国会質問

質問日:2018年 7月 12日  第196通常国会  厚生労働委員会

たばこ陳列や広告を規制すべき 改定案で質問

受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改定案質疑で、実際にコンビニエンスストアに置かれている加熱式たばこのパンフレットを示し、広告やたばこ陳列を規制すべきだと質問しました。

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たばこ陳列や広告を規制すべき

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 西日本を中心にした豪雨災害は、前回の委員会以降も被害がまた拡大をしておりまして、改めて亡くなられた全ての皆さんにお悔やみを申し上げたいというふうに思いますし、被災された全ての皆さんにお見舞いを申し上げたいというふうに思っております。
 政府におかれては、最優先で全力で取り組んでいただきたいと重ねてお願いをしたいというふうに思います。
 法案についてですが、今日は、店頭でのたばこ製品の販売、それから広告を切り口にちょっと質問していきたいというふうに思っております。
 まず最初に財務省に確認をしたいと思うんですが、財務省は、たばこ事業法第四十条に基づいて、二〇〇四年三月八日に告示を出して、製造たばこに係る広告を行う際の指針、これを示しているというふうに思います。これに基づいて、一般社団法人日本たばこ協会、これがTIOJと略されるそうですけれども、ここが自主規準を設けておられるというふうに思います。
 製造たばこの広告に関する規制は、財務省が示すこの指針に基づいて、業界の自主規制をもって行うことになっているというふうに思いますが、間違いないでしょうか。確認だけですので。
○政府参考人(古谷雅彦君) お答え申し上げます。
 今先生の御指摘のとおり、たばこ事業法におきましては、財務大臣は、製造たばこに係る広告を行う者に対し、当該広告を行う際の指針を示すことができると規定されております。その下で、未成年者の喫煙防止及び製造たばこの消費と健康との関係に配慮するとともに、その広告が過度にわたることがないよう、製造たばこに係る広告を行う際の指針を定めております。この指針を踏まえて、たばこメーカーなどを会員とする一般社団法人日本たばこ協会では、製造たばこに係る広告、販売促進活動及び包装に関する自主規準を定めておりまして、まさに事業法それから指針を踏まえて業界が具体的な自主規準を定めております。
○武田良介君 中身についてももう若干触れていただきましたけれども、その自主規制に基づいて、例えばコンビニでのたばこの広告規制にはどのような自主的な規制が掛けられているのかということをお聞きしたいと思いますが、今も若干中身はありましたし、それから、外のことはいいですから、店内の自主規制に関わって端的にお答えいただければと思います。
○政府参考人(古谷雅彦君) お答え申し上げます。
 今御指摘にありましたとおり、コンビニにおける店内のたばこ広告につきましても、先ほど申し上げましたたばこ事業法に基づく財務大臣の指針それから業界自主規準の適用対象となっております。
 加熱式たばこの説明パンフレットといったようなことも含めまして、その広告につきましては、財務大臣の指針において、パンフレット等の配布につきまして、成人に限定して行うとともに、公共性の高い場所では行わないこと、公共性の高い場所というのは、まあいわゆる公共施設とか街頭とか駅の構内とかが念頭に置かれておりますけど、こういった公共性の高い場所では行わないことと定めております。その下で、業界自主規準につきましても同様の自主規制が定められております。
○武田良介君 今答弁ありましたけど、確認したいと思うんですね。その指針の大きな柱として、未成年者の喫煙防止、それから製造たばこの消費と健康との関係に配慮するという趣旨、それから三つ目に広告が過度にわたらないという趣旨、この三つの柱がたばこ事業法そのものにも書かれておったかと思いますけれども、あるということはしっかり確認をしたいというふうに思います。
 今おっしゃられたように、ある程度限定するんだという趣旨があるんですが、今、コンビニエンスストアに行くと、これは加熱式たばこのパンフレットですけれども、アイコスのパンフレットだとか、これはグローですね、グローのもの、これがJTが販売していますプルーム・テックというもののパンフレット、こういうものが置かれています。(資料提示)
 これ、どれでもいいんですけど、例えば、ぱっとこのプルーム・テックというものを見ると、わざわざインデックスまで付いていて、お勧め銘柄というのが紹介されていたり、使い方(準備)、使い方(ポイント)、それから特徴とかですね、あるし、キャンペーンという項目もあるんですね。もういろんな商品の紹介、説明等々がずっと書かれております。
 私が見たところ、政府の示している指針では、成人に限定して行うとともに、公共性の高い場所では行わないと、先ほども少し答弁ありました。自主規制の中身で見ても公共性の高い場所は不可というふうになっていると思うんです。先ほど街頭とか駅構内、公共施設、公共性の高い場所の例だということを言いましたが、コンビニはこれどうなのかと。これ、レジのところに置いてあるんじゃなくて、書籍がずっと並んでいる隣にある店内のごみ箱の上に、いろんなパンフレットが置いてあるところに一緒に置いてあるわけですね。未成年の方だって当然目にすることがあります。手に取ろうと思えば取ることは幾らでもできます。こういうところでパンフレットを配布する、これは許されないんじゃないかというふうに思いますけど、いかがですか。
○政府参考人(古谷雅彦君) お答え申し上げます。
 今御指摘のありました件につきまして、まず、公共性の高い場所というのは、先ほども申し上げましたとおり、例えば公共施設、街頭、駅構内といったようなことが挙げられるかと思っております。
 コンビニで配布をされているということにつきましては、私どもちょっと、個別の事案十分に把握しておりませんけれども、先ほど、今先生からもお話ありましたとおり、成人に限定して行うという点は非常に重要だと思っておりまして、成人に限定して行われるように指針でも定めておりますし、業界基準になっておりますので、それが徹底されることが重要だろうと思っております。
 そういう意味で、広告の適正性の確保といった観点から必要があると認められる場合には、業者に対する指導を含めて適切に対応してまいりたいと思っております。
○武田良介君 ちょっと聞かれたことに十分答えられてないような感じもしますが、じゃ、結局、例えば公共の場所というのは駅頭だとか街頭、あっ、駅構内とおっしゃいましたっけ、とか街頭だとか公共施設。例えばと言ったわけだから、コンビニのこの場所はどうなのかと。これは、個別のことを承知していないと言いましたけど、会館の店内でもそうですし、私、ざっと見ましたけど、どこでも大体並んでいます。個別の話というか、結構広くある話だと思うんです。
 ちょっともう一回御答弁いただきたい。
○政府参考人(古谷雅彦君) 公共性の高い場所ということは先ほどから申し上げておるとおりでございます。まず念頭に置いておりますのが公共施設といったようなところかと思っております。例示をもう少し申し上げますと、街頭、駅構内、地下街、遊園地等ということを今例示として挙げております。
 その上で、大事なことはやはり成人に渡らないということですので、必要な対応は取ってまいりたいと思っております。
○武田良介君 未成年者の方に広げないというのは大事な観点だと先ほどもおっしゃられました。そのとおりだと思うんです。それは、先ほど来の質疑じゃないですけれども、未成年者に対する配慮、これやっぱり原則だと思うんですよね。指針にも書いてある、たばこ事業法でもその趣旨書いてあるわけですよ。
 コンビニに歩く、誰でも歩きますから、小さな子供だって歩くし、それこそ高校生とか、結構、パンフレットをざっと見れば関心持つように、当たり前ですけど、作っているわけですよ。それで、未成年者の方が、ああ、これでということで喫煙を新たにするということになっていくことだってあるわけですよね。そうすると健康被害にもなっていく。
 私、これはちょっとやっぱりいかがなものかというふうに思っておりますけれども、加藤大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 基本的にはたばこ事業法、今委員からずっと説明あったたばこ事業法にのっとって指針があり、業界の自主規制があり、今、その指針と自主規制のお話だというふうに思いますので、それは財務省あるいは関係業界等でしっかり対応していただきたいというふうに思います。
 今引用されたところは、成人に限定して行うとともに公共性の高い場所で行わないことということでありますから、この成人に限定するということ、それがどういう形でやられていくのが適切なのかどうか、その辺も含めて財務省等でしっかり判断していただきたいと思います。
○武田良介君 確かに、たばこ事業法の所管は財務省ですけれども、それが未成年者の方が喫煙することになって健康被害ということであれば、これはやっぱり国民の命、健康を守っていく厚生労働大臣としても他人事ではいられない話だというふうに思いますので、そこは是非指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 それから、レジの陳列販売という話もよくあります。これ、日本では堂々とやられていますが、海外ではそういうところがどんどん禁止されているという話もあるわけです。
 これは、指針や先ほどのTIOJの自主的な規制、自主規準も原則にしている、先ほどの未成年者の喫煙防止という観点からしたら、これも見直されるべきものではないかというふうに思いますけれども、これ、財務省、いかがですか。
○政府参考人(古谷雅彦君) いわゆる陳列での販売でございますけれども、そもそもたばこは合法的な個人の嗜好品であって、その販売にも合法的な営業活動であるということを前提として申し上げますと、コンビニにおきまして陳列されているというのは、一つは万引き防止といったような理由があるというふうに私ども承知しておりますけれども、たばこ事業法に基づきまして、未成年者の喫煙防止やたばこの消費と健康、さらには、先ほどから申し上げているように、広告が過度にわたらないようにするといった観点から必要な措置を講じながら、他方で、たばこ事業者の営業活動あるいは喫煙者の商品選択といった様々な観点を留意してたばこの販売を認めているところでございます。
 いずれにしても、たばこの販売を過度に促進しないといったことなどを踏まえまして、たばこ事業者において適切な方法で販売が行われるように、たばこ事業法に基づいて適切に対応してまいりたいと思っております。
○武田良介君 未成年者の喫煙防止という観点からしたら、財務省の立場はそういうことだというのは分かりますけど、未成年者の喫煙防止という観点からしたら全く不十分だというふうに私は思います。
 FCTCではどう書いてあるのか、改めて第十三条の施行ガイドライン、紹介したいと思うんですけど、小売店におけるたばこ製品の陳列、それ自体が宣伝と販売促進活動に当たる。たばこ製品の陳列は、たばこ製品購入の衝動を刺激し、たばこ使用が社会的に認められているという印象をもたらし、たばこ使用を中止することを困難にすることを通じて、たばこ製品の販売促進とたばこ使用の促進をもたらす決定的手段の一つとなっている。若者はたばこ製品陳列によってもたらされる販売促進活動に特に影響されやすいというふうに言って、締約国はたばこ製品の陳列あるいはたばこ製品の露出を全面的に禁止する措置を導入すべきであるというふうに言っているわけですね。
 しかし、堂々と今、日本ではコンビニでこういったことが行われているわけであります。これ、FCTC、厳格に実行するのであれば、これも見直していかなければいけないのではないかというふうに思うんです。
 この点でも大臣の見解をお伺いしたいと思います。未成年者への喫煙防止という観点からしても、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) FCTC第四条第二項(b)は、たばこの使用の中止やたばこの消費の減少などのための措置をとる必要性を述べた規定でもあります。
 厚労省としては、国民の健康を守る立場から、成人の喫煙率の減少とともに、未成年者、妊婦の喫煙をなくすということに取り組んでいるところでございますので、第二次健康日本21等々を踏まえて様々な取組をさせていただいているところでございます。我が国、当然、FCTCに、これを受け入れているわけでありますから、これにのっとった対応はしっかり進めていけるようによく連携を取ってやらせていただきたいと思います。
○武田良介君 よく連携取ってという話でしたけれども、大臣も今少し触れられましたけど、FCTCの第四条ですね、この第四条は、包括的な措置、たばこ規制の包括的な措置、協調した対応措置をとるために政治的な決意が必要だと、強い政治的な決意が必要だということを言っています。次に掲げる事項を考慮した強い政治的決意が必要だというふうに言っています。この(b)のところで、あらゆる形態のたばこ製品について、その使用の開始を防止し、その使用の中止を促進し及び支援し並びにその消費を減少させるための措置をとる必要性というのが規定されております。
 最後に大臣にお伺いしたいと思うんですけど、この項目からしたら、加熱式たばこ、先ほどのパンフレットもそうですけれども、加熱式たばこのその使用の開始を防止する、使用の中止促進及び支援並びに云々という、先ほどの文面から照らしたら、やはりこれしっかりと見直していく、規制していく必要もあるんじゃないかというふうに思いますけれども、大臣、FCTCの立場に立って、加熱式たばこの使用開始を防止し、使用を中止し、消費を減少させるための措置、とるべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 我が国の一連の対応も、FCTC等々のこれを踏まえながら対応させていただいて、たばこ事業法もそういう形で、あるいはそれに基づく指針、自主規制もやっていただいているというふうに思いますので、その趣旨がしっかりと徹底できるように我々としてもよく財務省とも連携を取らせていただきたいというふうに思います。
○武田良介君 強い政治的決意が必要なんだということがFCTCに言われております。本当に国民の命、健康を守る立場で取り組んでいくべきだということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

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