災害時等の船舶を活用した医療提供体制の整備を推進する法律が6月11日の参院本会議で、全会一致で可決、成立しました。それに先立つ9日、日本共産党の武田良介議員が参院災害対策特別委員会で質問しました。(スタッフ)
議事録
○武田良介君 日本共産党の武田良介でございます。よろしくお願いいたします。
本法案が目的とする船舶を活用した医療提供体制の整備の推進は、災害が発生し、あるいは感染症が発生し、またあるいはそのおそれがある地域において必要とされる医療を提供することで、国民の生命及び身体を守るために行われるべきだというふうに思います。
そこで、まず、本法案の基本理念について確認をさせていただきたいと思います。
○衆議院議員(額賀福志郎君) 武田委員にお答えをいたします。
先ほど金子委員長から趣旨説明がありましたけれども、この基本理念につきましては第二条に述べられております。災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進は、災害が発生をし、又は感染症が発生し若しくは蔓延し、若しくはそのおそれがある地域において必要とされる医療を船舶を利用して的確かつ迅速に提供することにより、当該地域にある医療施設の機能を補完し、国民の生命及び身体を災害又は感染症から保護することにあるということでございます。これはもう武田委員御承知のとおりであります。
ポイントは、災害が発生した地域において必要とされる医療を船舶を活用して的確かつ迅速に提供すること、それは、当該地域等における陸上の医療施設の補完的な役割を果たして国民の生命、財産を守るということに尽きると、こう思っております。
よろしくお願いします。
○武田良介君 船舶を活用して医療施設の機能を補完するということだというふうに思います。
内閣府の病院船の活用に関する検討会の報告書見ますと、様々な課題が指摘をされております。病院船が医療活動を行うまでのタイムラインを検討しますと、病院船は、災害が発生してから被災地周辺の海域に移動するまでに少なくとも七十二時間を要するというふうに想定をされております。さらに、病院船を接岸して活用するためには、被災地周辺の港湾、航路について船舶の運用に支障がない程度にまで機能を確保することが必要だというふうに指摘をされておりまして、東日本大震災の際には、瓦れきの撤去、接岸場所の安全確認、航路啓開等が必要となり、これらへの作業の着手は地震発生後七十二時間程度が経過した後となり、緊急物資輸送船が港湾の利用開始まで最短で三日間、多くの岸壁が利用可能となり、緊急物資以外の物資、燃料などを積載した船舶の入港は最短で五日程度を要したというふうにあります。
こうした課題について、今後どう検討されていくのか、提出者の考えを伺いたいと思います。
○衆議院議員(津島淳君) 御質問ありがとうございます。
武田委員の御質問にお答えをいたしたいと存じます。
私、東北、青森の選出、今日は滝沢委員もおられますが、東日本大震災はまさに地元で起きた大災害であり、まだいまだに脳裏に焼き付いているところであります。その震災というものがまさに船舶を活用した災害医療の提供ということに関わる端緒であったということでございます。
委員御指摘のとおり、この病院船の活用に当たっては検討すべき様々な課題があると認識をしております。特に、災害時における船舶の移動や入港等には制約があるということ、そして病院船の役割は陸上の医療機関を補完するものであるということには、これは留意が必要だと考えます。
その上で、地震であるとか津波であるとか、あるいは豪雨災害といった災害の種類、あるいはその規模に応じどのような機能の補完が求められるのかということを検討する、それが非常に重要なことであると考えております。
いずれにしても、この課題については、本法律の制定、成立後に設置される船舶医療活用推進、船舶活用医療推進本部において適切に検討されるものと考えております。
以上です。
○委員長(新妻秀規君) おまとめください。
○武田良介君 はい。
ありがとうございました。
医療従事者の方の確保というのも最大の課題だというふうに指摘をされています。その点についても力を注ぐ必要があるというふうに申し述べまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。