国会質問

質問日:2020年 5月 13日  第201通常国会  決算委員会

臨時交付金を拡充し新型コロナ対策自治体支援後押しを

武田良介議員は、新型コロナウイルス対策として自治体が行う事業者支援や、公立大学の学費減免を後押しするため、地方創生臨時交付金の抜本拡充を求めました。

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地方創生臨時交付金の抜本的拡充求める 2020.5.13

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 新型コロナウイルス感染拡大の中、呼び方はいろいろですけれども、各自治体がいわゆる協力金などを出しております。こうした自治体が行う支援策について、まず質問していきたいというふうに思います。
 自治体が行う支援策は、その自粛要請をしたところ、それに応えていただいた事業者に対する協力金であったり、あるいは家賃補助というところに踏み出しているところもある、あるいは文化応援金ということを取り組んでいる自治体もある、様々あるわけでありますが、自治体がこういう支援を検討する際に臨時交付金を念頭に置いているというふうに思いますけれども、その臨時交付金ですけれども、まず内閣府に確認したいと思いますが、今回のコロナのこの臨時交付金の目的は何なのか。感染拡大防止ということが内容にしっかり含まれていると思いますけれども、それでよろしいでしょうか。

○大臣政務官(藤原崇君) 本臨時交付金につきましては、各自治体が、新型コロナウイルス感染症対策のため、国が直接講じる施策とは別に各地域の実情に応じた対策を迅速に展開できるよう、財政支援を行うことを目的としております。本交付金は、目的に対して効果的な対策であり、地域の実情に合わせて、必要なものであれば各自治体の判断によって極力自由にお使いいただける仕組みとなっております。

○武田良介君 新型コロナウイルスの感染拡大を防止すると、そのことのためにこれが活用されるということでよろしいですね。

○大臣政務官(藤原崇君) それも目的の中に入っております。

○武田良介君 目的に感染拡大防止がきちんとあるということを確認したいというふうに思います。
 各自治体が行うその協力金の支給要件、受給の要件に、私聞きますと、税金の滞納がないことというのが含まれていると、そういうケースがあるということであります。これでは本当に必要な支援が受けられないのではないかということで、私の事務所の方にも問合せをいただいたわけであります。
 私も率直に、税金滞納されるわけですから本当に支援が必要な事業者さんだというふうに思うわけですけれども、内閣府にこれも確認したいと思いますけれども、コロナ禍のこの臨時交付金を制度設計する際のその考え方として、今回、今紹介しました、私のところに届いているような、税金の滞納がないことと、そんなことがこの制度設計の中で議論されているのかどうか、確認したいと思います。

○政府参考人(長谷川周夫君) お答え申し上げます。
 本交付金は、今政務官の方から御答弁がありましたように、地域の実情に応じた自治体独自の取組の財源に柔軟に充てていただくために、高い自由度で活用することができる仕組みとしております。
 一般に、自治体が住民に給付金等を支給する場合において、納税義務と負担の公平性の確保や徴税率の向上等のため、地方税等の滞納者に対しまして給付金等の支給を制限している場合があるというふうに承知しております。
 今般の臨時交付金を活用して行われる協力金等につきまして自治体がどのような基準にのっとって行うかについては、それぞれの自治体が自らの地域の実情等を踏まえ御判断いただくものと考えておりまして、内閣府といたしましてもその判断を尊重したいというふうに考えております。

○武田良介君 言うまでもなく、地方自治、非常に大事でありまして、各自治体の判断ということは当然だというふうに思います。
 いずれにしても、今回のコロナ禍にあって、この臨時交付金を出すときに、納税、税金の滞納がないことなどを条件にということを国が指示しているなんということは当然あり得ないというふうに思いますが、私、お聞きしましたら、静岡県の三島市というところのお話伺いましたけれども、ここはいわゆる納税条件を付けていないという話でありました。三島市は、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金、こういう事業を設けておりますけれども、先日の臨時議会の際に私ども日本共産党の市会議員が、この事業の給付要件の中に市税の滞納がないこと、こういう要件を盛り込んでいないか確認をしますということで質疑をした際に、市の当局の方も、納税証明の添付については制度概要に載せておりませんと、今回の協力金につきましては、最大の目的は感染拡大の防止ということだというふうに御答弁をされております。こういう判断も当然自治体によってはできるということだというふうに思います。
 そこで、ちょっと通告はしていないんですけれども、大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、私、やっぱり率直に、こういった条件が付いた場合に支援が必要な人に行き届かないということもあるんじゃないかというふうにも思いますし、先ほど確認させていただいたように、感染拡大の防止という点からも全ての事業者の皆さんに届けていくということも重要だというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君) もちろん、現在、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの方々、特に事業者の方々などが支払に窮する状況にありますので、地方税も納税猶予ということをお願いして徹底しているところでございます。

○武田良介君 もちろん地方税の猶予ということも私も承知もしておりますし、各自治体の判断によるわけですけれども、やはり、同じくそのコロナの影響を受け、全国で自粛の要請がなされ、しかし、今問題になっているその自治体の財政力によってその支援に差が出てしまうということが一方でまた指摘もされております。
 ではどうするかということでいえば、やはり国が行う支援をもっと拡充していくということが非常に重要なんじゃないかというふうに思っております。今の滞納を条件にするという話もそうですけれども、やはり私が感じるのは、その自治体が必要とする支援が自治体の判断で、思い切った判断でできない、そういう状況も生まれているんじゃないだろうかということを考えております。
 これも静岡県ですけれども、東伊豆町というところのお話を伺いました。東伊豆町の支援策は、既に決定されている部分ですね、これ大きく見ますと、国や県の制度融資残高に対する利子補給、雇用調整助成金つなぎ融資の利子補給、これで三千六百万円、コロナ感染症対策として、スナックや居酒屋、宿泊事業者に対する協力金、これで四千百五万円と、そうですね、四千百五万円と。これらの予算について、一部に県からの支援も含まれておりますけれども、補正予算を組んだり専決処分で決定しているということでありました。大体七千万円を超えるぐらいの規模だと思いますけれども。
 さらに、ここまで決定しているわけですが、さらに、先ほど言ったスナックや居酒屋、宿泊事業者だけではなくて、今度は商工業者だとかあるいは農家、漁業に対する支援、あるいは町民生活支援、それぞれ一億円、それから一・二億円ぐらい必要ではないかということで、これ決定しておりませんけれども、町内でも議論があるということでありました。農業とか漁業、生活支援ということに手を打っていきたいということだと思うんですが。
 聞きましたら、東伊豆、やっぱりワサビなどの生産もあるということでありまして、これはやっぱり居酒屋、飲食店などが今営業を自粛しているということがあってなかなか取引が成立していかない。それから、カーネーションなども、先日、母の日などもありましたけれども、これ単価が大体百円から五十円ぐらいに大きく下がっている。あるいは、伊豆の方はキンメダイなども有名でありますけれども、キンメダイも三千円から千五百円というふうに大きく値が下がって大変な状況にあると。だからこそ追加の措置が必要だということが今、町の方でも議論をされておられるところだというふうに思うんです。
 これ、追加の規模、二億円超えるようなものというふうになってしまうわけですけれども、既に決めているものと合わせれば三億円近く予算が掛かっていくのかというふうに思いますが、本来行うべき支援として議論があるにもかかわらず、それは難しいんじゃないかということで、なかなか町の中でも今議論があるようであります。
 臨時交付金、どのくらいになるのかということで、私も今日の質疑に合わせて総務省の方に聞かせていただきましたけれども、交付限度額、大体六千七百万円ぐらいになるんじゃないだろうかということで資料もいただきましたけれども、こういう規模感からするとやはり足りないんではないだろうかと。
 この臨時交付金、増額が必要だというふうに思いますし、今回、計画に対してまず一回ですよね。この後、追加の措置が必要になったときにどうなるのか。この臨時交付金の拡充ということが必要になると思いますけれども、内閣府、いかがでしょうか。

○大臣政務官(藤原崇君) 本臨時交付金につきましては、それぞれの地域の御判断によって自由度高く使うことができる仕組みでありますので、一兆円の枠内で地域の知恵と工夫を凝らして有効に活用をしていただきたいと考えております。
 具体的な執行につきましては、これから始まるものでありますことから、今後につきましてはしっかり地域の実情を見極めた上で考えていきたいと思っております。

○武田良介君 高市大臣にもお伺いしたいと思うんですが、今、先ほど来、納税の条件のこともお話もさせていただきましたし、またその規模感ということもお話しさせていただきました。自治体が非常に苦慮している状況あるわけですけれども、これまでの枠にとらわれずに、支援の抜本的な強化がこれ必要になってくるんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君) 内閣府で制度設計していただきました地方創生臨時交付金につきましても、財政力にも配慮をしながらの配分となっております。それでもまだまだ不十分だというお声があることも承知いたしておりますし、二次補正の話も出てまいりました。
 地方行政を所管する立場といたしましては、やはりこの地方公共団体がその地域ごとにニーズが違うわけでございますし、また感染の、感染者数の状況も違うわけでございますので、自由に使える形のお金というのがあれば、それは大変有り難いことだと思っております。
 また、各省庁が補助事業として新たに政策を打ち出されました折には、総務省としてもその地方負担分についてしっかりとした財政措置を考えてまいりたいと存じます。

○武田良介君 その一兆円という規模では足りないという声が今全国であふれているわけでありますので、これを抜本的に増やしていく、柔軟に財政措置も行っていくということが非常に重要になるということを重ねて訴えさせていただきたいというふうに思います。
 次に、学生支援について伺わせていただきたいと思います。
 授業を受けることができずにいらっしゃる学生もたくさんいる。アルバイトがなく生活できない、さらには大学をやめることも検討せざるを得ない。いろんな学生の声が上がっております。
 私も、先日、民青同盟の皆さんが全国で千六百人からのアンケートを集めているということで、見せていただきました。
 例えば、石川県の金沢市の学生、アンケートにこういうふうに書かれておりました。収入がゼロ円になりました。今まではアルバイトを二つ掛け持ちで合わせて週五日から六日働いていましたが、今年三月は一か月での出勤が十日間しかなく、収入は五万円ほど、四月には出勤がゼロになりました。ゴールデンウイークの予約もゼロになったので、五月も出勤する日があるかどうか。家賃、光熱費、食費、四月には大学の学費と教科書代等の支払もあってどうしようかと思っているところですという声が寄せられておりました。
 やはり、今、給付金などの議論もありますけれども、重要になってくるのは一律の学費の半額ということだというふうに思います。
 政府のこの間の答弁ですと、この四月にスタートしました修学支援制度の枠組み、こういったところで入学金、授業料も支援していくことですとか、あるいは大学が行った支援に対しての助成、それから学費の納入期日の延期などなど説明あるわけでありますけれども、また、今後、それでは足りない場合には更に検討ということもあるわけですけれども、今後そういう検討していくということであれば、やはり学費の一律半額、ここに踏み出していくことが非常に重要だというふうに思います。
 確認したいと思いますが、内閣府に確認したいと思いますが、コロナ禍にあって仮に公立大学が学費の減免を行うという決断した場合、この場合も臨時交付金で見ることになるでしょうか。

○政府参考人(長谷川周夫君) お答え申し上げます。
 本交付金は、先ほど申し上げましたように、地域の実情に応じて自由度高く活用できる仕組みというふうにしております。具体的な施策に本交付金を充当できるかどうかにつきましては、今、私ども交付限度額を各自治体にお示しして、各自治体の方で今実施計画を作っておられます。
 その実施計画を確認する必要があると考えておりますが、新型コロナウイルス感染症対策という目的に対して効果的な対策であって、地域それぞれの実情に合わせて必要なものであれば、御指摘のような授業料の減免を行う公立大学に対する支援策も含め、各自治体の御判断によって極力自由にお使いいただけるものというふうに考えております。

○武田良介君 本当に何でもかんでも臨時交付金というふうにどうしてもなっていくんですよね。先ほど、それでは足りないということはもう指摘をしたとおりであります。
 三重県の津市というところでは市立の三重短期大学という大学がございます。これも我が党の津の市議団の方で、今回の新型コロナに対しての要請を市長に対して行いました。その要請の中身にこの三重短期大学授業料の一部返納ということを含め要請させていただいたわけですけれども、その際に、市長の方からも、学生が授業を受けられない中で学費をもらうことは苦しいと、大学の意見を聞いて市としてもサポートしていきたいということが伝えられたそうであります。
 本日、三重県の津市の方でどういう支援策を行っていくのかということで議会で説明があったというふうにお聞きしましたけれども、その全体像の中には残念ながらこの学生のサポートの中身というのは含まれなかったそうなんですけれども、やはり学生に対する支援というのは、国のその支援、この臨時交付金がなかなか増えていかないという状況がその背景に大きくあるんじゃないだろうかというふうに思わざるを得ません。学生の学習権をしっかりと保障していく、そして、今多くの学生が学べないということは、これは日本の未来にとっても許されないというふうに思います。
 自治体の背中を押し、支援を進めていくためにも、地方交付税しっかりと付けていくということももちろん大事ですし、支援を抜本的に強化をしていくということが求められてくるというふうに思います。これから長期化するだとか、第二波、三波ということも言われているときですから、こういう学生の支援という点からしても支援の拡充を求められているというふうに思いますけれども、高市大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君) 先ほど委員がおっしゃった今年四月から文部科学省でスタートしている経済的に困難な学生に対する高等教育の無償化でございますが、今回の感染拡大などの影響を受けて家計が急変した場合に、そのことを十分に加味した所得見込みで支援の判定を行っていただけると聞いております。また、文部科学省からは、授業料や入学金の納付が困難となっておられる学生さんには納付猶予や減免などを行うよう、公立大学も含め、また委員がおっしゃった短期大学も含めた全ての大学などに対して要請をしていると聞いております。
 それから、先ほど内閣府から御答弁もございましたが、公立大学に対して自治体が、地方団体が支援を行う場合に、これが臨時交付金の充当対象となっております。
 今後、とにかく学びの機会を奪うということがあってはなりませんので、今後の状況もよくよく注視をしながら、必要な支援を関係各省としっかり連携しながら考え、適切な手を打ってまいりたいと存じます。

○武田良介君 学びの機会が失われることがあってはならないという答弁いただきましたけれども、そもそもやっぱり大学の学費が非常に高いわけですよね。自分たちや両親の収入を含めても、それでも払い切れないほどの高学費がそもそもあるんだと。納入の猶予ということも今答弁の中にありましたけれども、納める期間が幾らか先に延びたところで、払う額面変わらなかったら、今アルバイトももちろんできないということも含めて、やっぱりその額そのものが下がらなかったら、これ払い切れないという状況になるんだと。だからこそ、コロナで全国に自粛が要請され、ほとんどの大学で授業がまともに受けられない、そういう状況があるからこそ、全国一律で学費を半額にということが強調されているわけですから、是非そのことが必要だというふうに思います。
 最後、一問だけ、小泉環境大臣に気候変動の問題について伺いたいと思います。先ほども若干議論がありましたけれども、NDCに関わってであります。
 あのNDCの発表、私、ポイントは、エネルギーミックスとの整合性、そこが特徴の一つにあるということを大臣自身がおっしゃったということだというふうに思います。これは、エネルギーミックスとの整合性と言っている限りは、電源構成上、石炭二六%ということも含めて入るわけですから、これ脱炭素、脱石炭ということに絶対ならないんじゃないだろうかと。
 ですから、大臣、ここから抜け出す覚悟、それがなければならないんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(小泉進次郎君) 誤解なくお伝えをさせていただくと、NDCのポイントは三つありまして、一つ目が、先ほど小沼先生にもお答えをしましたが、二六%の水準にとどまらない、その削減努力を追求をする、これが一つ目です。二つ目が、地球温暖化対策計画の見直しに着手すること、これが二つ目。そして三つ目が、今、武田先生に触れていただいた、削減目標の検討は、エネルギーミックスの改定と整合的に、更なる野心的な削減努力を反映した意欲的な数値を目指すこと、そしてCOP26、これ今年が延期になって来年以降になりますが、そこまでに追加情報を提出をすること、これ書いてあります。
 ですので、今回、この三つのポイントの中で、ポイントは今エネルギーミックスと整合的にとおっしゃいましたが、むしろそこの二六%にとどまらない削減努力を追求をしてCOP26までに追加情報を出す、そしてそこには意欲的、野心的な削減努力を反映した数値を目指すということがポイントですので、これを引き続き努力を重ねてCOP26までに、国際社会に、日本が決して気候変動の取組を後ろに戻さない、より野心的なものを目指していくということを伝えるような実際の行動が大事であろうというふうに思います。
 ちなみに、環境省から問題提起をした石炭火力の海外への輸出のこの政策の見直しの議論、これは今関係省庁で実際に始まっていますので、環境省がエネルギー政策を所管せずとも問題提起から動くことがあることもありますから、しっかりとそこは環境省頑張っていきたいと思います。
○武田良介君 時間ですので終わりますが、脱石炭、是非求めて終わりたいと思います。

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関連資料

赤旗記事「臨時交付金の拡充を/武田氏 自治体支援後押し」

参考資料

決算委員会資料20200513