土地基本法等改定案の討論に立ち、「住民への悪影響を及ぼす再開発事業をより後押しし、憲法で保障された土地所有権を過度に制約しかねない」と反対を表明しました。
議事録
○武田良介君 私は、日本共産党を代表して、土地基本法等改正案に対し、反対の討論を行います。
本法案が災害の予防と対策を法の目的に明示したことや土地の管理を位置付けたこと、所有者不明土地の発生抑制、解消のための筆界の特定や手続の簡素化、地籍調査の迅速化、円滑化などは重要な改善です。しかし、以下の点で問題があり、賛成できません。
第一は、法案が住民への悪影響を及ぼすホテル建設や再開発事業などを一層後押しし、民間資本のもうけに奉仕する土地政策となる懸念があるからです。地価上昇の背景には、インバウンドを当て込んだホテル建設や、生産性が高いとしてオフィスビルを乱立する再開発事業が無秩序に行われていることがあります。法案は、こうした弊害を是正するどころか、新たに定めた土地の取引の円滑化は再開発事業推進の更なる後ろ盾になりかねません。国や地方自治体は、住民の生活とコミュニティーを破壊する市場任せの土地政策を改めるべきです。
第二は、土地所有者等に国や地方自治体が実施する土地政策への一般的な協力義務を新たに規定したことです。一般の土地所有者に何の限定もなしに協力義務を負わせることは、憲法で保障された土地所有権を過度に制約しかねず、容認できません。
以上、反対討論とします。