国会質問

質問日:2022年 4月 18日  第208通常国会  決算委員会

決算委員会で、静岡県の東富士演習場での日米共同演習をやめよ、と質問しました

4月19日、武田良介議員は決算委員会で、静岡県の東富士演習場で強行された日米共同訓練の問題、山梨県上空での空中給油の問題について、質問しました(スタッフ)。

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 三月四日から二十五日、日米共同訓練が東富士演習場及び今沢の海浜訓練場において行われました。自衛隊と米軍が水陸両用作戦を展開する際の相互連携要領を実際の行動によって確認、訓練するものだということです。米軍の今沢海浜訓練場では、ボートや上陸用舟艇を使って上陸作戦を展開いたしました。東富士演習場は、射撃訓練等々行われております。オスプレイの共同訓練、あっ、オスプレイが共同訓練に使われ、F35も使用をされております。
 まず初めに、防衛省に確認をしたいと思います。
 この東富士演習場ですけれども、歴史的経過のある演習場であります。今回の東富士演習場での日米共同訓練に際しては、二〇二一年十一月十六日、東富士演習場行政・権利協定当事者合同会議が行われています。これ、出席者は、地元の自治体であります御殿場市、裾野市、小山町といった関係自治体、加えて、東富士演習場地域農民再建連盟、そして防衛省だと思います。そして、その中で地元側が、日米共同訓練に関する原則合意事項の確認、これを示しました。これ、重要な中身があるというふうに思っておりますけれども、どのような内容か、御紹介をください。

○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。
 ただいま委員から御質問がございましたけれども、東富士演習場におきます日米共同訓練に関する原則合意事項として六点掲げられているところでございます。
 順に申し上げますけれども、第一点は、米軍東富士演習場全面返還の方針を堅持することにより、東富士演習場において日米共同訓練を恒常化し、日米共同演習場化しない。
 第二点目でございますが、国は、日米共同訓練その他施設区域の使用目的の重大な変更がある場合は、東富士演習場使用協定、この後、使用協定といいますが、これを遵守し、地元と協議をし、双方納得の上で対処する。
 第三点目が、全ての演習は、演習通報をもって通知し、二元管理による競合矛盾を発生せしめない。
 四点目、東富士演習場の使用については、今後とも、使用協定及び東富士演習場の使用転換に関する協定書、これは昭和四十一年三月一日のものでございますけれども、これを遵守し、国は地元と協議しつつ、円滑に運営することとする。
 五点目でございますが、日米共同訓練において、自衛隊及び米軍は、それぞれの指揮系統に属し、使用区域を全く別にし、兵器、車両、航空機を共同使用することはなく、いわゆる二元管理にわたることはない。
 六点目でございますが、日米共同訓練の問題については、全て使用協定及び駐屯地・営舎地区覚書、これは昭和六十年三月二十八日付けのものでございますけれども、これに基づく使用協定当事者の協議によって措置するものであり、地元の同意がなくして日米共同訓練を実施しない。
 以上の六項目となっているところでございます。

○武田良介君 六点あると。一点目、後で触れます。
 三点目に二元管理による競合矛盾を発生せしめないというふうにありますが、これはどういう意味でしょうか。

○政府参考人(岡真臣君) ただいま委員から御質問のあった点でございますけれども、これは地元の御懸念として、米軍の方は日米地位協定を演習場使用の根拠とすると、そして自衛隊の方は地元と交わした東富士演習場使用協定を根拠とするということで、両者に適用される法律に競合あるいは矛盾といったことが生じる可能性があるのではないか、そういう御懸念がございます。そのようなことにならないように、先ほど申し上げたとおり、東富士演習場において日米共同訓練を実施する際には原則合意事項として地元との間で確認をしているというところでございます。

○武田良介君 最後、一点確認します。
 国は、冒頭紹介したこの当事者合同会議、その後、日米共同訓練の特別委員会も同じ二一年の十二月二十四日、それから二二年の二月二日、二日間にわたって開催をされ、ここでも再度この内容を確認しているというふうに思います。
 今回の日米共同訓練においてもこの原則合意事項について変わりがないということを確認しているということで間違いないでしょうか。

○政府参考人(岡真臣君) 先ほども申し上げましたように、日米共同訓練を実施する際には原則合意事項として地元の皆様と確認を行ってきているところでございまして、防衛省としても、引き続き、地元の皆様方の御意向を伺いながら適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。

○武田良介君 このように、東富士演習場は使用協定を重ねて運用してきたところなんですね。この二元管理は行わない、つまり、この日米の個別使用ということは、つまり同じ時間又は同じ場所での同じ指揮系統による訓練はしないということです。そして、今回の共同訓練でもこれは守られると。
 防衛大臣にお伺いしたいと思いますが、日米共同訓練は二元管理に当たるのではありませんか。

○国務大臣(岸信夫君) 陸上自衛隊の水陸機動団と米軍の第三一海兵機動隊、機動展開隊は、先ほど指摘されました三月四日から二十五日までの間、日米間の連携強化、共同対処能力の向上を図るため、静岡県の東富士演習場及び沼津海浜訓練場を使用して共同訓練を実施いたしました。この訓練では、陸上自衛隊のV22オスプレイを始めとして米軍と共同訓練を実施し、日米のオスプレイによる共同編隊飛行や陸自の水陸機動団と連携したヘリボーンによる空中機動訓練などを実施をしたところであります。
 東富士演習場で日米共同訓練を行うのは今年、今回で九回目となりますが、今回の日米共同訓練においても、日米共同訓練に関する原則合意事項の内容を事前に地元と確認し、了解を得た上で実施をしており、今後とも、地元の合意を踏まえつつ、地元と意思疎通をしっかり図りながら実施してまいりたいと考えています。

○武田良介君 いえ、日米共同訓練は二元管理に当たりませんかと聞かせていただいております。

○国務大臣(岸信夫君) 先ほども申しましたけれども、日米共同訓練に関する原則合意事項というものを地元と確認をし、了解を得た上で実施をしてきております。今後とも、地元の合意を踏まえつつ、意思疎通をしっかりと図りながら実施してまいりたいと考えております。

○武田良介君 いや、ここに時間使ってもしようがないんですけれども、そうじゃなくて、二元管理に反しませんかと。だから、原則合意事項の確認からすれば、これは守られるべき話だと今確認させていただきましたから。いかがですか。

○国務大臣(岸信夫君) 今回の共同訓練においては、地元との合意に反しない形で行われております。

○武田良介君 なぜ反しないのかということを聞いているわけであります。共同訓練ですよね。先ほど確認させていただきました、それぞれ別個にやるんだと、時間又は場所を分けると、指揮系統別だと。でも、共同訓練じゃないですか。反しないかと聞いているんです。(発言する者あり)

○委員長(松村祥史君) 岸防衛大臣。

○国務大臣(岸信夫君) 失礼しました。
 共同訓練に関しては、地元との合意に反しない形で行っております。

○武田良介君 いや、何でそこにこだわるのか全然分からないんですけれども、共同訓練、じゃ、これ、二元管理やっているということなんですか。反しないと言っているけれども、説明になっていないですよ。

○政府参考人(岡真臣君) 先ほども申し上げましたとおり、日米共同訓練を行うに当たって、この地元との関係で、日米共同訓練に関する原則合意事項の内容、これをしっかり確認をいたしているところでございます。それを踏まえて共同訓練を行っているところでございまして、いずれにいたしましても、引き続き、地元との合意を踏まえながら、地元との意思疎通をしっかり図りながら実施していきたいというふうに考えているところでございます。

○武田良介君 事前に防衛省からは説明求めて、もちろん聞きましたよ。そうすると、同一の場所又は時間。又はだから、分けりゃいいんだと、どっちかを。つまり、演習場の中に自衛隊の演習場所と米軍の演習場所と線引いて、同じ時間であっても互いに互いの顔を見ながら訓練できるんだという話をされておりました。しかし、当然、これ日米共同訓練ですから、そういう一環でやっているという共通理解があってやっているわけであって、実態としてこれ共同訓練になるのではないかということを私指摘をさせていただきたい。
 もう一つ、一旦この日米共同訓練離れまして、資料の二を付けさせていただきました。これ、今年一月に行われたパラシュート降下訓練なんです。一月二十八日、陸上自衛隊第一空挺団のツイッターへの投稿であります。これ見ますと、第一空挺団は、一月二十五日、昨年に引き続き、米空軍機十三機からの降下訓練を東富士演習場において実施しましたというふうに言っています。米空軍機十三機から降下訓練を自衛隊が行っている、東富士演習場でと。二元管理に反しませんか。

○国務大臣(岸信夫君) この第一空挺団については、今御指摘のように、一月、東富士演習場において、在日米軍の所属のC130J輸送機から空挺降下訓練を実施をいたしました。他方、本件、本訓練は、専ら陸自の戦術技量の向上を図る目的とするものであり、在日米軍から降下員の降下などの支援を受け、陸上自衛隊の単独訓練として実施したものであり、御指摘には当たりません。

○武田良介君 つまり、陸自の独自の訓練を米軍が支援したという話なんですね。
 これができる、その、じゃ、根拠は何ですか。

○政府参考人(大和太郎君) 防衛省・自衛隊は、その任務を達成するために様々な訓練、教育訓練をやっているところでございます。これは、設置法あるいは自衛隊法の根拠に基づいて行われているものでございます。
 また、繰り返しになりますが、本訓練は、陸自の隊員の固定翼機からの降下機会を増加させることによって空挺作戦に必要な戦技技量の向上を図ることを目的として、在日米空軍の支援を受けて実施しているものであります。今回の訓練は専ら陸自の戦技技量の向上を図ることを目的とするものでありまして、在日米空軍は降下員の降下などを支援するものであるということであるため、日米共同訓練には当たらないと整理しているところでございます。

○武田良介君 こんなことが許されれば、事実上の日米共同訓練やりたい放題だということだと思いますよ。これ、昨年に引き続きと書いています。初めてじゃないということですよね。日常的にやっていたわけですか。

○政府参考人(大和太郎君) 国内における米空軍機からの降下訓練の実績といたしましては、例えば二〇二一年度で申しますと、習志野演習場、東富士演習場、日出生台演習場、また東富士演習場とで計四回、米軍の支援を受けて降下をやっているところでございます。

○武田良介君 二〇〇〇年以前もあるわけですか。二〇二〇年、二〇二〇年以前もあるわけですか。

○政府参考人(大和太郎君) はい、二〇二〇年度も実施をしてございます。二〇二〇年度につきましては、七月に王城寺原、八月に北海道の大演習場、九月に習志野演習場、十月に王城寺原、そして二〇二一年の三月に東富士演習場で実施をしているところであります。

○武田良介君 いや、もう事実上の日米共同訓練やりたい放題という状況ではないかというふうに思います。
 ちょっと時間がありませんので、日米共同訓練に戻ります。
 この日米共同訓練の期間中に、甲府市の上空で米海兵隊のKC130空中輸送機とF35B戦闘機、三月の二十三日ですけれども、空中給油を行っていたことが明らかになりました。これについて事前に防衛省は承知しておられましたか。

○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。
 米軍機の個々の運用の内容あるいは、ああ、等につきましては、米軍の運用に関する事項でございますので、必ずしも承知をしているわけではございません。
 委員御指摘の点につきましては、防衛省として事前には承知をしておりません。

○武田良介君 我が党の井上哲士参議院議員が三月三十一日の外交防衛委員会において、この給油機、空中給油について米軍に確認するよう求めております。答弁は米軍の回答待ち。四月の二十五日にも、ああ、失礼しました、四月の五日にも確認をし、抗議すべきと質問しておりますけれども、このときも回答待ちであります。その後、どうなったんですか。

○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。
 御指摘の点につきまして、米側に事実関係の確認をしているところでありまして、現時点において回答が得られていないということでございます。

○武田良介君 そんな対応じゃいかぬと思うんですね。
 空中給油は、二〇一六年の十二月に、空中給油中に給油ホースがプロペラに接触して墜落したという事故を踏まえて、当時の稲田防衛大臣が、陸地から離れた海域での上空でしか実施しないと、陸上では実施しないと確認していると言ってきたものです。国民の命が懸かった問題であります。いつまで回答なしで許されるというふうに思うのかということであります。
 こうした空中給油は過去にも行ってきたのではないか。羽村市の羽村平和委員会は、ウエブサイト公開の放送型自動従属監視の航空機の航跡で、岩国基地配備のKC130J空中給油機が富士山北側で過去に二回、給油のため陸上競技場のトラック状に旋回を繰り返していたということを確認されました。このうち、二〇二〇年の十二月三日は、同時間帯に日米共同演習に参加をする米海兵隊MV22オスプレイ六機、相馬原演習場に飛来をしています。そして、二〇二一年一月十四日に飛来した直後には、岩国基地の米海兵隊FA18C戦闘攻撃機二機、東富士演習場で模擬弾投下訓練を実施をしています。これらの際に空中給油は行っていたんでしょうか。

○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。
 二〇二〇年十二月三日、また二〇二一年一月十四日に給油を行ったのではないかという、そういう趣旨の報道等もあることは我々も認識をしておりまして、こういったことも含めて現在米側に対して事実関係を確認をしているところでございます。

○武田良介君 これまでも繰り返されていたとすれば大変重大でありまして、事実関係の確認を求めたいというふうに思います。
 最後に、日米共同訓練に関する原則合意事項、その第一、米軍東富士演習場全面返還の方針を堅持することにより、東富士演習場において日米共同訓練を恒常化し、日米共同演習場化しない。しかし、この東富士演習場は通常訓練もやっています、自衛隊の通常訓練、米軍の通常訓練。更なる地元負担を強いられているんだというのが地元の皆さんの怒りの声です。
 日米共同訓練が恒常化することになれば、全面返還方針に反するのではないかというふうに思いますけれども、大臣、見解を伺いたい。

○国務大臣(岸信夫君) 東富士演習場において日米共同訓練を実施するに当たっては、米軍の東富士演習場全面返還の方針を堅持することを地元の関係者の皆様と確認をさせていただいております。
 このように、日米共同訓練の実施が米軍の演習場全面返還の方針に逆行するとの御指摘は当たりません。

○武田良介君 当たりませんと、その一言ですけれども、しかし、地元の皆さんの怒りは強いものがあるわけですね。
 この使用協定が繰り返されてきました。今、第十二次の使用協定です。少なくともこの期間中には二度目やってもらっては困ると、地元の自治体が、住民の皆さんが怒りの声を上げているわけですから、そのことをしっかりと受け止めていただかなければならない。そのことを指摘をして、私の質問を終わります。

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