国会質問

質問日:2020年 6月 9日  第201通常国会  国土交通委員会

サブリース業法案を質疑

参議院国土交通委員会で、サブリース業法案の質疑に立ちました。これは、レオパレスやかぼちゃの馬車の事件を背景に、日本共産党が求めてきた賃貸住宅管理業者に登録を義務付け、またサブリース業者に誇大広告、不実説明を禁止する中身。要求が実った形です。

しかし、被害を受けたオーナーさんの救済には踏み込んでいないので、この点について求めるとともに、勧誘の際にはサブリース業者だけでなく、不動産業者や建設業者が一緒になって勧誘しますから、こういう事業者に対する登録も求めました。
「35年一括借り上げ」「10年家賃保証」のような表現は、それそのものでは直ちに誇大広告にはならない。しかし、そういう言葉はあちこちで飛び交っています。「サブリース業者にしっかり説明させる」というが、それができれば万事OK!?

言いたいことはあるが、これは新法。いまある法律の改正ではなく、新しく法律を作るのです‼️(まだ本会議を経ていないので成立はしていませんが)
どれだけの方の涙が流されたか、そういう思いの上に作られた法案ではないかと思います。

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サブリース業者の実効性ある規制必要 2020.6.9

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 今回のいわゆるサブリースの法案ですけれども、この間、問題となってきましたレオパレスだとかかぼちゃの馬車だとか、こういった問題が背景にあってのことかなというふうに思っております。これまで任意の制度とされてきた登録制度を法律に明確に位置付けて義務付けていくということなど、この間、求められてきた内容が盛り込まれた重要な法案だろうというふうに思っております。
 今回の法案を、私もまず注目して見たのはオーナーの保護がどうなるのかというところでありまして、賃貸物件の所有者、オーナーさんですね、この保護について今回の法案でどのように位置付けられているのかということと、またさらに、今回のこの法案だけではなくて、さらにオーナー保護について検討されていること、その考え方について、まず大臣にお伺いしたいというふうに思います。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 今回の法律案におきましては、サブリース業者及びサブリース業者と組んで勧誘を行う勧誘者による誇大広告や不当勧誘を禁止すると、こうしたことを課すということが一つでございます。もう一つは、賃貸住宅のオーナーから住宅を借り上げるための賃貸借契約、いわゆるマスターリース契約の締結前に重要事項説明の義務付けをこの法律で求めるということでございまして、こうしたことを柱にサブリースに係る契約の適正化を図るということにしております。
 ただ、先ほどから各委員から御質問が出ていますように、こうした法改正をして、それをどう実効性を持って機能させるかということが非常に大事だという御指摘もありました。全くそのとおりでございまして、現場で活用ができるガイドラインの策定に取り組むとともに、オーナーと事業者の双方が今回の法令やガイドラインを含めて正確な知識を身に付けていただいて事業を展開していただけるよう、関係省庁であります金融庁、消費者庁や業界団体、関係機関との連携を一層強化して、しっかりと、絵に描いた餅にならないような実効性のあるものにしていきたいと、こう考えております。

○武田良介君 しっかりと実効性あるものにしていく、私も重要なことだというふうに思っておりますが、このオーナーの保護なんですけれども、レオパレスの問題などが大変にかつてなりました。我が党の宮本岳志前衆議院議員でありますけれども、二〇一三年の四月のときにレオパレスの問題を取り上げまして、今の法務大臣でいらっしゃいます森まさこ議員でありますけれども、当時、消費者担当大臣であられまして、そのときに、その質疑の際に、この消費者の問題について、どこかの省庁できちっと引き受けなければならないし、救済しなければ問題であると認識しておりますという御答弁もいただいておりまして、非常にここ重要な問題だなというふうに思っております。
 やはり今回の法案の背景にも、このオーナーの被害というのがあったというふうに思うんです。私も、今回の法案に当たって、オーナーの皆さんから是非救済をという声も改めてお伺いをいたしました。
 そこで、今日は消費者庁にも来ていただいておりますけれども、この救済という問題に消費者庁はどう取り組むのか、伺いたいと思います。

○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 アパート等のオーナーから事業者が部屋を一括で借り上げ転貸するサブリースに関しましては、賃料減額などのトラブルが発生しております。
 この点、サブリースにおける貸主が消費者に当たるかという点がまず問題となりますが、消費者契約法における消費者とは、事業者として又は事業のために契約当事者となる場合を除く個人を指し、事業とは、一定の目的を持ってなされる同種行為の反復継続的遂行をいいます。サブリースにおける貸主についても、契約当事者たる当該貸主が個人であって同種の行為を反復継続的に行っていると見られない場合は、消費者契約法において消費者と見ることができる場合があり得ると考えております。もっとも、消費者契約法は民事ルールであるため、最終的には裁判所において個別具体的な事例の該当性が判断されます。
 このように、サブリースの貸主が消費者と見ることができる場合があり得るという観点から、消費者庁においては、これまでも、国土交通省及び金融庁と連携して、アパート等のサブリース契約を検討している方向けの注意喚起を行ったところでございます。本法案が成立した暁には、本法案の消費者向けの周知や消費生活相談員向けの研修等を引き続き国交省等と連携して、サブリースに関する消費者トラブルの防止のための取組を進めてまいります。

○武田良介君 なかなか市民的には今の答弁聞くとよく分からないのかなというふうに思うんですけど、消費者としての性格がある場合があるというお話がありました。
 例えば、サラリーマンの方だとかで投資目的で不動産に対して投資をしたと、そういう事例もあるというふうに聞いていますが、こういう場合、これ消費者性があるということなんでしょうか。

○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 繰り返しになりますが、契約当事者たる当該貸主が個人であって同種の行為を反復継続的に行っていると見られない場合は、消費者契約法において消費者と見ることができる場合があり得ると考えております。
 ただし、消費者契約法は民事ルールであるため、最終的には裁判所において個別具体的な事例の該当性が判断されます。

○武田良介君 消費者としての性格があるということはこれまでも答弁いただいておりますし、今日も御答弁をいただきました。
 やはり新法の背景というのは、こういうかぼちゃの馬車だとかレオパレスの問題だとか、こういった問題があって、先ほど来話もありましたけれども、多額の負債を抱えてしまっただとか、そういった方がたくさん生まれてしまった。そして、こういう方たちに対する救済と、やっぱりこういう課題があっての今回の法案だというふうに思いますので、更に踏み込んだ対応が今後求められてくるというふうに思います。
 ちょっと重なる質問にもなりますけれども、今回、賃貸住宅管理業の登録を義務付けるということでありますが、この関係について質問させていただきたいと思います。
 これまで任意だったものを義務付けるということで、大いに歓迎をしたいというふうに思うわけですけれども、国土交通省令で定める規模未満であるときはこの限りではないということでありました。だから、この規模はどの程度になるのかということと、その対象外にした理由ということで御説明いただけますでしょうか。

○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 賃貸住宅管理業を行う方の中には、申し上げましたように、縁故などによりまして小規模に事業を行っている方、これが一定数おられ、このような小規模事業者についてまで一律に登録を求めるということになりますと、業務管理者の育成、雇用を始め、その負荷からすると過剰な規制になるのではないかということで登録を任意とすることといたしておりまして、具体的には、国土交通省令におきまして二百戸未満と定めることを予定しているところでございます。

○武田良介君 仮に二百戸未満のような小さな会社を意図的につくって登録を逃れようだとか、そんなことは懸念されないものでしょうか。

○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、例えば二百戸未満の会社を複数立ち上げてその登録逃れというようなこと、これを想定いたしますと、確かにそういった方々の管理業者の登録は不要ということになりますけれども、管理業を専業で行う業者が社会的信用が得られる登録を受けるということがこの法律が施行される中で一般的になる中で、委託を行われるオーナーさんが登録を受けていない事業者を積極的に選択するということは合理的ではないと考えておりまして、分社化してまで登録を逃れようという合理性、これは乏しいものではなかろうかというふうに考えてございます。
 なお、二百戸未満を管理する業者でありましても、登録を受けること自体は、繰り返し申し上げておりますように可能でございますので、これはビジネスとして、縁故などではなくて、展開される業者さんは登録を受けることが望ましいと考えておりまして、国土交通省としてもそういった推奨をしてまいりたいと考えております。

○武田良介君 答弁をいただきました。
 もう一点、その登録に関してなんですけれども、賃貸住宅の、今回の法案に関わる、その前のアンケートですね、業務に関するアンケート、これ見ますと、サブリース物件の取得、購入の際に受けた営業、勧誘の状況ですね、サブリース業者のみの営業は一割程度、不動産だとか建設会社が関与する営業の割合は六割、六割になるんだという結果がありました。
 この勧誘者となる不動産業者であったりだとかあるいは建設の業者だったりだとか、こういった方たちが登録の対象に加えるということは、これ法案の作成過程で検討されなかったのでしょうか。
○政府参考人(青木由行君) 御指摘のとおり、サブリースの勧誘に当たりましては、不動産販売会社、建設会社を始めとして、これは資本関係あるいは契約関係を問わず、また実は、法人、個人を問わず、大変多種多様な業種の方が行っているという、こういう現状がございます。
 そういった現状を踏まえますと、こういった方々に、例えば勧誘を行うたびにその都度登録を行っていただくという規制を、そういったことを想定いたしますと、言わば社会的なコストがどのようになるのか、そしてその規制が実効性が上がるのか、こういったことを考慮いたしますと、私どもといたしましては、今回のように、勧誘者については、サブリース業者と同じく不当な勧誘等の行為を規制することによりまして事業の適正化を図ることとしたいと、このように考えたところでございます。

○武田良介君 実態としては、サブリース業者だけではなくて、不動産だとか建設の関係の方も一緒になって勧誘をするというのが六割占めるわけでありますから、こういった皆さんに対する規制、歯止めということも今後また検討されていく必要もあるのかなというふうに考えております。
 一点、賃貸住宅物件の問題では、レオパレスで違法建築が行われていたというのは、これ周知の事実だと思うんですけれども、そういったものを許さないことが必要だというふうに思っておりまして、その点で、建設業法の関係で一点お伺いしたいんですが、この本法案が仮に成立しましたら、これ、建設業法の第二十八条、二十九条のところに係る他法令違反というところに含まれてくるんでしょうか。

○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 御指摘のように、建設業法第二十八条におきまして、建設業者がその業務に関しまして、他の法令に違反し建設業者として不適当であると認められるときには、指示処分などの監督処分を行うことができることとされてございます。
 今回の賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律につきましても、建設業法第二十八条に規定する他の法令に含まれるものと考えてございまして、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律に違反し、建設業者として不適当であると認められるときには監督処分の対象となると考えてございます。

○武田良介君 対象となる、含まれるということだと思います。
 時間がありませんので進みたいと思いますけれども、サブリース業者に課す義務として、先ほど来出ているように、誇大広告の禁止あるいは不当な勧誘の禁止というのが含まれております。
 私もインターネットでぱっと検索しますと、例えば三十五年一括借り上げだとか十年間賃料固定とかという広告は今でもばあっと出てくるんですね。これは誇大広告になるんでしょうか。

○政府参考人(青木由行君) 繰り返しですけれども、この法律案におきましては、サブリース業者に関する行為規制といたしまして、誇大広告の禁止、不実告知の禁止を義務付けることといたしております。
 お話がございましたような家賃保証あるいは空室保証との表現を用いること自体が直ちに誇大広告、事実不告知に該当するものではございませんけれども、その文言を使ったときに併せて賃料減額リスクの表示あるいは告知が行われていない場合には、これは誇大広告、不実告知として規制の対象となると考えてございます。

○武田良介君 なぜこういう聞き方したかというと、やはり市民の方からすると、誇大広告の禁止と言っているのにインターネットを検索したらまだいっぱい出ているじゃないかということになると、結局これどういう法案だったのかという話にもならないかなというふうに思いまして、市民の皆さんの目線ということでこういう聞き方をさせていただいたわけですけれども。
 今回の法案では、誇大広告の禁止、不実の説明の禁止、その他の国土交通省令で定める事項、ものというただし書があります。これ、具体的に何を想定されているのか、どういうものが誇大広告、不実の説明に当たるのか、この点について説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(青木由行君) サブリース事業におけるトラブルを未然に防止していくためには、これは規制の対象となる誇大広告、不当な勧誘行為が一体どういうものか対象を具体的に明示していくこと、これが規制の実効性を確保する上で大変重要でございます。
 このため、現場の実態を踏まえまして、具体的な規制の対象となる広告、勧誘等を類型化しまして、具体的な事例を明示しながら、言わばそのオーナーの方の動機を形成するというところが錯誤に基づいたものにならない、そういったリスクを伴わないようにする、こういった実効性のあるガイドラインを策定してまいりたいと考えてございます。

○武田良介君 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。

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