武田良介参院議員は、北朝鮮の非核化で、対話による平和の外交で北東アジアの平和体制構築を構築しようという流れの中で、拉致問題などを日朝の対話で解決するよう求めました。
議事録
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
歴史的な対話の流れが起きております。南北首脳会談が四月二十七日に行われて、板門店宣言が発表されました。この宣言では、完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現すると明記をし、年内に朝鮮戦争の終結を目指すというふうにしました。これは、朝鮮半島と北東アジアの平和体制の構築に向けた大きな前進だというふうに思っております。
米朝首脳会談は、一旦中止という話もありましたけれども、米朝双方が対話による解決の意思を引き続き表明をしております。南北首脳会談も再度行われておりますし、対話による平和的解決の流れが変わったわけではないというふうに思います。
そもそも、米朝首脳会談の中止を述べたトランプ大統領の書簡もありましたけれども、その中でも、もしあなたがこの最も重要な問題について心を入れ替えたならば、遠慮なく私に連絡をするか書簡を送ってほしいということも述べて、引き続き米朝首脳会談の意思があるということも明らかにしておりました。北朝鮮の側も、意外なことであり非常に残念というふうには述べておりましたし、その重要性を述べておりましたし、米朝首脳会談の必要性を強調して、いつでも対座して問題を解決していく用意があると、こういうことをそもそも表明されておりました。
この南北首脳会談は米朝首脳会談への道案内役と文在寅大統領が位置付けているように、南北首脳会談と米朝の首脳会談は大きな流れの中で行われているというふうに思っております。
そこで、河野外務大臣に伺いたいと思いますけれども、日本政府も米朝首脳会談に向けた関係国との協力を強めていくべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 六月十二日に予定をされています米朝の首脳会談に向けて、国際社会は安保理決議に基づいた経済制裁を一致して履行する、この方針をしっかりと堅持をし、米朝首脳会談において北朝鮮から具体的な行動を引き出してまいりたいというふうに考えております。
○武田良介君 北朝鮮の完全かつ不可逆的な核放棄を始めとする朝鮮半島の非核化ですけれども、これは関係各国の対話と交渉の最大の目標にされるべきだというふうに思っております。そのためには、朝鮮半島の戦争の終結を始めとして、戦争と敵対に終止符を打っていく、地域の平和体制を構築していく。北朝鮮を含む関係国の安全保障上の懸念を解決することが不可欠だというふうに思っております。
クリントン政権の下で国防長官などを務められたペリー元米国防長官ですけれども、今年四月十一日、都内で講演をされて、北朝鮮との交渉を振り返って、私が学んだことはなぜ核開発をするのかを理解することだと、北朝鮮は自らの安全の保障を得ようとしているというふうに述べたことが伝えられております。
戦争状態が継続している下で実際に非核化を進めようというふうに考えれば、この戦争状態に終止符を打つ、北朝鮮に核がなくても安全だと安全保障上のその保障があるということを感じさせることが非常に重要だというふうに思います。平和体制の構築に努力をしていくこと、それが北朝鮮含めた朝鮮半島の非核化も実現することができるんだということを、これは指摘をしておきたいというふうに思います。
それからもう一点、それぞれの首脳会談実現していく上でも、お互いの信頼醸成は大変重要ではないかというふうに思っております。今回の米朝首脳会談、一旦中止された事態を見ても、米朝がお互いにまだ相手を信頼し切れていないのではないか、互いに相互不信がまだあるという状況があったのではないかというふうに思います。
そういう相互不信を乗り越えていくためにも、段階的措置を双方に誠実に実行していただく、相互不信を解消して信頼醸成を図りながら進んでいくしかないというふうに思います。二〇〇五年の六か国協議共同声明で確認された約束対約束、行動対行動の原則に従って、段階的に実施していくというアプローチが必要だというふうに思っております。
その上で、拉致問題についてお聞きをしたいと思います。これは、やはり他国任せでは解決しない問題だというふうに思っております。文大統領も安倍首相に伝えておりました。金委員長は日本との対話の用意があるということを伝えておられました。日朝対話の仲介を申し出ている、こういうことをされているわけです。韓国の李洙勲駐日大使、五月の二十八日に都内の講演で、北朝鮮は日本との対話に前向き、日本はできるだけ早く北朝鮮と対話をすべきだ、成功するチャンスは大きい、北朝鮮が拉致問題を含め日本との対話に前向きだという情報が幾つかあるということを明らかにされておりました。
今進んでいる、朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和体制の構築を対話による平和外交で実現しようというこの流れの中に、拉致問題の解決を位置付けていくことが大事だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) まず、おっしゃいました段階的、あるいは約束対約束、行動対行動というのは、それは北朝鮮が主張していることでありまして、国際社会は、北朝鮮がCVIDを実現するまでは安保理決議をしっかりと履行していくというのが今の国際社会の立場でございます。
日本と北朝鮮の間に関しましては様々なルートでやり取りをしているところでございますが、まずは米朝会談の結果をしっかりと見極めるというのが大事だというふうに思っておりますので、六月十二日に会談が行われるかどうか、またその結果はどうか、それをしっかり見極めてまいりたいというふうに思っております。
○武田良介君 この問題は他国頼みでは解決しないと、やっぱりそういうことだと思うんですね。日本自身が交渉に乗り出さなければ解決できない。このやっぱり拉致問題というのは国際的な人道問題ですし、今本当に解決のチャンスのときを迎えているというふうに思います。
今、米朝の首脳会談をよく見てという話もありましたけれども、日朝首脳会談そのものも真剣に検討していくべきだというふうに考えますけれども、加藤大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、河野大臣からもありましたけれども、もちろん日本人の拉致問題を最終的に解決するためには、これは日本政府が主体的に対応していくということが必要であり、そのためにも日朝間のそうした首脳会談等々も当然必要になってくる事態はあるだろうというふうに想定をいたします。
ただ、先ほどから申し上げておりますように、それはやはり具体的な解決につながっていかなければ、単なる対話のための対話、会談のための会談では意味がないわけでありまして、我々としても、そういう実効の伴う、そういった会談をどうやってつくり上げていくのか、そのためにも、まず、今目の前で行われようとしております米朝の首脳会談、それがそうした形につながっていくよう、アメリカとも、あるいは関係国、韓国、さらには中国、ロシア等とも連携を取りながら、そうした方向になるように日本政府としても努力をしていきたいと、こう思います。
○武田良介君 対話の用意があるというふうに言われているわけですから、今そこに真剣に向き合っていくことが本当求められているというふうに思うんです。
文大統領は、日朝関係が正常化されれば北東アジアの平和と安定に大いに寄与するということもおっしゃっています。北東アジアの平和と安定に大いに寄与すると、この発言をどのように受け止めておられますか、加藤大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) これは、日朝平壌宣言を含む日本の姿勢は一貫しているわけでありますから、核、ミサイル、そして何といってもこの拉致問題の包括的な解決をした上で日朝の国交正常化を図っていく、まずその上でと、こういったプロセスをこれまでも申し上げているわけでありますし、その姿勢については何ら変わりはないということであります、日本側の姿勢という意味においてはですね。
○武田良介君 河野大臣、いかがですか。
○国務大臣(河野太郎君) 今、加藤大臣がおっしゃったとおりでございます。
○武田良介君 今本当に始まっている、南北の首脳会談からそして米朝の首脳会談へと、今起こっているこの本当に歴史的な劇的な流れ、これは、もちろん核やミサイル、拉致問題の解決ありますけれども、本当に国際的な、まさに文在寅大統領がおっしゃっているような北東アジア全体の平和に寄与していくような大きな流れになっているというふうに思います。これに対して日本が今どういう対応をしていくのか、このことが本当に求められているというふうに思いますし、それは拉致問題の解決にも大いに寄与する、進んでいくものだというふうに思います。そのことを指摘して、時間になりますので、終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。