国会質問

質問日:2020年 3月 26日  第201通常国会  予算委員会

新型コロナ対策、千曲川堤防決壊について質問

予算委員会で新型コロナ対策、千曲川堤防決壊について質問。広がる感染、見えない終息。中小企業、観光、宿泊、学校…。この一週間を乗り切れるか瀬戸際の方々の思いを少しでも代弁、補償を。

宿泊業の方からの「雇用調整助成金を申請するために必要な休業計画は、事後届けも認めると言われても、そもそも休日を決められないため作成できない」という長野県は阿智村の昼神温泉の声を紹介。加藤厚生労働大臣は「業種に合わせた対応を早急に検討」とこれまでより踏み込んだ答弁を引き出せました‼️よし‼️

正確な答弁や、その他千曲川堤防決壊についての質問など、続きはしんぶん赤旗、日刊紙でどうぞ

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「コロナ被害深刻」旅館・交通、支援ぜひ 2020.3.26

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 私の地元長野県では、昨年の台風十九号災害、さらには雪不足、そして消費税の一〇%の増税、さらに今回の新型コロナと、まさに四重苦が襲いかかっております。これで経営が成り立たない、生活が成り立たない、悲痛な声が上がっております。これにどう立ち向かっていくのか。
 まず、新型コロナについて伺います。厚労省に雇調金についてお伺いいたします。
 長野県阿智村にあります昼神温泉で旅館業を営んでおられる方は、新型コロナの特例として雇調金の申請に必要な休業計画の事後提出を認めると言われても、一般の企業と違い休日が決まっていないため、休業計画そのものが立てられないとおっしゃっております。
 そこで、例えば、昨年同月の就業実績を使って、同等の分を休業とする取扱いで休業計画を作成するという柔軟な対応も必要だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) まず、雇用調整助成金について、手続、今、手続の話がありますから、手続が非常に大変で簡素化してほしいと、それからもう一つは支給するまでに時間が掛かり過ぎると、こういう御指摘をいただいております。
 私も昨日、実はどういう書類が必要なのか、少し説明を受けました。もうこれ要らないんじゃないかとか、ちょっと今、取捨選択をさせていただいております。ちょっと個々の話は今すぐお答えできませんけれども、特に今回、観光、宿泊、それから交通関係、何というんですか、旅行会社関係、ここが非常に多いんで、実はこれまで雇調金、どっちかというと製造業が中心だったんですね。そうすると、製造業だと持っているというのがいろいろあるんですが、やっぱりそうした業種だとなかなか、製造業で持っていても、持っていない資料というのも実はあるんですね。
 ですから、そんな実態も踏まえながら、今回どういったところが中心になるのか、その皆さんが、提供するとすれば、通常だったらここまで求めているけれども、今回はこういったものも考えられるんじゃないか、そういった柔軟な対応ができるように、今、中で検討させていただいているところでありますので、速急に固めてそれをお示しするようにしたいと思います。

○武田良介君 是非検討いただきたいと思うんですが、柔軟な運営というのはこれまでもやられてきたと。今おっしゃられたように、このハローワーク管内では、これまでサービス業で雇調金を利用されたことがないと、実績一つもないというんです。じゃ、社会保険労務士の方だってハローワークの職員の方だって、書類どうやって作成したらいいのか分からないと、こういう状況があるということなんですね。
 大臣、雇調金は十分の十国の責任で助成すると、やっぱりこれぐらいのこと必要だというふうに思います。中小企業の休業補償に政治の責任を果たすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今申し上げた手続や支給時期に加えて、この雇用調整助成金を更に充実すべきではないか。特に北海道については、今の全国に比べて助成率を上げた、言わばリーマン・ショックと同じような制度を使わせていただいているところであります。リーマン・ショックのときに加えて、さらに雇用保険の適用でない二十時間に満たない方も対応にする、そうしたこともさせていただきました。
 そうした今後の雇用調整助成金の対応については、今回の新型コロナウイルス感染症の影響によって、特に雇用情勢、これがどうなっていくか、今厳しくなっているという認識は私も持っておりますので、そうした認識を踏まえて必要な対応を講じていきたいというふうに思います。

○武田良介君 目の前一週間が本当に困っているという本当に差し迫った状況でありますから、是非ともお願いしたいと思います。
 次に、国交省にバス、タクシーの関係で伺いたいと思います。
 三月十日の国土交通委員会で、バス、タクシー業界の実態把握について質問いたしましたら、まだ集計できていないということでありましたけれども、その後、実態つかめたでしょうか。

○政府参考人(一見勝之君) お答え申し上げます。
 バス、タクシーについて実態を把握するため、乗り合いバス二百四十社、それから貸切りバス七十九社、タクシー二百三十九社を抽出したアンケート調査も行っています。また、貸切りバスについては、委員御指摘のように、大臣からの指示を受けまして全四千三百二十四事業者に対して調査を行っているところでございます。現段階におきまして千七百四十五社から回答があるというものでございます。

○武田良介君 中身はどういうことになっているんでしょうか。

○政府参考人(一見勝之君) 事業者の方々からの意見といたしましては、乗り合いバス、貸切りバス、タクシー、雇用調整助成金の拡充、手続の迅速化、公租公課の負担軽減などを求める声がございました。さらに、貸切りバス、全数調査をしております中での意見としましては、事業規模の縮小を検討しているとの声が約三割、それから資金繰りについて三か月以内に不安があるという声が約七割という結果、現段階ではそういう結果でございます。

○武田良介君 もう少しその具体的な状況というのも答弁いただけなければ、国交省がどれだけ本気でやっているのかというのがよく見えないというふうに思っております。
 タクシー労働者の方たちは歩合制で働いておられます。その収入減というのは大変大きなものがある。会社も窮地に立たされております。赤羽大臣、労働者への直接支援も必要だと思いますし、抜本的な支援強化、必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 局長の答弁、ちょっと漏れておりますけれども、数字、いや、数字は全部出ております。やる気がないというのはちょっとあれでして、四千三百二十四社全社にこちらから働きかけをしておりますので、その点でやる気があるかないかは判断していただきたいと思います。そのやる気があるというより、本当に腹を決めてやらないと駄目だという危機感を持ってやっております。
 タクシーの運転手さんの話の中で、なかなか雇用調整助成金が、事業者がちゃんとやられて一人一人に裨益するということは大事なんですけど、そこが遅れている中で、歩合制度が現実なので、大変、最低賃金を割っているような例があってもう日々の暮らしが大変だという話もよく聞いておりますので、そうしたことがないようにタクシー業界にもしっかり徹底をしていきたいと思いますし、特に地方部はやっぱり中小企業が多いので、これから決定すると思いますが、公租公課の減免ですとか、できること、効果があることをしっかりと打たなければいけないと、こう思っているところでございます。

○武田良介君 抜本的な支援強化を求めたいというふうに思います。
 今日、文科大臣にも来ていただきましたが、一斉休業、イベント自粛で、学生のアルバイトもなくなってしまっております。先日も愛知の学生から、イベントスタッフのバイトが全部中止になった、シフトが全く入らない、バイト先が潰れそうと、いろんな声が出ております。親の収入も激減をしております。
 大臣、今後、大規模な財政措置を伴う支援策行うということであれば、これ思い切って、授業料だとか入学金、その減免を盛り込んで、学生、青年、これ支援していくという姿勢を示すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(萩生田光一君) 今般の新型コロナウイルス感染症の影響で子供たちが進学、修学を断念することがないよう支援していくことが重要と考えています。
 新型コロナウイルスの影響を受けた学生や児童生徒等への修学支援については、既に通知におきまして、それぞれ支援制度の周知や、大学や地方自治体への対応の要請を行ったところです。この中で、大学生等については、高等教育の修学支援新制度及び日本学生支援機構による貸与型奨学金において家計が急変した学生等への支援を行うこととしています。
 具体的には、家計急変後の所得見込みで所得判定を行い、要件を満たす学生等が支援対象となります。あわせて、入学料等、初年度納付金や授業料等の納付が困難な学生に対しては、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、各大学に授業料等の納付の猶予等の弾力的な取扱いや減免等のきめ細かい配慮を累次にわたり要請をしております。
 また、義務教育段階においては、市町村がそれぞれの実情に応じて就学援助を実施していますが、新型コロナウイルス感染症の影響により家計が急変した場合も、可能な限り対象者の認定や援助について柔軟な対応を行うようにしているところです。
 引き続き、子供たちが経済的理由により進学や修学を断念することのないようにしっかり応援をしてまいりたいと思います。

○武田良介君 御答弁いただきましたが、その通知はやっぱりその各大学において配慮していただきたいという話なんですよね。国がもっと責任を持って、財政的な措置も含めて支援するとおっしゃっていただきたい。

○国務大臣(萩生田光一君) 個々の学生さんに対してダイレクトに支援するメニューというのは確かに国が直ちに用意はしていないんですけれど、大学の皆さんも大変理解が高まってきていると思います。
 改めて、制度が後になって知らなかったなんということのないように、その点は徹底をしてまいりたいと思いますし、まずは、この年度替わりの段階で学年が替わったり属性が替わったりしますので、そこまでを目配りをしっかりしてきて、その後のことはまた改めてしっかり考えていきたいなと思っています。

○武田良介君 理解が広がってきていると言っても、大学の授業料を値上げするようなそんな状況が生まれているときに、本当にそれで支援になるのかということを指摘させていただきたいというふうに思います。
 次に、台風十九号災害についてお聞きをいたします。
 まず、昨年の台風十九号で、全国でどれだけの堤防決壊があったのか、御説明ください。

○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 令和元年東日本台風では、各河川管理者からの報告によると、全国の国管理区間が十二か所、県管理区間が百二十八か所の合計百四十か所で堤防が決壊したところでございます。
 また、一部の河川では、越水と報告をされた箇所が現地の被災状況に照らすと決壊に該当するのではないかという御指摘もございまして、現在再調査を行っているところでございます。

○武田良介君 決壊が起こった現場では、被災住民の本当に悲痛な声が上がっております。堤防決壊で、家、生活、思い出、全部奪われたと、悔しい、悲しい、寂しいと、堤防際の家のため今後の再建計画が立てられないと、怖くて戻れないと、これ長沼大町地区というところの住民集会で集められた声の一部でありますけれども、大臣、この声、どのようにお考えになりますか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 私自身も阪神・淡路大震災で住む家を失った被災者の体験もしておりますし、そうした人に、一人一人にやっぱり寄り添って、同じ立場でなるべく心の通った復旧復興をしなければいけないということは心掛けておるつもりでございます。
 今回は、大変な、観測史上初めての降雨量で、千曲川でも、長野県全体で亡くなられた方が五名、全壊も九百棟発生したということで、その被害の状況が大変だということは、私も何回か足を運びまして直接皆さんからもお話を聞いておりますし、首長の皆さんからも様々な御支援の御要望をいただきまして、鉄道も上田電鉄、しなの鉄道が途絶しましたので、代行バスの国からの補助というのも新設させていただいたり、できるだけの精いっぱいのことをやっております。
 加えて、やっぱり気候変動によって甚大化、頻発化しておりますので抜本的な対策を取るべく今体制を整えておりまして、特にこの信濃川水系、大変大きな川でございますので、緊急治水対策プロジェクトの一つに指定をして、今、抜本的な治水対策を講じているところでございます。

○武田良介君 堤防の決壊の原因についてもう少し聞いていきたいと思うんですが、国交省は堤防が決壊した河川で堤防調査委員会というのを開いておりますが、これどういうものでしょうか。

○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 例えば千曲川でございますと、千曲川堤防調査委員会というものにつきましては、北陸地方整備局に置かれておりまして、千曲川におきまして堤防決壊等の甚大な被害が発生した場合、原因究明と再度被害を回避するための復旧対策等について指導、助言を行うことを目的として設置しております。

○武田良介君 技術検討会というのも開いていると思いますけれども、これはどういうものでしょうか。

○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 今の技術検討会でございますけれども、令和元年台風十九号の被災を踏まえた河川堤防に関する技術検討会というふうに言っておりますけれども、本省に設置しているところでございます。
 これにつきましては、各地方整備局、また県の堤防調査委員会、また専門家による現地調査などの結果を受けまして、堤防の決壊の要因等を踏まえつつ、越水に対して決壊しにくい堤防強化を実施するために必要な技術的検討を行うことを目的に設置しているところでございます。

○武田良介君 つまり、これらの会議で堤防の決壊の原因だとか今後の強化方向というのを検討しているということだというふうに思いますけれども、千曲川の堤防調査委員会で堤防の決壊原因はどのように示されているでしょうか。御説明いただけますか。

○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 千曲川の堤防の決壊原因につきましては、その今お話をさせていただきました千曲川堤防調査委員会によって被災のメカニズムを分析をいただいているところでございます。
 委員会におきましては、監視カメラから越流が生じているのが確認されており、堤防決壊地点の上下流区間も川裏のり尻に越流水による洗掘等が確認されているというふうに報告がされているところでございます。このため、委員会においては、越流によって堤防等の欠損が発生し、決壊の主要因になったと推定されるとされているところでございます。

○武田良介君 今、若干メカニズムについても説明いただきましたけれども、越流による堤防決壊ということでありました。これが本当に越流だけが原因なのかということが被災住民の方の大きな疑問になっております。
 そのことを考える前に、もう一つ確認しておきたいと思うんですけれども、長野市長沼穂保地区、決壊部のところの越水区間はどれだけあって、実際に切れたのはどのぐらいあったのか。

○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘の長沼地区のうち、赤沼地先から大町地先というのが長沼地区ということでございますけれども、約一・五キロメートルで越水が発生して、このうち約七十メートルの堤防、河川堤防が決壊したところでございます。

○武田良介君 一・五キロ越水していて、そのうち七十メートルの区間が切れた。だから、被災住民の皆さんはなぜここが切れたのかと、当然そういうふうに思っておられるわけであります。
 赤羽大臣、この原因、どのようにお考えになりますか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 私、専門家ではありませんが、その報告を受けたことを申し上げたいと思いますが、今回、そもそも観測史上最高水位を記録した箇所がたくさんあって、どこでも決壊が至ってもおかしくない状態であったと、その中で一つ一つ分析をしなければいけないということで、今、全国で越水した箇所のうち、水が堤防を乗り越える際の堤防上の水流の深さや時間の長さなど、一定のデータが得られた約三十か所を対象に、その決壊に至った理由、また至らなかった理由、こういったものを分析をしているところでございます。
 ただ、残念ながら、現時点では、それぞれ今分析、専門家の方にしていただいておりますが、堤防の高さですとか斜面の傾き、堤防表面の強度などについて更にやっぱり継続的な調査、分析を行う必要があるというふうに言われておりまして、現時点では、どうしてこの箇所で切れたのか、ここは大丈夫だったのかということを結論を得るには至っておりません。

○武田良介君 高さ、傾き、何でしたっけ、強度でしたか、お話がありましたけれども、被災住民の方たちは、これ、決壊したところは石を積んで造った堤防だったはずだと、それ覚えておられる方がいるわけですね。切れるとすればあそこだというふうに言われてきたところ、そこが切れたんだから、これ人災なんだ、怒りしかないという話をされているわけです。
 国交省にちょっと確認しますけど、この礫でできた堤防というのは、これは弱いということでよろしいですか。

○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 河川の堤防につきましては、過去の被災に応じてかさ上げを行ったり拡幅を行ったり、その強化を重ねてきた歴史の長い構造物であるということでございます。
 今委員御指摘の、礫といいますか、堤防決壊箇所の調査断面につきましては、砂質土であるとか粘性土、礫性土、礫、砂礫ということで構成をされているところでございます。現地の事務所において、この土質構成を前提として、決壊箇所の堤防の浸透に対する安全性について照査を行ったところ、今回の出水、今回の出水の降雨、水位を再現した安定計算から、照査基準値を満足しているという結論を得ているところでございます。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 五道国土保全局長。

○政府参考人(五道仁実君) 堤防の土質といいますか、土質についてでございますけれども、一般論といたしまして、砂礫、それから粘土ということがありますけれども、その粒径の大きさによってやはりその間隙が多くなるわけでございますので、一般論としてその粒径の大きいものについて水が通しやすいと、通しやすいということが結論でございます。

○武田良介君 水が通しやすい、だから浸透しやすい。浸透が原因で堤防が決壊するということもあるということでいいですよね。

○政府参考人(五道仁実君) 堤防の決壊の要因でございますけれども、先ほど御説明をさせていただいた越流というようなもの、それから堤防の中に水がしみ込む浸透というようなもの、そういうようなものがあるということでございます。あと、流速によって堤防が削られていくというようなものがあるということでございます。

○武田良介君 そこの堤体に砂礫がたくさんあって浸透していたんじゃないかと、やっぱりそういう思いなんですね。そこの分析が、私、十分これやられていないと思うんですね。
 資料の二を見ていただきますと、私がその堤防決壊現場に行った際のものでありまして、決壊部の少しだけ上流の部分の写真です。そこに、写真にありますけれども、その堤体そのものとその住宅地側に土を盛って桜の木を植えた桜堤、その間から砂が噴き出した跡があったんです。
 これ、堤体に砂礫が入っていたということも否定できないんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(五道仁実君) 先ほど御答弁させていただいたとおり、決壊箇所の断面を見たところ、砂礫であるとかそうしたものが入っていたということは事実でございますけれども、先ほど申し上げたとおり、その条件で安定計算というものを行ったところ、照査基準は満足しているということでございます。

○武田良介君 資料の三も、じゃ、紹介します。
 今答弁されたのはこのことだと思うんですが、千曲川の河川事務所から断面送っていただきました。Bgというのがあって、これ確かに礫質土というふうになっています。これがあるということだと思います。
 しかし、やっぱり被災住民の皆さんは、これがあったから、ただただ越流したというだけではなくて、本当に切れたんじゃないかって、やっぱりその思いがあるわけですよ。このことがしっかりその調査委員会の中にも記されていないというふうに思いますけど、いかがですか。

○政府参考人(五道仁実君) 調査委員会の報告書、その当該箇所でございますけれども、先ほど申し上げたとおり、主要因として越流ということでございます。それに対して、浸透についての検討も行っているところでございますけれども、主要因としては越流だということで結論付けているところでございます。

○武田良介君 私、絶対納得いきません。第一回の調査委員会の資料、私、見ましたけど、断面のところにわざわざ文字を書いて、礫は見られないって書いているんですよ。全然違うんです。おかしくないですか。

○政府参考人(五道仁実君) 先ほど申し上げたとおり、その後、何回か、その後ですね、掘削という、断面が出てきた中で、先ほどお話をさせていただいた砂質土、それから礫質土というものが入っているということでございますけれども、繰り返しになりますけれども、その条件において安定計算をさせていただいて満足をしているということでございます。

○武田良介君 安定計算して満足しているという、そういう話を繰り返すがために、被災住民の皆さんは本当に怒りを持っておられるというふうに思います。
 被災住民の皆さんは、やっぱりそこに礫が、石が粒径の多いものが積まれて堤防が造られたということを見ているから、だからこれは人災だというふうにおっしゃっているわけです。
 大臣、これ、人災だというふうに思いませんか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) そもそものことにつきましては、先ほど局長から御答弁ありましたように、この専門家の皆さんが令和元年十月に現地調査をしていただいて、それを基に、十一月、十二月、それぞれ委員会で下していただいた結論ですから、我々はそれをやっぱり尊重するという立場にあります。
 人災かどうかということは、これはいろいろ難しい話であって、整備をしていても、整備には時間も掛かりますから、その間で発災をしたときに、何も責任がなかったとか言う人もいるかもしれませんが、我々は政治家ですから、被災された方が、家を失った方がいらっしゃる、亡くなられた方もいるというこの重みはしっかりと受け止めていかなければいけない。無責任だと私は思いませんが、人災であるかどうかということは余り、申し訳ないんですけど、意味がある話ではないんではないかと思っております。
 再度災害が出ないようにしっかりと抜本的な対策を取らなければいけないと肝に銘じております。

○武田良介君 その責任というのをしっかり自覚する必要があると私は思います。
 実は、先ほどの技術検討会というのは昨日も第二回が行われて、私も傍聴させていただきましたが、そのときにも砂礫と粘土によって壊れ方が違う箇所があったのではないかということの指摘もありましたので、これは、原因の究明、それから住民への説明、是非続けていただきたいと思いますけれども、大臣、もう一言、いかがでしょうか。

○政府参考人(五道仁実君) 昨日も、先生御指摘のように、委員会をさせていただいているところでございます。その中で、同じようなところで切れているところ、切れていないところということがありまして、そこをしっかり分析するようにということでございますので、そういうことについてはしっかり分析をさせていただきまして、報告をさせていただきたいというふうに思います。

○武田良介君 最後に、技術検討会では、今後の堤防の強化方向として、危機管理型ハード対策の改良版として被覆型を中心とした河川堤防の強化工法を検討するというふうになっておりますけれども、危機管理型ハード対策と被覆型ってどういうものでしょうか。

○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 まず、堤防の強化ということでございますけれども、これ、平成二十年に土木学会がまとめた報告書におきまして、土でできた堤防を表面を覆う被覆型というものと、堤体内にコンクリートの壁や鋼材等を使用する自立型に分類されているところでございます。
 このうち、被覆型というのは、アスファルトであるとか、コンクリートブロックであるとか、シートであるとかというものを、堤防の上部やのり面を覆って越水による浸食等を抑えるというような、によって強化を図ろうというものでございます。
 危機管理ハードは、その中の、堤防の天端の上面のアスファルト舗装というものと、堤防の住宅地側ののり尻といいますか、一番下の部分を強化をするということをやっているものでございまして、被覆型の一つの体型だというふうに考えているところでございます。

○武田良介君 フロンティア堤防、アーマーレビーというのも被覆型に含まれるということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(五道仁実君) これにつきましては、堤体を被覆するということでございますので、被覆型の一部だということでございます。

○武田良介君 これ、やっぱり全国の被災住民の皆さんが求めてきたことであります。しかし、その試験施工が一時された、しかし、その後、もう十分やられなくなってしまった、実質闇に葬られてしまったものが……

○委員長(金子原二郎君) 時間が参りました。

○武田良介君 今度は復活してきた。まさに転換点に当たってきたということだというふうに思います。是非これを前に進めていく必要があるということを求めたいというふうに思います。
 今日は総務大臣にも来ていただきましたけれども、時間がなくなってしまいまして質問できませんでした。
 これで質問を終わらせていただきたいと思います。

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関連資料

しんぶん赤旗記事「旅館・交通、支援ぜひ/武田氏 コロナ被害深刻」

しんぶん赤旗記事「千曲川堤防強化策を/武田氏、決壊原因究明迫る」

参考資料

予算委員会資料20200326