16日、武田良介議員は決算委員会で、2020年度決算(予備費部分)について討論を行いました(スタッフ)。
議事録
○武田良介君 私は、日本共産党を代表して、二〇二〇年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書並びに同年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書に反対、同年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書並びに同年度特別会計予算総則第十九条第一項の規定による経費総額総調書及び各省各庁の所管経費増額調書に賛成の討論を行います。
一般会計新型コロナ感染症対策予備費について、感染が拡大する二〇二〇年十二月、政府の新型コロナ感染症対策分科会が一時停止を提言し、さらに、世論調査でも八割近くが停止を求める中、GoToトラベル事業に三千百十九億円を支出したことは承諾できず、反対します。
一般会計予備費のうち、政府配布の布製マスク、いわゆるアベノマスクに関する二百三十三億円が含まれますが、会計検査院二〇二〇年度決算検査報告は、仕様書を作成しておらず品質基準が明確でなかったこと、不良品が発生した場合の措置が定められていなかったこと、多額の在庫負担費用、保管費用が発生していることを指摘しており、支出を認めません。
また、東京電力福島第一原子力発電所事故の被害による国と東電を被告とした集団訴訟について、最高裁は三月、なりわい訴訟など三訴訟について、東電の上告を退ける決定を行い、東電の責任が確定しました。事故から十一年経過した今もなお被害は続いており、国は、一刻も早く上告を断念し、責任を認め、全ての被害者に被害実態に即した賠償をすべきであり、訟務費の支出は認められません。
一方、二〇二〇年十二月、最高裁で確定した建設アスベスト判決の国が原告に支払う損害賠償金二十三億円は必要です。
以上の理由により、一般会計予備費については反対します。
次に、特別会計予備費のうち雇用調整助成金や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金、持続化給付金等について、日本共産党は、対象や金額等が不十分だとして改善、拡充を求めてきましたが、生活困窮者や労働者等の保障に資する面もあり、反対はしません。
また、二〇二〇年七月の豪雨災害への支出は緊要であり、認めます。
コロナ禍で困窮する国民へ必要とする支援を確実に届けるために、そして、財政民主主義の観点からも、巨額の予備費ではなく、その都度補正予算を編成し、具体的内容や必要性を予算委員会で徹底的に議論する必要があることを指摘し、討論といたします。