国会質問

質問日:2022年 4月 25日  第208通常国会  決算委員会

決算委員会で、静岡市にある桜ヶ丘病院を津波の危険区域に移転する計画と、知床遊覧船問題で政府を追及。

4月25日、武田良介議員は決算委員会で、23日に起きた北海道の観光船沈没事故について政府の対応をただすとともに、静岡市清水のJCHO桜ヶ丘病院がわざわざ津波浸水想定区域を選んで移転する問題について、国交省、厚労省を追及しました(スタッフ)。

議事録

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 冒頭、知床観光船の事故について一問伺いたいと思います。
 四月二十三日午後一時十五分頃、北海道知床半島の沖合を航行中の観光船KAZUⅠから、船首が浸水し沈みかけていると第一管区海上保安本部に連絡が入ったということであります。乗客は子供二人を含む二十四人、乗員二名、計二十六名ということであります。本日の昼までに三歳の子供さんも発見されて死亡が確認されたということで、これまで十一人の方が亡くなられたということであります。
 亡くなられた方に心から哀悼の意を表したいというふうに思います。
 国交省に伺いますけれども、二十三日に対策本部会議を開催をし、斉藤国交大臣は、運航会社である知床遊覧船に対して海上運送法に基づく監査を行う考えを示したというふうに言われておりますけれども、国交省が現時点で把握している事実関係と国交省の対応について説明を求めたいと思います。

○大臣政務官(木村次郎君) お答えいたします。
 二十三日午後一時十三分頃、北海道斜里町知床岬西側を航行中の観光船KAZUⅠから浸水している旨の救助要請を海上保安庁が受けました。同船には、委員御指摘のとおり、乗客二十四名、そして乗員二名の計二十六名が乗船しておりましたが、現時点までに十一名が救助をされたものの、その全員の死亡が確認されたところでございます。また、残る十五名につきましては依然として行方不明との報告を受けております。なお、この同船についてもいまだ発見されてございません。
 改めて、事故によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。
 本件事案の発生を受けまして、総理から、人命救助を最優先にあらゆる手段を尽くして救助に取り組むことという指示がございました。政府としては、二十三日十七時三十分に官邸内に情報連絡室を設置し、関連情報の集約を行うとともに、現場周辺海域においては、海上保安庁の巡視船、航空機、北海道警察のヘリコプター、自衛隊の航空機等が捜索救助活動を行っております。
 また、国土交通省においても、二十三日十六時三十分に事故対策本部を設置いたしました。また、と同時に、その後二十四日には北海道斜里町に現地の対策本部を設置いたしまして、国土交通大臣を派遣するなど、政府一体となって対応に全力を挙げているところでございます。
 また、昨日二十四日より国土交通本省及び北海道運輸局の職員が有限会社知床遊覧船、斜里町に所在しておりますが、の事業所に立ち入り、特別監査を実施しているところでございます。
 引き続き捜索救助活動等の事故対応に全力を挙げて取り組んでまいります。

○武田良介君 いまだ見付かっていない方がたくさんいらっしゃいます。救命救助は時間との勝負でもありますので全力を尽くしていただきたいというふうに思いますとともに、この会社は昨年二回、五月、六月にも事故を起こしているということでありますので、その事故の原因の究明、今回ももちろん含めてですね、徹底した原因究明を行う必要があるということを求めておきたいというふうに思います。
 それでは、本日伺おうと思っておりました独立行政法人地域医療機能推進機構、JCHOが運営する静岡市清水区の桜ケ丘病院の移転問題について質問させていただきたいというふうに思います。
 経緯を簡単にお話ししますけれども、病院の耐震不足、これは明らかだということで、移転そのものは必要だというふうに言われております。問題は、移転先が津波浸水想定区域であるということであります。
 候補地は二転三転してきた経緯がございます。二〇一六年には二つの候補地、これは清水庁舎の跡地、そして桜が丘公園の二か所が示されました。この二か所は津波浸水想定区域ではないというわけであります。その後、新型コロナの感染拡大の状況もありました。その時期を挟んで、市長とJCHOの尾身理事長のいわゆるトップ会談を経て、二〇二〇年に四か所の候補地が新たに示されます。二〇二〇年に示された候補地は、清水駅東口公園、東口広場、その他民有地二か所と、これはいずれも津波浸水想定区域と。二〇年の十二月二十一日には市とJCHOが基本協定を締結し、この四つの中から清水駅東口公園が選ばれたということであります。資料もお配りをさせていただきました。二〇二三年の完成を目指して、公園に設置されていたモニュメントを撤去するなど、今工事が進められているというところであります。
 まず、認識をお伺いしたいと思いますが、津波浸水想定区域に病院を建設するということに問題ありというふうに、大臣、お考えになりますでしょうか。

○国務大臣(後藤茂之君) 一般に、医療機関の移転先については、患者のアクセスや必要な土地の確保、他の医療機関との位置関係など、当該医療機関の事情や地域の地理的状況などを踏まえつつ総合的に検討されるものと考えております。御指摘の津波浸水想定区域など防災上のリスクも検討に当たり留意される事項の一つと認識しております。
 その上で、津波浸水想定区域に病院を移転することとなった場合には、防災上のリスクを踏まえ、被災した際に診療業務が継続できるように、例えば診療機能やエネルギー部門の高層階への設置、適切な業務継続計画の策定など、適切な防災対策を講じることは必要であると考えます。

○武田良介君 個々に判断されるべきと、対策取れば大丈夫だというような御答弁をされたのかというふうに思います。
 清水駅東口公園を選んだ理由は何なのかということなんです。
 先ほども若干経緯を簡単に紹介しましたけれども、元々JCHOが持っていた土地、大内新田という地域の土地もありました。それから、現在の場所からそう遠くない桜が丘公園という場所も提案されたこともあります。なぜそういったところではなくて清水駅東口公園を選ばれるんでしょうか、JCHOに伺います。

○参考人(山本修一君) お答え申し上げます。
 桜ケ丘病院の移転先については、静岡市から静岡市役所清水庁舎建設予定地であった清水駅東口公園を優先候補地として検討してほしい旨の御意見がございまして、患者の利便性、建設手法の工夫による津波対策が可能であるということなどを総合的に勘案、検討しました結果、令和二年十二月にJCHOとJCHO桜ケ丘病院の移転に関する静岡市との基本協定書を締結したところでございます。

○武田良介君 いろいろ条件を総合的に勘案してということを言われるわけですけど、その条件の中に津波浸水想定区域だということはないのかということが市民の皆さんの声であります。そういう場所に建設して本当に大丈夫なのかと。先ほども、一般に防災の観点は配慮されるべきだとおっしゃられました。対策取るということがその後に付いているから、立地のその場所の問題としておっしゃったのかどうかはちょっと不明確だけれども、これ重要な視点だと思うんですね。当然の視点だというふうに思います。
 具体的に災害時を想定しなければなりません。静岡市の計画見ますと、災害時のですね、小中学校区を単位とする医療救護所で応急措置を行う、そして、必要なら救護病院へ搬送をする、そこでも対応できない患者は災害拠点病院で高度医療を受けると、こういう計画を静岡市も持っているわけであります。桜ケ丘病院は、この市の災害時医療救護体制の中で、清水区に四か所ある救護病院の一つになっているわけであります。
 津波が来れば、当然その瓦れきが病院の周りにもいっぱいになるということも想定をされると思います。そういったことを想定した場合に、道路が復旧するまでの間、沿岸部にはその大量の瓦れきが残されて、医師の派遣、看護師の派遣、あるいは患者の搬送、これに支障を来すのではないかというふうに思いますが、そういう心配、考慮されたんでしょうか。

○参考人(山本修一君) お答え申し上げます。
 現在の桜ケ丘病院は、二次救急医療機関として地域の救急医療を担っている病院でございます。新病院においてもこの救急医療を継続することとして、災害時にも医療機関としての機能を果たせるよう、病院機能を二階以上の階に設置するとともにエネルギー部門を上層階に設置するなどの建設手法の工夫を行っていくこととしております。
 具体的には、ここの最大浸水想定高さが二・六六メーターでございますので、これを上回る五・九メートルまで構造体をかさ上げすることで津波による被害を回避することとしてございます。また、新しい桜ケ丘病院におきましては、災害拠点病院の基準と同様に、非常用発電機の三日分の燃料を確保、それから水についても災害時の給水量として三日以上の水を備蓄することとしております。

○武田良介君 そういった検討をされているということはあると思うんですが、私、今聞かせていただいたのは、例えば瓦れきとか、津波のときにはいっぱいになるわけですよ。東日本大震災の教訓を踏まえれば、そういうことも検討して考えなければいけないんじゃないですか。いかがですか。

○参考人(山本修一君) お答え申し上げます。
 一階のピロティー部分への様々な瓦れき等の侵入も当然想定されるところでございますので、防潮堤を設置してそのような侵入物を防ぐということも検討しているところでございます。

○武田良介君 静岡市の計画では、例えばその救護病院への搬送は原則として自主防災組織の方が行うというふうになっているんですね。自主防災組織の方です。瓦れきもいっぱいある中で、特別にその道路を何か啓開できるようなことがすぐにできるわけじゃないと思うんですね。そういう中で、非常に騒然としている災害の中搬送することには非常に困難を極めるというふうに思うわけであります。
 ちょっとこれも確認させていただきますけれども、JCHOが運営している病院で津波浸水想定区域に建てられている病院というのは幾つあるのか、あるいは、そうだと分かっていてわざわざそこに病院を造ったという計画は何例あるのか、お答えいただけますでしょうか。

○参考人(山本修一君) お答え申し上げます。
 JCHOの発足が平成二十六年でございますが、JCHO発足以来、この津波想定区域に建設した病院は四病院ございます。いずれの病院におきましても、盛土による地盤のかさ上げ、あるいはその一階の開口部への防潮堤の、防潮板の設置、それから電気室、機械室、非常用発電機などのその重要なインフラを二階以上の階層に設置する、さらには、水については先ほど申し上げましたように、水あるいは非常用発電機の燃料を三日分確保するというような対策を取っているところでございます。

○武田良介君 様々対応を取るから大丈夫だということを一生懸命おっしゃりたいのかなというふうに思うんですが、しかし、市民の皆さんは不安でいっぱいなわけですね。一階部分に例えば車があったときに、車がたくさん並んでいて津波が来たときに、そこから発火したという例もあるじゃないかといって不安の声を上げている、そうすると病院にどういう影響が出るのか、そこまで本当に考えているのだろうかと。想定外ということは許されないというのが東日本大震災のときの教訓だったんじゃないのかというふうに思うわけであります。
 二次救急を心配する声もあります。なぜなら、この移転先は清水の中心部から清水駅挟んで海側にあるわけなんですね。線路が地域を分けているわけであります。なので、救急車が患者を搬送する際には、その北側か南側か、大きく回り込まなければ病院に運べないんじゃないのかということの指摘もされています。その間には信号もある。それだったら、中心部の方に、今ある近くの、桜ケ丘病院の近くに公園もありますし、そっちの方がよっぽど近いんじゃないのかと、市役所の跡地の方が近いんじゃないのかという声もあるわけです。
 これ、二次救急の対応として適地とは言えないのではないかと思いますが、国交省に、あっ、厚労省に伺いたいと思います。

○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。
 一般に医療機関の移転先につきましては、それぞれの医療機関におきまして、御指摘の防災上のリスクへの対応のほか、患者のアクセスや必要な土地の確保など様々な事情を踏まえつつ、また必要に応じて地域の関係者との協議等を踏まえて決定されているものと考えておりまして、厚生労働省において個々の移転先について適切か評価する、適切だったかどうかを評価することは難しいんですけれども、今回のJCHOの桜ケ丘病院の移転先につきましては、移転に関しまして静岡市とJCHOの間で、地域住民の利便性、地域の医療ニーズ等、さらに防災上のリスク等含めて総合的に勘案して移転先を決定したというふうに伺っております。

○武田良介君 個別には言えない言えないと言うんですけれども、それではひとつ角度を変えて、国交省に一つ伺います。
 静岡市長は、先ほど紹介した四つの候補地をJCHO側に提示することを決めた際に、選定の理由について、本市のコンパクトシティーを目指す清水都心のまちづくりに合致していることというのを言われているわけです。これ、コンパクトシティーですから、駅前なんかに公共施設だとか社会施設、今回のような病院、そういったものを造って中心的なこの町つくろうということになるわけです。
 これ、清水で進めると、そこに桜ケ丘病院も入ってくる。コンパクトシティーを推進することで津波浸水想定区域に病院を誘導することになるのではないかというふうに思いますが、この点いかがでしょうか。

○政府参考人(望月一範君) お答えいたします。
 コンパクトシティーにつきましては、都市再生特別措置法の立地適正化計画に基づきまして、人々の居住や必要な都市機能を町中などの幾つかの拠点に誘導する取組を市町村において進めていただいております。
 その中で、近年における災害の頻発化、激甚化を踏まえまして安全な町づくりを推進するために、令和二年に都市再生特別措置法を改正いたしまして、立地適正化計画におきまして居住エリアの防災・減災対策を定める防災指針を位置付けたところでございます。
 御指摘の津波浸水想定区域における病院との関係につきましては、個別のケースについてお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、立地適正化計画の防災指針を策定するに当たりまして、津波による浸水リスクを踏まえつつ、ハード、ソフトの両面から必要な対策を検討することが重要だというふうに考えてございます。

○武田良介君 配慮すると言いながら津波浸水区域に病院造っていくということでは矛盾しているというふうに私やっぱり思うわけなんです。
 最後になるでしょうが、ちょっと大臣に伺いたいと思います。
 静岡新聞、二〇二一年三月七日付け、私読みました。宮城県石巻市の雄勝町の市立雄勝病院、ここは東日本大震災で津波で全ての機能を失ったという病院であります。病院は海から数十メートルほどだったと。副院長だった鈴木孝寿さん、当時五十八歳は、地震直後、一旦屋外に避難したけれども、患者を置いて逃げられないと言い残して院内へ戻ったと。津波は高さ五・五メートルの防潮堤を越え、三階建ての病院の屋上にも達したと。入院患者四十人は全員亡くなって、職員も孝寿さんら二十人以上が犠牲になったと。桜ケ丘病院の移転計画に、一階の津波対策をすれば済むような簡単な話ではないと。こういうように紹介をされているのが、これがその副院長をされていた鈴木孝寿さんのパートナーの方の声であります。
 私、この声しっかり受け止めれば、津波浸水想定区域への病院、わざわざ移転させるということはやめるべきだというふうに私思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。やめるべきだというふうにお考えになりませんか。

○国務大臣(後藤茂之君) 医療機関というのは地域住民の健康、生命を守る重要なインフラでありまして、災害ハザードエリアへの移転かどうかにかかわらず、移転する際には、移転の影響を受ける患者さんたち、やっぱりそこは説明を受けるだけではなく、地域住民に対してやっぱり合意が得られるよう丁寧に状況を説明した上で、地域としての合意は必要になるだろうというふうに思います。
 また、東日本大震災では地震や津波により診療機能を喪失した医療機関があったことを踏まえますと、災害時に医療提供の中心的役割を担う災害拠点病院について、例えば耐震構造を有すること、非常用自家発電設備を備えることなどを指定要件に追加するとともに、こうした施設整備の、整備に対して財政的な支援も行っております。津波浸水想定区域に立地する医療機関を含め全ての医療機関について、被災後も医療提供を継続できるように業務継続計画の作成を求めるなど、災害医療体制の強化に取り組んできてもおります。
 さらに、全国各地で最近台風や豪雨による水害が発生しているわけであります。御指摘の病院移転の制限については、移転に当たって防災上のリスクを考慮することは重要でありますけれども、同時に、患者のアクセスや必要な土地の確保、他の医療機関との位置関係、当該医療機関の事情や地域の地理的状況などを踏まえつつ総合的に検討される必要があるというふうに考えております。

○武田良介君 時間ですので終わりますが、川勝知事は、最大の問題は民意が反映されていないことだと言っていました。メディアによると、JCHOは、反対派はどちらかというと少数だと思っているということが今でもインターネットに出ております。こういう発言許されないと、住民の声しっかり聞くべきだということ重ねて申し上げて、質問を終わります。

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