国会質問

質問日:2020年 5月 28日  第201通常国会  国土交通委員会

新型コロナによる建設業への影響について質問

国土交通委員会で、新型コロナによる建設業への影響について質問しました。

●現場での感染拡大防止にむけて、国交省が示したガイドラインを実効性あるものに!
●政府が事業継続を求めたのだから、政府の責任ですべての現場従事者、建設労働者にPCR 検査、抗体検査を!
と求めました。

国交大臣は検査について、「厚生労働省の所管」「国交省はまず感染拡大防止」といって踏み込んだ答弁をしませんでした!
厚生労働省と協議してみたい、くらいのことは答弁していただきたかった。

質問のあと、コロナという「かつてない事態」なのだから、「かつてない対策」を求めないといけなかったと認識をさらに深めました。
「建設現場は、例えば休憩所は3密状態になるのが当たり前だったから、そういうこれまでの当たり前を変えていく必要がある」との話を次善に伺っていたことを思いだし、
次に生かす!と決意。

質問の映像へのリンク

建設現場従事者にPCR検査を 2020.5.28

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 今日は、新型コロナの建設業への影響に関わって質問をさせていただきたいというふうに思っております。若干通告と順番変わったりするかと思いますけれども、よろしくお願いします。
 建設の現場は、皆さん十分御承知のとおりだと思いますけれども、感染のリスクと隣り合わせの職場であるというふうに思いますし、かつ、一日幾らというような状況で働いておられるいわゆる一人親方と言われるような方たちもいらっしゃる、下請構造の下で働かれている方がたくさんいらっしゃる、そういう業種であります。
 やっぱりそういうことを考えますと、自粛と補償は一体にということを訴えてまいりましたけれども、この建設業の問題を考えるときにもこれが非常に重要だと。宣言解除されても新しい生活様式ということが呼びかけられ、あるいはその影響が長期化する、もっと言えば、二波、三波ということも懸念されるということを踏まえれば、引き続き重要な姿勢ではないかなというふうに思っておりますが、具体的に質問に入りたいと思いますが、まず、現場での感染防止策について聞かせていただきたいというふうに思います。
 資料も付けましたけれども、現場では作業員の皆さんが休憩したり食事をしたりするいわゆる詰所、ここが三密状態になっているんじゃないかという指摘がございます。資料にはA工区、B工区というふうに付けておりますけれども、これ、大手ゼネコンがJVを組んでいる都心の現場ということでありまして、五月の二十六日の写真ということで私も紹介をいただきました。このA工区の方は机の間隔が空いていて、そもそも人が少ないようにも見えますけれども、余り密ではないように見えますけれども、B工区の方が人が密集もしているのかなというふうにも見えます。
 ただ、私、この資料をもってどこの現場だとか、どこの工区が対策できていないからこれではならないということだけを言いたいわけではなくて、現場の実態としてこういうことが報告も、報告もというか、私のところにも情報提供がありましたので紹介をさせていただいております。
 まず、国交省に確認をしたいと思うんですけれども、建設現場の詰所の実態を国交省はどのように把握されているのか、把握している現状について御説明いただければと思います。

○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 今御指摘ございましたように、建設工事の現場の中には、例えば場面で申し上げますと、朝礼であるとか、それから現場事務所での打合せ、それから御指摘がございました休憩室、そういったところがありますし、また、特に民間の建築工事ですと、内装の工事とか屋内でやる工事、こういったのがやはりいわゆる三つの密が生じやすい場面があるということで、場所の問題、場面の問題、両方認識してございます。
 それで、これまで国土交通省では、この三つの密の回避のために取組事例を作成をいたしまして業界団体に周知をしてきたところですけれども、今月十四日には、特にこの三つの密が発生しやすい、申し上げました内装工事の対策を拡充しましてガイドラインとして業界団体にも周知をするという取組を、こういった形で繰り返しやっているところでありまして、業界団体でもそれに応じて対策をいろいろ工夫をしていただいているところですけれども、一部の事業者団体では、自ら独自のガイドラインを作成する、そしてそれを指示する、こんな取組も進めていただいているところであります。
 私ども、こういった通知も出したり、あるいは現場の状況を把握したりということで、不断に取組を進めてまいりたいと思っております。

○武田良介君 このB工区の方も、労働組合の方に聞いたら、先ほど答弁いただいたようなガイドラインだとか一連の通知なども示しながら改善してほしいということを事業者の方にお願いをして、改善しましょうということでもう約束をいただいているというお話でありましたので、引き続き、改善は重要だということで取り組んでいただきたいというふうに私も思っております。
 今答弁の中にありました、五月十四日の国土交通省で出していただきました建設業の分野でのガイドライン、これは、やはり私もいろんなところからお話聞きましたけれども、具体的な対策として、現場の従事者の方、建設労働者の皆さんの声が、要望が反映されたものということで重要なものだというふうに私も思っております。問題は、これが実効性あるものになるのかどうかということだと思うんです。
 そこで、提案させていただければというふうに思うんですけれども、例えばこの現場の環境を整えていく上で、やっぱり元請の業者の責任というのはあろうかというふうに思うんです。このガイドラインを私も見ましたけれども、これを実行する上での、その現場でのコロナ担当者のような方を置くというようなことも、これ必要になってくるんじゃないだろうかと。日々その状況も変わったりするでしょうし、日々その状況を確認して、健康の担当者といいますか、衛生の担当者、コロナの担当者ということを元請の企業に置いていただくと、そういうこともガイドラインに盛り込んだらどうかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 今御指摘もございましたけれども、建設業の現場というのは複数の事業者が混在をして、元請、下請一体となって作業を行うということになってございます。そこで、労働安全衛生法の規定によりまして、統括安全衛生責任者など、工事の規模によっていろいろなんですが、工事現場における労働災害防止を推進する者を配置するということが法律上義務化されてございます。
 この新型コロナウイルス感染症対策につきましても、この者を中心といたしまして、さらには、これも労安衛法の中で設置する必要がある協議組織というのがございまして、いろんな元請とか下請の方々、全ての事業者が参加する協議組織、こういったものも活用して工事現場全体で感染拡大防止に向けての取組を行うこととなってございます。
 一方、御指摘がございましたガイドラインにおきましても、例えば経営トップが率先して対策の策定、変更を検討する体制を整えることでありますとか、あるいは今申し上げたような労安衛法の中にある衛生委員会、それから産業医、こういった方々のスタッフの活用を図るというようなことでございますとか、あるいは申し上げました総括安全衛生管理者とそれから保健所などとの連絡体制を確立すると、こういった防止対策の体制整備の留意点も記載をして注意喚起を行っているところでございます。
 こういった体制の構築にも十分留意をしながら、ガイドラインの実が上がるようにしっかり取組を進めてまいりたいと思います。

○武田良介君 是非お願いしたいと思います。
 もう一点、このガイドラインの関係で提案させていただきたいと思ったのは、これ読んで私が思ったのは、工事の一時中止をするということに関わっての記載が特にないんですよね。しかし、工事現場で感染者の方が出てしまったという事実もありまして、現場の方からは、命より大切な仕事はないだとか、家族としては心配しかないとか、業界全体が休む流れにならないと設備屋も出るしかないんだというようないろんな声を私も見ております。
 やっぱり、このガイドラインも感染予防のガイドラインということですので、一時中止に関わって、国交省としても関わる通知出していますから、そういったものをガイドラインに書いていく。一時中止をする場合の判断基準ですとか、あるいはそれを行った場合に行われる計画の変更だとか、追加費用の考え方だとか下請保護の原則、そういったことも含めてこのガイドラインに記載するということも提案したいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 公共工事につきましては、緊急事態宣言時においても継続を求められる事業者として位置付けられているということもございますし、また、その整備効果で地域経済を支えて、あるいは防災など国民の、住民の安全、安心な暮らしを確保する、こういったことから着実に工事は執行するべきという基本的な性格がございます。そこで、先ほど御説明申し上げましたけれども、密を回避する措置、これを具体的にお示ししながら、特に内装工事などにも配慮をしてというガイドライン、こういったものを徹底に努めているところでございます。
 ただ一方で、現場におきまして、その当該建設工事の状況、これを勘案をいたしまして、受発注者の間で協議をされて一時中止をするということにされた場合には、その御判断を私ども尊重することといたしております。一方で、一時中止とされた建設工事が再開される場合、これにつきましては、先ほども申し上げましたガイドラインに沿いました三つの密の対策をしっかりと講じた上で順次再開していただいているものというふうに承知をしてございます。
 また、もう一つ御指摘ございました、一時中止に伴って工期を変更するあるいは請負代金を変更する、こういった場合には、特にこういったケースでややもすると下請の方々が弱い立場に置かれてしわ寄せを受けるということが起きやすいと、こういったことを私ども認識をいたしまして、そういったことが起こらないように、また下請の皆さんのなりわいにも配慮するように、こういった趣旨の通知、ガイドラインではございませんが、別途通知をさせていただいたところでございます。

○武田良介君 是非、徹底を重ねてお願いしたいと思うんです。
 その一時中止にも関わって一つ考えておりますのは、PCR検査あるいは抗体検査なんですけれども、これを全ての現場従業員、建設労働者に受けてもらうということが必要になってくるんじゃないだろうかということを私思っております。先ほどの答弁の中でもありましたけれども、国の基本的対処方針で、社会の安定の維持の観点から必要な事業を継続すべき業ということで継続してきたわけなんですね。一方で、感染リスクということが言われているわけですから、やはりこれは国の責任でPCR検査だとか抗体検査だとか受けてもらうということを、これやったらどうかなというふうに思っております。
 これ、大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、検査そのものは国交省の所管ではないということかもしれませんけれども、建設の現場でそうやって働かれている労働者の健康だとか暮らし、しっかり守っていくために検査をやってほしいということで、是非調整を願えないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) よく御承知だと思いますけれども、PCR検査につきましては、厚生労働省において、ドクターが必要と判断した方がPCR検査を確実に受けることができるようその取組を進めている、そういうルールでやっているわけでございます。
 現場、公共交通機関ですとか公共工事の現場、大変な使命を受けてやっていらっしゃる方の感染防止という意味で、それぞれの業界団体が我々国土交通省の助言の下で作成をしていただきましたガイドライン、策定したこのガイドラインをしっかり守っていただくということが感染防止、現場での身を守るということに通じるというふうに思っておりますので、そうしたことを励行するというのが基本的な考え方だと思っております。

○武田良介君 その基本的な考え方は理解をした上で、是非検討、調整いただきたいと思うんですけど。
 私も調べた限りでは、イギリス、イギリスというかイングランドと言った方が正確なのかもしれませんけれども、の方では、建設現場の労働者に対してPCR検査やるというふうにしてきているようなんですね。最初は医療だとか介護の従事者の検査ということを急ぎ、その後、社会的な機能を果たすために必要な業種、あるいは高齢で、六十五歳以上と聞いていますけれども、症状が出ている方だとか、併せて出勤をどうしてもしなければならないような労働者の方には検査を受けてもらうということで拡充してきたということもあるようですので、こういうものに大いに学んでいくべきではないだろうかというふうに思っております。
 その検査と併せてセットで私提案させていただきたいと思ったのは、その一時中止ということは感染リスクを考えれば非常に切実な願いなんですけれども、それ決断するのは、これ、要は、その発注者と元請の間で協議がされてということだというふうに理解しておりますが、その協議をする際に、下請を含め、できれば一人親方も含めてということなんですけれども、そういった皆さんの声も反映させて一時中止するのかどうか、こういう協議できる仕組みというのを是非検討いただけないかということを思っております。
 仮にPCR検査がされている、抗体検査が一定されているということになれば、その現場でどれだけの労働者がどういう抗体を持っているだとかどの程度持っているだとかということが一定分かってくる。工事止めるにしても、全面的に止めるのか一部止めるのか、あるいはそのときに出てくる労働者はどうするのか。個別具体の対応を取ることも可能になってくるんじゃないだろうかというふうに思いますので、PCR検査、抗体検査、これ行っていただくことと一体に、そういう判断するときには是非下請の皆さんの声をしっかり聞いていく仕組み、これも必要になってくるんじゃないかというふうに思うんですけど、国交省、いかがでしょうか。

○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 基本的に工事を止めるか否かというのは、御指摘ありましたように、最終的には発注者と元請の方できちんと決めていくということになるとは思うんですが、先ほど御紹介申し上げましたように、その現場の状況を、これをしっかりと協議をしていくその仕組みとして衛生委員会というのがありまして、これは下請も含めて全ての方々が協議に参画できる、こういった仕組みも整えておりますので、そういったことを通じながら現場の状況を把握して、最終的には元請さんの方で発注者の方と責任持って協議していくということで進めていくことになるのかなと思います。

○武田良介君 労働安全衛生法の紹介も二度ほど今日の質疑の中でも紹介をいただきましたので、そういったものも含めてよく徹底をしていただいて、下請保護やっていただきたいというふうに思います。
 時間が来てしまいまして、補償の問題ももう少し触れたかったんですけれども、済みません、最後まで質問行けませんでしたけれども、これで終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

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関連資料

赤旗記事「建設従事者にPCRを/武田氏 感染の危険と隣り合わせ/参院国交委」

参考資料

20200528国交委員会資料(建設コロナ)