改善に関する施策の基本として、交通、通信の確保に関する事項、生活環境施設の整備に関する事項などを定めているものでございます。
 本計画におきましては、道路の除雪体制の確保につきまして、日常生活の基盤となる主要な市町村道から国土構造の骨格を形成する高規格幹線道路に至る路線においては、各道路管理者間で整合の取れた除雪体制の確保を図り、除雪事業の効率的な実施に努めること、除雪作業の一層の効率化等のため、道路管理者等関係機関相互の情報共有の強化を図ること等が記載されております。
 また、集落内の日常生活道路につきましては、沿道条件や地域条件に応じた消融雪施設の整備を行い、住民の協力の下に道路交通の確保を図る旨が記載されているところでございます。
○武田良介君 除雪体制、これ除雪機械、人員及び施設の確保を図ると。そこまで含めて確保を図ると書いてあるわけですね。
 ちょっともう一つ、もう少しこの基本計画について確認しておきたいんですが、この部分は前回の見直しで追加されたというのを昨日もお伺いをしました。これ、なぜ追加されたのか。それから、除雪体制の確保のために、じゃ、具体的にはいつまでに何をするのか、どういう計画があるのか、昨日もちょっとお聞きしましたけれども、もう少し御説明いただけますか。
○委員長(河野義博君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(河野義博君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(小原昇君) 追加になった部分でございますけれども、集中的な降雪により走行不能となる車両が発生した際に迅速な道路交通の確保を図るために、通行止めによる集中的な除雪を行うなどにより、後続車両による連鎖的な滞留の回避に努める等の部分が追加になったところでございます。
○武田良介君 具体的な計画をということも昨日もお聞きしたんですが、なかなかこれ具体的な計画というのは出てこないんですね。
 では、現場では、その除雪体制の確保ということは言われているんだけど、現場ではどうなっているのかということをお聞きしていきたいと思うんですね。
 地域の道路の維持管理業務の中での除雪業務については、やはりその除雪体制、除雪出動体制の維持、そのための費用負担というものがありますし、降雪量の極端な変化がある下で、その利潤の確保ができなければ、なかなか、除雪作業に当たることができる建設業者が減っていくという事態になっていると思うんですね。
 オペレーターの不足も言われております。オペレーターの高齢化について、二〇一五年に国交省が調査をしていると思います。六十一歳以上のオペレーター、どれぐらいいるのか御紹介ください。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 国土交通省の調査では、除雪オペレーターの六十一歳以上の割合は、平成十年三%から平成二十七年一九%に増加をしているところでございます。
○武田良介君 もう明らかに高齢化しているんです。私が伺った金沢市でも、新しい人入れるけれども、オペレーターですね、経験不足から、国道や幹線道路除雪、一回でうまくできないから二回目の除雪を行わざるを得ないと。そうすると、除雪計画上優先順位の二番目、三番目、四番目、五番目となっていくところが更に除雪が遅れていくと、そういう状況が発生しているということもお聞きをしました。オペレーターの確保というのは非常に大切だというふうに思います。
 除雪作業に当たれる建設業者を確保するためには除雪作業で赤字にならないことが必要だというふうに思うんですが、しかし、現場ではそう簡単ではないと思うんですね。利益が出ない理由に、国交省や道府県それから市町村などの発注者と建設業者が結ぶ契約内容の問題というのがあると思うんです。
 例えば、維持管理業務の中でのこの維持工事と除雪の合併の契約になっているのか、また除雪のみの契約かと、これによっても利益があるかないか、全く違う状況だということなんですね。当然、除雪のみの契約の方が大変になるわけです。雪が降らなければ出動体制を取るその固定費が掛かってくる、その部分が持ち出しになるということもあって、業者としてはなかなか利益にならないと。
 全国建設業協会が除雪業務に係るアンケートというのをまとめて公表されています。昨年、二〇一七年の十月の報告書を見ると、国土交通省が発注者で、北陸地域、これは新潟県と富山と石川、福井県は含んでいないわけですが、その北陸地域の業者と結んでいる契約を見ると、一〇〇%除雪のみになっているんですね。
 これはなぜなのかということをお伺いしたいと思うんです。ほかの雪の多い北海道とか東北では一〇〇%合併契約になっているんです。何で北陸は一〇〇%除雪のみなんですか。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 直轄の道路除雪の発注に当たっては、地形や気象などの地域の実情を踏まえ、その業務量の規模に応じて受注者が人員や機械を安定的に確保できるよう、建設業界と意見交換をしながら、単体で発注するか、維持工事に含めて発注するかを決定しているところでございます。
 北陸地方は日本有数の豪雪地帯であり、多様な地形や気象の状況に応じて確実な除雪を行うため、地元の建設業界の意見も踏まえつつ、原則として除雪を単体で発注しております。
 引き続き、地域の実情や建設業界の意見等を踏まえつつ、適切な発注に努めてまいります。
○武田良介君 いろいろおっしゃるんですけど、現実見るべきだと私は言いたいと思うんですね。
 金沢市では、金沢市から資料をいただきましたけれども、建設業者やオペレーター、除雪機、それぞれやっぱりずっと減っているんですね。平成二十年度、民間委託による除雪機の台数、これ、平成二十年度は九百八十二台あったそうですけれども、平成二十九年度は六百九十一台、大体三百台減っているわけです。
 雪が多い地域だから、それぞれの実情、特性にという話がありましたけど、合併契約じゃなくて除雪のみの契約でも利益が出るというふうにお考えなのか。私はそんな現実ではないというふうに思いますし、ちなみに、これ二〇一六年の報告書、これ、福井県も一〇〇%除雪のみの契約になっていると、もちろん建設業協会のアンケートですけれども、そういうふうになっているということは指摘をしておきたいと思うんです。
 契約について、単年度の契約か複数年度かということも問題だと思うんですね。
 二〇一六年度の報告書を見ますと、国土交通省との契約で、群馬県とか静岡県とか岐阜県、それから石川、福井、こういうところにおいては、これも一〇〇%単年度の契約になっているんです。これ、単年度の契約でどんな声が寄せられているかというと、単年度では設備投資や人材の確保、育成の計画が困難になる、複数年契約にすると路線、地形、住民の意見などを把握でき、苦情を減らすことができるという声が寄せられているわけですね。
 複数年契約の方が望ましいというふうに、国交省、お考えになりませんか。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 一般的に、複数年契約をした場合には、経営の安定化、人員、機械の効率的運用、ノウハウの蓄積などの面において効果が期待できるというふうに考えられます。直轄の道路除雪や維持工事の発注に当たっては、さきにも述べたとおり、地形や気象などの地域の実情を踏まえ、その業務量の規模に応じて受注者が人員や機械を安定的に確保できるよう、建設業界と意見交換をしながら、単年度又は複数年などの適切な契約期間を設定しているところでございます。
 引き続き、地域の実情や建設業界の意見等を踏まえつつ、地域の建設企業が将来にわたって地域の守り手として除雪を始めとした役割を担えるよう、適切な発注に努めてまいります。
○武田良介君 いや、ですから、やっぱり複数年度であれば人材育成だとか体制確保ということに資するわけじゃないですか。でも、実際にはそうなっていなくて、そうしてほしいという声があるわけですよ。
 具体的に声を聞いてやっていくというんだったら、複数年契約でやっていくと。国土交通省と業者の契約ですよ、都道府県とかじゃないです、国土交通省のものでそういう声もあるはずなんです。やっぱり複数年度の契約に、じゃ、したらいいんじゃないですか。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたとおりでございますが、地域の実情、それから建設業界の意見をしっかり聞きながら、適切な発注に努めてまいりたいというふうに思います。
○武田良介君 アンケート見ると、道府県や市町村との契約でも声は出てくるんです。道府県や市町村はそれぞれの財政的な事情もありますので、建設業者にとって十分な契約となっていないということも指摘がされております。
 例えば単価契約では、稼働時間が少ないと機械の維持費も捻出できない、保有機械に応じて最低補償料金があるとよいという声だとか、市町村の単価が安いと、国並みの単価にしてほしいと、こういう声もあるわけですね。各道府県だとか市町村の契約はもちろん様々あると思います。
 国は、こうした単価が安くて利益が出ないという地域の除雪作業を支えている業者のこの実態、これを把握しているのかどうかと。現場の実態をつかんでいるのか否か、これ是非端的にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。
 先ほど来引用いただいております平成二十九年十月に公表されました全国建設業協会のアンケート調査の結果におきまして、例えば除雪業務における待機費用、機械維持費用等に関しまして積算と実態の乖離が大きいといった指摘があることについては承知をしてございます。
○武田良介君 承知をしているかというか、具体的に現場の実情をつかんでいるのかということをお伺いしたんですが、いかがですか。アンケート承知しているかじゃなくて。
○政府参考人(田村計君) 先ほど来、五道審議官からも御答弁をしておりますけれども、建設業団体と、それから国、地方公共団体の発注者につきましては、各ブロックごとに発注者の協議会等を通じまして意見交換、除雪のことだけに限ったことではございませんけれども、そういった意見交換をする場は設けておりまして、そういった中で、どういった発注形態がその地域の健全な建設業の維持につながるのかということについては十分意見交換をこれまでもしているものと認識しております。
○武田良介君 具体的な実態はということですけど、一つも、こういう声がありますとか私もこういうことを見たというの、一つも出てこないんですよね。
 今日の午前中からの質疑の中でも、先ほどの答弁でもそうですけれども、単年度よりは複数年度の方がいいだとか、年間通じた契約の方が除雪のみの契約よりいいと考えられるだとか、そういった答弁ありましたよね。その割には実際の実態もつかんでいないし、国土交通省が建設業者とやっている契約でも実態と違うものがある、しかもつかんでいないということで、私は、本当にそれで基本計画に掲げた除雪体制の確保ということができるのかということを私は本当に感じるわけです。
 努力している自治体はあるんですね。長野県の建設業協会に行ってお話を伺いました。長野県は、北部の方の豪雪地帯もあれば中部とか南部の方の比較的雪の少ない地域もあります。そうした地域差がある中で、道路維持補修業務の民間委託箇所というのを細かく分類をして、県の建設事務所ごとに県や市町村や警察などで除雪連絡会議というのを新たに構成して設置して、地域ごとの除雪体制の連携を強化するということをやっているんですね。こういう努力を応援していくということは、今問題になるこの豪雪対策上非常に重要だというふうに思うんです。こうした取組をもっと横展開して知らせていくことも大事だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(秋本真利君) 地域の建設企業は、除雪を始め防災・減災、老朽化対策等メンテナンスなど、地域の守り手として非常に重要な役割を担っていただいております。こうした企業に継続的に活躍していただくことが重要だというふうに思っているところでございます。
 また、地方公共団体を含めた工事等の発注において、入札時の適切な地域要件の設定などによる地元企業の受注機会を確保すること、地域の実情に応じて通常の道路維持等の業務と冬期における道路除雪業務の包括的発注や複数年契約の導入などを通じ、地域インフラの維持管理等の担い手を計画的、安定的に確保すること等に取り組むとともに、こうした地方公共団体における取組事例について、委員おっしゃるとおり、横展開していくよう情報提供等を図ってきたところでございます。今後ともしっかりと努めてまいりたいというふうに思っております。
○武田良介君 長野県では、県が発注金額を積算する際に、除雪重機の固定費として、稼働時間とは別建てで除雪機械の管理費というのを払うようになっているんですね。仮にワンシーズン雪が降らなかったとしても、リースなどで確保した重機の固定費を、その一部を補償できる仕組みになっております。
 国は県が行うこういう独自の対策に対して補助などを行って応援していくべきではないかというふうに思いますけれども、これ、政務官、いかがでしょうか。
○大臣政務官(秋本真利君) 先ほども申し上げましたとおり、そうした好事例につきましては、長野県のみならず全国的なものについて我が省でも情報収集に努めまして、先ほど申し上げましたとおり、横展開を図っていく等の情報提供をしっかり図っていく等の取組を積極的に今後とも行ってまいりたいというふうに思っております。
○武田良介君 待機だとかその機械の維持管理ということに対してお金が非常に掛かる、そこが赤字になっていく、そこに対してどう支援をできるのかと、これ本当に知恵を絞る必要があるというふうに思うんですね。
 長野県からも資料いただきましたけれども、例えば、除雪機械のリース料と、今言いましたその県の機械管理費という、これ比較すると、リース料の五割ぐらいを、例えば除雪ドーザー七トンという除雪機の場合、五割ぐらいを賄えたという事例もあるようですし、除雪グレーダー三・一メートルという、まあ種類があれですが、除雪機の場合にリース料の約八割がこれで賄えたという、そういう実績もあるようなんですね。こういう努力があってこそ除雪体制が維持できるんだということを私強調したいと思うんです。
 金沢市で伺いましたお話ちょっと紹介しますが、地域の生活道路の除雪について、住民自治協議会だとかそういった単位で住民の皆さんがお金を出し合って、何百万円というお金を積み立てて、いざとなったら建設業者に除雪を依頼するということで、そういう方式を取っているということをおっしゃっておりました。当然、私、その金沢の枠組みがいいとか悪いとかそういうことを言うつもりはありませんが、実際には、その金沢市で生活道路の除雪ができなかったという実態に至ったわけですね。業者全体が減っている下で、依頼してもなかなか来てくれない、順番待ちだという状況になったわけです。で、結局、その市の除雪計画にあった一次から五次路線までありましたけれども、なかなか除雪ができなかった。
 除雪の体制や枠組みは自治体ごとに違って当然だと思うんですが、今回の豪雪を受けて国はどんな、どのように教訓をつかんでいるのか、それぞれの地域で何が困難だったのか、どんな教訓があるというふうにお考えなのか、これ、いかがでしょうか。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
 通勤通学などの生活交通を確保するためには、生活道路である市町村道の通行を確保する必要がありまして、県や市町村は、自ら管理する道路の除雪計画を策定し、これに基づいて必要な道路の除雪作業を行うこととなります。
 本年二月四日からの降雪は、五六豪雪以来の記録的な大雪になりましたことから、福井県の事例御紹介させていただきますけど、福井県内の生活道路では除雪作業が十分進まず、雪が道路に残った状態が続きました。福井県が主宰をしまして、県内の五市二町と国土交通省が参加した調整会議におきまして、市、町が自ら管理する道路について、除雪の優先順位を付け、その作業において除雪機械やオペレーターの確保などの支援の申出がございましたので、国土交通省は約二百キロメートルの生活道路の除雪を支援をいたしました。
 今般の福井県内の豪雪等を踏まえまして、国土交通省が二月に設置をいたしました冬期道路交通確保対策検討委員会におきまして、福井県の建設業協会から、除雪作業が十分進まなかった要因の一つとして、オペレーター不足の対応が必要であったと意見もございました。具体的には、地元の除雪業者では、引退しているオペレーターの再出動を求めたり、全国展開の協力会社、土工事の会社にオペレーターや機械の支援を要請して対応したというふうにも伺っております。
 国土交通省といたしましては、引き続き、人材の幅広い活用や契約方式の工夫、技術開発、広域的な支援など、除雪体制の強化を行いまして、冬期の道路交通の確保に向けて関係機関と連携し、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○武田良介君 これ、昨日からも、私、繰り返し繰り返し聞きまして、なかなか、これが教訓ということを考える場所もないし、私、何度聞いてもなかなか出てこなかった。しかし、今の話、まあ一定、昨日から福井のお話聞いたのかなという感じもしますけれども、しかし、支援に行ったといっても、県道や市道の重立ったところと。私が聞いている生活道路の除雪というところまでは手が回らなかったわけですよね。そういう実態だということだと思いますし、これ、ただ単に実務的な話ではやっぱりないと思うんです。
 私、金沢に行ったときに、道路が除雪されないから車が出せない、介護ヘルパーさんもなかなかそのお宅まで行けないということもあった。患者さんは病院に行けない。ただ、聞いたのは、そういった介護サービスなんかの制度の枠の中にある人はまだ、ヘルパーさんも歩いていって何とか訪問するということも努力するからまだ良かったけれども、そういう制度の枠の外にある方、障害を持っているだとか病気のある高齢独居の方だとか、そういった方の中で、一週間も雪に閉ざされて気がめいって、漂白剤を飲み込んでしまうだとか、自殺未遂を図った方がいて病院に運び込まれるだとか、そういう状況もあったということなんですね。
 だから、これは単に実務的な話ということではなくて、本当に国民の命に関わる問題だということを私はしっかり認識すべきだというふうに思います。国が、じゃ、どういう責任果たしていくのかということだというふうに思うんです。冒頭にも聞きましたけれども、基本計画というものを持っているわけですが、これ本当に実効性あるものにする必要があると思うんです。
 各地で私お話聞きましたら、どこでも口をそろえておっしゃられていたのは、あの行革によって、臨調行革によって、道路維持管理に関わる現業職員を採用しなくなったことが出発点だというふうに話される方が本当にたくさんいらっしゃいました。
 金沢では、直営の道路管理のための公社があって、人も機械もあるんだけれども、五十八人いた人が十八人に減ったんだそうです。しかも、十八人いてもそれは事務職員の方も含んでいるので、実際除雪作業に当たるのは十人だと。福井県は、直営で除雪を行う方がかつては百名ほどいたそうですが、今は一人もいないと、全て民間委託というふうになっていると。
 最後に大臣にお伺いしたいんですが、これ問題だというふうに私本当に思います。ここにはやっぱり政治の責任があると思うんですね、先ほどの行革の話。行革で減らして、民間に出すけれども、民間は今言ったような状況になってきている。一方で、基本計画には除雪体制の確保と書いてあるわけですが、今日ずっと私が聞いてきたような状況になっているというのが今の状況だと思うんです。国がどう責任を持って、実効性のある基本計画を作って、体制の確保をやっていくのか。私は、費用の補償を拡充していくだとか、そういったことも含めて対応必要だと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○委員長(河野義博君) 申合せの時間が参りましたので、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(小此木八郎君) 私自身が、今日、今テーマになりました福井県に参りまして、二月二十四日でございまして、ここではいろんな地に赴いて自分の目で見てまいりました。あるいは、首長さんたちの話も聞いてまいりました。
 中部九県一市の応援協定や、あわら市と新潟県妙高市との応援協定による除排雪対応等、外部の応援がうまく機能した事例も聞いてまいりましたけれども、まあ除雪とは違いますが、先ほど九州北部の話が出ました。私、就任して初めて行ったところが朝倉、東峰村等々でございましたけれども、こういったところも、瓦れきの処理について業者がうまく道路啓開に当たっていただいたというような話も聞きました。
 しかし、一方で、委員が今言われた問題点は、必ずこれ、どこの地域でも恐らく、皆さん政治家ですからその選挙区を抱えています、それぞれの選挙区でもそういう防災協力について、そういう業者が、応援団体、建設業者、除排雪の実際にされる方々、そういった人たちの苦労あるいは生活をしていかなきゃいけないという現実がありますから、私たちはこういう中での議論の、委員の議論をしっかりと受け止めて、さらに、内閣府防災担当として、国交省、農水省、何ができるか常に考えて前に進めることをしてまいりたいと存じます。
○委員長(河野義博君) おまとめください。
○武田良介君 あっ、済みません。
 教訓つかんでいないだとかということは当然許されないというふうに思いますし、実効性のある基本計画を是非作って国の責任を果たしていく必要があるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

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