健康増進法改定案にある受動喫煙対策は不十分だとして、屋内全面禁煙など、受動喫煙の徹底を求めました。
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議事録
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
厚生労働委員会で初めて質問をさせていただきますけれども、よろしくお願いをしたいと思います。
まず初めに、大臣に伺いたいと思います。あの衆議院の参考人質疑の際に、いいかげんにしろというやじが飛んだ問題であります。
昨日も本会議で私質問させていただきましたけれども、大臣から、個々の議員の発言についてはコメントを差し控えるという答弁でありました。しかし、本当にそれでいいのだろうかと。そういう、病気に苦しまれている方に対する、いいかげんにしろという発言でしたから、これ許されないというふうに私思いますけれども、大臣、改めていかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) いずれにしても、個々の議員の発言ということはもう大前提になるわけでありますけれども、昨日も申し上げたように、私どもとしては、がんの患者を始め、国民の皆さんお一人お一人のお気持ちに寄り添って対応していくことが何よりも必要だというふうに思います。
本件については御本人も謝罪の意思を表明しているというふうには承知をしておりますが、私としては大変残念な発言だったというふうには認識をしておるところであります。
○武田良介君 残念な発言だということでありましたけれども、やっぱり本当に国民の健康、命を守っていく立場からは本当に許されない発言だったのではないかというふうに思っております。
ちょっと通告の順番変わりますけれども、済みません、よろしくお願いしたいと思います。
初めに、大臣にこれもお聞きをしておきたいと思うんですが、たばこの規制に関する条約ですね、たばこ規制枠組条約、FCTCと言われるものです。
昨日の本会議の質問でもちょっと聞かせていただきましたけれども、ここでは、全面禁煙以外の換気や喫煙区域の設定は受動喫煙を防ぐものとしては不完全であるということが指摘をされております。今日の質疑の中でもこれ出てきました。どうしてそういうふうに判断されているのかと、その認識を先ほどは質問され、大臣も答弁されておりましたけれども、この認識、換気や喫煙区域の設定をすることでは受動喫煙を防ぐものとしては不完全なんだという認識を大臣自身がお持ちなのか、それを大臣が認められるのかどうかということを最初にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) これは先ほど申し上げましたけれども、今委員おっしゃったのはガイドラインについての記述だったというふうに、FCTCのガイドラインの記述ということでございます。これについてはコンセンサス決議ということでございますから、その場に日本国も参加をする中でコンセンサスによって言わば採決をされた、そういう意味において、その立場というものは、日本もそうした立場に立っているということははっきりしているというふうに思います。
ただ、その上に立って、先ほども御説明いたしましたけれども、このたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約においては、締約国は、屋内の公共の場所等においてたばこの煙にさらされていることからの保護を定めた効果的な措置を既存の国の権限の範囲内で採択、実施することとされており、我が国は、この受動喫煙対策及びこの法案、それにのっとって提案をさせていただいているところでありますし、また、同ガイドラインにおいても、直ちに屋内全面禁煙が実施できない場合には最小限の例外を設け、その例外をなくすよう継続的に努力をすることが求められているところでございますので、それに沿った対応ということでございます。
○武田良介君 失礼しました、ガイドラインというところを私がちょっと飛ばしまして、不正確で申し訳ございませんでしたけど、ガイドラインにその記述がある。
今答弁いただきましたけれども、そのガイドラインに現状沿っているか沿っていないかとか、そういうことを私はお聞きしたいわけではなくて、区域を分けるだとか換気を十分するだとか、それでは不十分だ、不完全なんだということを大臣自身はお認めになっているのかどうかということをお聞きしたいんですが。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、そのFCTCのガイドラインにそう記載をされている、そのガイドラインについて、そのFCTCの会合においてコンセンサスにおける決議というか採択がなされた、そしてその場に日本国政府もいた、そしてそこに異議を申し立てていないということでありますから、日本政府としてもそのガイドラインの中に書いた記述というものを受け入れているということでありますし、当然、私も厚生労働大臣としてその立場にあるということであります。
○武田良介君 ガイドラインのそのコンセンサス、その立場でいるという話ですけど、大臣自身がこれを認めているのかどうかというところがどうも明確にお答えいただけなかったように思います。そのことを最初に質問させていただいた上で、その上で法案の中身について幾つか懸念している点もありますので、質問させていただきたいというふうに思います。
本法案では、学校、病院、行政機関、バス、タクシー、航空機など、こういったところが第一種施設として定められて原則敷地内禁煙だということになっているわけであります。ただし、屋外には喫煙場所を設けることができる、そうすると、当然、その設けられた喫煙場所から煙が流れてくるだとか、そういったことがあって受動喫煙が起こることがあるのではないかと、当然そういう懸念が生じるというふうに思います。
これはもう何度も出てきていますので簡潔に御説明いただければ結構ですけれども、そういった屋外の喫煙場所を設置するか否かというのはそこの管理権原者が決めることだというふうに思いますけれども、これはどこにでも置けるのか、何かその基準は設けるのか、どんな基準になるのかということを御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
病院や学校などにおきます屋外の喫煙場所につきましては、喫煙場所と非喫煙場所が区画されていること、そして喫煙場所である旨の標識の掲示がされていること、このほか、厚生労働省令におきまして必要となる措置を定めることといたしております。
具体的には、屋外の喫煙場所におきまして患者や子供が受動喫煙にさらされることのないようにするようにすることが大事でございますので、例えば、施設の利用者が通常立ち入らない場所に設置をすることなどを規定することとしております。
○武田良介君 通常立ち入らないところという話もありましたが、やっぱり非常に曖昧だなというふうに思うんですね。原則敷地内禁煙で受動喫煙がないようにということを言うわけですから、これで受動喫煙がないということを何をもって保証できるんでしょうか。大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今申し上げたように、その施設の利用者が通常立ち入らない場所に設置するなど、受動喫煙にさらされないような配慮をしていくということであります。
そういった対応をしっかりやっていただくということでありますし、また、先ほど申し上げましたけど、この規定は、例えばいろんな大学、例えば大学の中におけるイベント等で、いろんな方がおいでになって、その方々が全て敷地内を禁煙とすれば外で吸う、そうするといろんな周辺とのトラブルも起き得ると、そういったことを想定した、言わば限定的な場合を想定した措置ということでありますので、それ以外においては基本的には敷地内を禁煙をしていただきたいというのがこれは我々の考え方でありますので、先ほど、後退しないようにという発言もありましたが、後退しないというのは当然で、さらに、まだそうした対応が取られていないところに対しては、さらにそうした敷地内の禁煙ということに向けて、今申し上げた限定的な場合はいろいろ対応していく必要がありますけれども、基本的には敷地内の禁煙に向けて努力をしてもらう、そういった姿勢で我々も引き続き対応をさせていただきたいというふうに思っています。
○武田良介君 限定的という話もありました。今日の審議の中でも学校について何度も出てきましたけど、九〇・四%既に禁煙になっているという話もあって、私も昨日、しかし、そこでも設けることができるという規定になるから後退させかねないのではないか。先ほどの質問でも、文科省からの通知という話もありました。後退させないように一生懸命やると言うんだけれども、しかし、設置できるようにするということだから、だったら全面禁煙にするというふうに本法案でもはっきりすればいいのではないかとやっぱり単純に思うわけですね。
ちょっとこれ通告していないですけど、ずっと議論もありましたので、大臣、その点、改めてどうですか。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、今申し上げたように、もちろん、そこの敷地の中を禁煙にすると。しかし、結果としてその周辺に様々な迷惑を及ぼすという事態も指摘をされているわけでありますから、そうしたことをどう回避をしていくのかということにおいて、敷地内においてもそうした喫煙をし得るということ、それをこの中には盛り込ませていただいていますが、それは全員がそういうことを、措置をとってくれということを申し上げているわけではなくて、まさに限定的なそういった場合においてはそういうことはやり得るよと。しかし、そうでない場合においては、基本的には敷地内を禁煙をしてほしい。こういう意味において、今既に敷地内を全面禁煙されているところについては後退しないようにこれからも働きかけていくということを申し上げさせていただいている、こういうわけであります。
○武田良介君 いや、敷地内全面禁煙とすることが非常にはっきり受動喫煙を防ぐ手だてだということを、逆に言えば今の答弁でもはっきりしたのかなというふうに思っております。
第二種施設に関わってお聞きしたいと思います。
これは、例えばレストランやバーだとか、老人福祉施設だとか体育館だとか、ホテルだとか旅館だとか、こういったところが含まれるということでありましたが、例えば今全国にあるファミリーレストランだとか、ああいったところでももう全面的に禁煙になっているような店舗というのもたくさんあろうかと思います。
今回の法案においては、そういうところでも喫煙専用室を設けることはできると、こういうことになっているんでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
喫煙専用室は、全国にある事務所、工場、ホテル、それから今御指摘ございましたファミリーレストランを含みます飲食店等の第二種施設の屋内の一部の場所等に設置をできるものといたしてございます。
喫煙専用室が基準に適合していないなど、義務に違反している事例については、各都道府県に相談窓口を設置するなどして把握をし、必要に応じ立入検査などをして違反状況を把握し、違反があれば個別に事業者に改善を促し、改善が見られない場合には指導や勧告、命令を行い、それでも従わない場合には罰則が掛かることになりますが、いずれにいたしましても、御指摘のファミリーレストラン、そういった形で、いわゆる第二種施設でございますので、屋内の一部の場所等に設置をできるということでございます。
○武田良介君 市民の皆さん、とりわけ、お父さん、お母さん、私も小さい子供がいますけれども、そういった市民の皆さんからすれば、自分たちが行っている近所のそういったファミリーレストランなどでこれからは喫煙場所が設置されるのかどうか、そのことが可能なのかどうかと、今回の法案がですね、やっぱりこういう点は非常に注目して見ておられるんだろうというふうに思うわけです。
それが設置できるということですけれども、これどういう基準で設置するのか、これもありましたので、簡潔に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
喫煙専用室の基準につきましては、先ほども御説明申し上げましたが、労働安全衛生法等に基づく受動喫煙防止対策助成金、この対象の要件としております、入口における風速が毎秒〇・二メートルであること、非喫煙区域と隔離をされた空間であることといった要素も参考といたしまして、法案成立後に専門家の御意見も伺いながら策定をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○武田良介君 設置されて、それが、しかし、実際には基準どおりに造られているのかどうか、設置されたところで、ドアの開閉の際に漏れるか漏れないかということもお話ありましたけれども、実際に漏れていないのかどうか、そういうことをチェックしていく必要がやっぱりあるということなんですが、今回の法案にチェックする仕組みというものは盛り込まれているものなんでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
喫煙専用室につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、基準を設けまして、それを周知をしていくということによりまして、まずは管理権原者におきましてその基準を適切に守っていただくという形になろうかと思っております。
その上で、やはり適切に運用されていないといったような場合におきましては、先ほど申し上げましたとおり、都道府県等、つまり保健所が対応して適切にそこのところの対応を行うという形の仕組みになっているということでございます。
○武田良介君 保健所の話にやっぱりなっていくわけですけれども、これ、どういう喫煙室が設置されているだとか、それによって受動喫煙が起こるか起こらないかということのチェックが十分機能するのかどうか、非常に曖昧だと。一種施設、二種施設、それぞれにやはりそういった懸念が拭えないのではないかということを指摘しておきたいというふうに思います。
加熱式たばこについてお伺いをしたいというふうに思います。
本法案では、この第二種施設で加熱式たばこの専用喫煙室を設置することができると。健康被害がまだ必ずしも明らかではないので同じように規制はしないけれども、専用室を設けて喫煙することができると、先ほど来答弁があった話だというふうに思います。
この加熱式たばことは何なのかということなんですが、一般によく知られている紙巻きのたばことこの加熱式のたばこを比較してちょっと御説明いただきたいと思うんです。
これ財務省にお聞きしたいと思いますけれども、紙巻きたばこと加熱式たばこ、どちらもたばこ葉を使っているという点で共通している、そのたばこ葉からニコチンを言わば吸うということが共通しているということだと思うんですが、じゃ、何が違うのかということでいうと、どうなんでしょうか。
○政府参考人(古谷雅彦君) お答えいたします。
今先生から話ありましたとおり、たばこ事業法上は、製造たばこというのを、葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ用又は嗅ぎ用に供し得る状態に製造されたものと規定をされております。現在発売されております加熱式たばこ、いずれも葉たばこを原料に用いて喫煙用に供し得る状態に製造されておりますので、たばこ事業法上の製造たばこに該当いたします。
その上で、今先生のお尋ねの違いでございますけれども、紙巻きたばこは葉たばこを燃焼することによりその成分を吸引するという点、一方で、加熱式たばこは葉たばこを燃焼させずに加熱してその成分を吸引するという点で異なっているということでございます。
○武田良介君 じゃ、受動喫煙という点ではどういう違いがあるんでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
受動喫煙と紙巻きたばこ、紙巻きたばこの受動喫煙を受けることによりましては、先ほども別のところで御答弁を申し上げておりますけれども、受動を受けない場合に比べまして疾患リスクが高まるということは明らかになっているということでございます。
一方、加熱式たばこにつきましては、これも御答弁申し上げておりますが、主流煙に健康影響を与えるニコチンや発がん性の物質が含まれていると、このことは明らかになっておりますけれども、現時点での科学的知見では、受動喫煙によります将来的な健康影響を予測することが困難であるという状況になっているということでございまして、こういったことも踏まえまして、国といたしましては、受動喫煙に関する調査研究を推進する旨の規定をこの本法案の中にも設けておりまして、今後も加熱式たばこにつきまして継続して研究調査を進めていきたい、そのように考えているところでございます。
○武田良介君 紙巻きは、燃焼させるので煙が出る、副流煙もあって受動喫煙になっていく、加熱式の場合は、直接燃やさないのでほとんど副流煙は出ないということで、自分が吸い込んだ主流煙、それから口から吐き出される、呼出煙と言いますよね、呼出煙、とりわけ呼出煙によってこの受動喫煙が起こるということで、私の理解も含めてちょっと整理をさせていただいておりますけれども、ということかなというふうに思っております。
これも、先ほどもありました、今の答弁にもありましたが、加熱式たばこであっても主流煙にはニコチンなど有害なものが含まれるということでしたが、代表的なものをちょっと御紹介いただきたいのと、何種類ぐらいあるかということも分かれば御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
加熱式たばこの主流煙に含まれます物質は、今お話ありましたニコチン以外に、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、クリセンといった発がん性の物質などがございます。ほかには、現時点では測定をできていない化学物質もありまして、まさに今調査をしていると、研究調査の途上であると、どういった物質があるかということにつきましてもそういう状況にあるということでございます。
○武田良介君 ありがとうございます。
それだけいろんな物質がある、まだ全て分かっていないということも言われておりました。
この加熱式たばこを喫煙される方、その喫煙者自身の健康に与える影響ということをちょっと考えてみたいと思うんですけれども、先ほどもありましたけれども、加熱式たばこの方が健康被害が低減されるというようなイメージが広がっているのかなというふうに思います。健康に配慮したたばこであるだとか紙巻きたばこの代替品になると、それで禁煙につながるんじゃないかとか、そういったことも含めて言われている、そういう考え方もあるんだということを私お聞きをいたしました。しかし、必ずしも明確ではないということですね。
今回のこの加熱式たばこの喫煙専用室ですが、これは、吸うだけではなくて飲食等もできるという規定でありましたけれども、飲食等もできるということになると、一本吸うだけではなくて二本、三本と吸うことも当然あるわけだと思いますけれども、そういうことによって喫煙者の方の健康被害が増大するおそれというのもあるのではないかというふうに思いますが、福田局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
今回の法案は、多数の者が利用する施設につきまして施設類型ごとに規制を置くことで望まない受動喫煙をなくすということを目標としたものでございます。
その中で、今お話ありました加熱式たばこにつきましては、その主流煙に健康に影響を与えるニコチンや発がん性の物質が含まれていること、これは明らかであるため、紙巻きたばこと異なる規制を置いているところでございますけれども、先ほど申し上げましたが、発売後間もないこともありまして、現時点での科学的な知見では、受動喫煙同様、喫煙によって本人の将来肺がんや脳卒中などの疾患リスクが高まるかどうか、こういった点につきましては予測することが困難であるという状況にあるということでございます。
しかしながら、加熱式たばこに関する研究につきましては、今委員御指摘ございましたように、大変重要な課題であるというふうに認識をいたしてございまして、引き続き加熱式たばこの健康影響につきまして継続して調査研究を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○武田良介君 ちょっと分かるような分からないような、先ほども自見委員の方からありましたけれども、一日に吸う本数掛ける年数で、肺がんでしたかね、肺がんになるリスクが高まっていくという係数の紹介もありました。
あれ、紙巻きたばこの話でもちろんそういうことだということだと思いますが、たくさん吸ったらリスクが高まると、私、単純にそういうふうに理解して先ほどの話も聞いておりましたけれども、加熱式ではなくて紙巻きのあの係数の話というのは、それはそういうことなんじゃないですか。たくさん吸ったらその分リスクが高まるということではないでしょうか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
加熱式たばこについてはそういった点も含めましてやはりまだ研究の途上というか、そういう状況にあるというふうに認識をしてございます。
いわゆる健康影響につきましても、確率的影響とか確定的影響、様々な考え方がございますけれども、そういった点について、現時点で紙巻きたばこで確定しているものが直ちに加熱式のたばこの方でそのまま適用できるかというような点について、まさに今研究をさせていただいているという状況でございます。
○武田良介君 そこも含めてはっきりしていないという御答弁でありました。
すると、先ほどちょっと言いましたけれども、逆に健康被害が低減するようなイメージが広がっているけれども、逆に言うと、そういうことも言えないということかなというふうに思いますけど、そういうことでよろしいですか。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。
いわゆる、今委員御指摘の点、ハームリダクション的なものというふうに言われている部分についてどうかというところだと思いますけれども、これにつきましてもまだ評価は定まっていないということでございまして、そういった様々な意見が、考えがあるという中で、やはりWHOの方も、一定の規制の枠組みを掛けた上で調査、研究をきちっと進めて適切な対応を取るべきという形で方針が出されておりますし、私どももそれに沿った形で今対応を取っているということでございます。
○武田良介君 様々な考え方、検討があるということでありました。だから、はっきりしていないわけですね。低減できるかどうかということも含めて、まだ様々な考えがあるということですので、そういうことだと思うんですが。
日本呼吸器学会というところが見解というものを発表しておりました。この加熱式たばこや電子たばこに対する見解というものを発表しておりまして、私もちょっと拝見をいたしました。
これ見ましたら、ここには、加熱式たばこについて、加熱式たばこの主流煙中に燃焼式たばことほぼ同レベルのニコチンや揮発性の化合物、約三倍のアセナフテン等の有害物質が含まれるという指摘があるんだということが紹介をされておりましたし、また、加熱によりエアロゾルを発生させる仕組みは、ニコチン以外のリキッド成分を分解して複雑な混合物を発生させ、発がん性物質に変化することが指摘をされていると。
この発がん性物質の変化というのは、紙巻きにはないルートから発がん性物質が発生するということかと思いますけれども、こうした指摘もあるということを、これは、大臣はこういう指摘もあるということを御認識されているでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の呼吸器学会の話になりますけれども、加熱式たばこにおいては、主流煙中に燃焼式たばことほぼ同じレベルのニコチンや発がん性物質が含まれているという報告がされている旨の見解がこの呼吸器学会から出されているということ、このことは承知をしておりますが、他方で、ほかの研究においても、加熱式たばこにおいては、主流煙中に紙巻きたばことほぼ同じレベルのニコチンが含まれていることは確認をしているが、発がん性物質の量については紙巻きたばこと比較して少ないことを確認するという、相違が見られているわけであります。
いずれにしても、この加熱式たばこについては、その主流煙に健康に影響を与えるニコチン、発がん性物質が含まれていることは、これは明らかではありますけれども、現時点での受動喫煙による将来的な健康影響を予測するということは、今私どもの持っておる科学的知見では困難であると、こういうふうに認識をしているわけであります。
○武田良介君 いずれにしても、この加熱式たばこは、はっきりしていないんだけれども非常に懸念があるという指摘が各方面から寄せられている。私も非常に懸念をしているところです。
ちょっと角度変わりますけれども、JT、日本たばこ産業が、プルーム・テックに関する情報提供というものを、これインターネットでも取れて、私見ました。プルーム・テックというのは加熱式たばこの製品名ですけれども、ここに、これ十八ページぐらいの資料ですけれども、全てのところに記述があるんですね。本資料は、プルーム・テックの使用に伴う健康上のリスクが他のたばこ製品と比べて小さいことを説明するものではありませんというふうに記述があるんですが、こういうのを見ると、たばこに健康に害を与える可能性がありますという表示をどうしても思い出すんですけど、この資料のこの記述、これはどうしてこういう記述がされているのか。これ、財務省、いかがですか。
○政府参考人(古谷雅彦君) お答えいたします。
今先生から御指摘ありました表示でございますけれども、これにつきましては、JTが作成している資料の中に今御指摘のものがございますけれども、JTとして、資料の読み手が、今先生がお持ちの資料は、プルーム・テックの使用に伴うリスク低減につき誤解を招かないように、JT自身の判断としてこうした記述を付しているということと承知しております。
○武田良介君 誤解を招かないようにと。
私も素人なので余り分からないんですけど、それが書いてあるその上のところにはこういうふうに書いてあるんですね。健康懸念物質についての記述で、プルーム・テックから発生するたばこベイパー、ベイパーというのは煙じゃなくて、何というんですか、加熱式たばこで出るものというイメージだと思いますが、ベイパーからは、WHOやカナダ公衆衛生当局が懸念している物質はほとんど検出されませんでした、平均低減率約九九%と書いてあるんですね。これだけ見ると非常に誤解するのではないかなと単純に思いますけれども、これ、どうでしょうか。大臣、いかがですか。──失礼しました。
そうしたら、財務省、誤解を与えないようにと。確かに財務省も、平成十六年ですか、三月八日のときに、広告を行う際の指針というのを出しているということを事前に私もいただきました。ここにも誤解を招かないように配慮すると書いてありますけど、これ、誤解を招くんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(古谷雅彦君) お答えいたします。
先生の御指摘でございますけれども、JTとしては、まさに誤解を招かないようにと、JTの知見をお伝えするという意味で情報提供をしているわけでございますけど、その際に、読み手がまさに誤解を招かないようにJT自身の判断でそういった文言を付しているということに尽きるかと思っております。
○武田良介君 加熱式たばこで明らかになっていないと、ただ、主流煙の中にニコチン始めいろんな健康に影響を与え得る物質が含まれていることは間違いなくて、健康を脅かす可能性もあると、先ほども議論の中でWHOの話もありましたけれども、ということが、やっぱり考えればそういった条件はそろっているわけですよね。
そういうことを考えれば、今回も、加熱式たばこの専用室ということではなくて、紙巻きたばこと同様に規制していくということは、これやっぱり必要になるんじゃないかというふうに思いますけれども、大臣、この点、改めていかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 加熱式たばこの云々という話はもう前提とさせていただきますけれども、いずれにしても、仮に将来、受動喫煙による健康影響が明らかになった場合には大きな問題があるということ、また、WHOにおいても、現時点での健康被害、影響は明らかでなく、更なる研究が必要としているものの、現時点でも一定の規制は必要と判断していることということから、一定の場所でのみ喫煙を認めるということにいたしました。
非喫煙者も喫煙者も双方が共に安心して施設を利用できる選択肢を設けるという考え方に基づいて、この加熱式たばこ専用喫煙室について、非喫煙区間と区分する形で施設の一部に設けることができるというふうにしたところであります。
また、加熱式たばこ専用の喫煙室においては飲食等をしながら喫煙が可能になるわけでありますけれども、それについては、喫煙可能な場所であることの掲示を義務付けること、また、その場所は喫煙可能な場所でありますから二十歳未満の立入りを禁止するということ、こうした望まない受動喫煙が生じないための対策を講じるということにしておるわけでありますから、こうした対応によって、望まない受動喫煙の防止、少なくとも現状に比べて強化をされていくということでありますし、また、喫煙室の煙の流出防止基準、これは同様にしていくということはあると思いますけれども、今言った点から含めて、この加熱式たばこ専用喫煙室においては単に喫煙するだけではなくてそれ以外の行為も可能という、そういう整理をさせていただいたということであります。
○武田良介君 時間ですので終わりますけれども、この加熱式たばこ、あの当分の間という話もありました。先ほどの質疑の中でも、肺がんの影響が明らかになってくるまで二十年、三十年、それまで当分の間とするのではないかという話もありましたけれども、確かにここも、非常にこれだけ懸念材料がたくさんある中で、当分の間というのはいつまでなのかということはやっぱりあると思うんですね。
これだけ健康被害が指摘される状況なわけですから、当分の間というのも明確にしていく必要もあるかと思いますし、研究していかなきゃいけないという話でしたけれども、その受動喫煙も含めて健康被害が及ばないような対策を強める必要があるということを申し上げて、終わりたいというふうに思います。
ありがとうございました。