議事録
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
今日は、三人の参考人の先生方、本当にありがとうございます。
まず、高橋参考人に伺いたいというふうに思います。
民間ストックヤードに焦点を当ててお話をいただいているわけですけれども、陳述の中に、ストックヤード業者と処分業者との間でその契約が結ばれるんだと、で、ストックヤード業者が処分先を管理するというようなお話がありました。
この点、もう少し詳しく聞かせていただきたいと思うんですけど、処分業者というのはどういう業者なのか、ストック業者とは違うのか、処分業者とストック業者が一体であることがあるのかという点と、この管理する、処分先を管理するというのはどういう意味なのか、実態がどうなっているのか、この部分、もう少し聞かせていただければと思います。
○参考人(高橋立顕君) ストックヤード業者と処分業者、まあ処分業者と御説明しましたが、ダンプ業者です。簡単に言ってしまうとダンプ業者です。ですから、都市部近郊に土地を持っていたり借りたりして、そこに土を運んでもらっている、そのストックヤードを運営しているのがストックヤード業者で、そこが満杯になるとどこかに運んでもらわなければなりませんので、それをダンプで運ぶ、で、それを請け負っているのが、処分業者がダンプ業者ということで、基本的に別です。
で、その契約の中身でいっても、そのストックヤードの業者が全部処分業者の方に、じゃ、頼みますよと、どこに持っていくのかも頼みますよという場合もありますし、当然、その最終処分場がここなので、ここまで運んでくださいというような契約の仕方も当然あります、そこのところ。
ですので、そこはちょっといろいろ、契約方法はいろいろありますけれども、不法残土を処分をするような場合は大概頼みますねということで契約がなされるという、そういうことが多いというふうに伺っています。
○武田良介君 続けて、陳述の内容に関わってもう少し聞かせていただきたいと思うんですが、今も少しありましたけれども、そのストックヤード業者は、そのヤードが満杯になったらすぐ処分業者に搬出をさせる、そういう実態があるということでありました。
私も先日、この委員会で質疑をさせていただいたときには、国交省の方から、長期間ストックヤードに置かれるんだという説明があったわけなんです。だから過度な負担になるという話だったんですけれども、実際のところはどうなのか、なぜ早く搬出されるのかというところ、もう少し教えていただけますでしょうか。
○参考人(高橋立顕君) ストックヤードの広さというのは限られています。で、ストックヤード業者は、いろいろな形態のストックヤード業者というかストックヤードがあるんですけれども、問題にしているのは、あくまでも、建設発生土を建設会社から処分を依頼して、あんたのストックヤードのところに持っていくんで、要は、先ほど一覧表の中にもあるような、捨て賃ですね、捨て賃を払うから処分してくださいというふうに言われているストックヤード業者です。
で、そこでお金をもらって処分業者、つまりダンプに、じゃ、これだけで処分、持っていってくださいというふうにしてお金を払う、運賃代と処分代込みでダンプにお金を払う。そうすると、その差額で利潤を得ています、もうけていますので、そうすると、ずうっと置いておくと、土の移動がなければもうからないんです。たまる一方であれば何も意味がなくなってしまいますので、だから、どんどん、引き受けたら出す、引き受けたら出す。で、そこで、差額でどんどん利潤を追求するといいますか、まあ当たり前なんですけれども、もうけを確保するというのがストックヤード業者なので。
ですので、懸念されているように、そんなに時間は掛かんないんじゃないかなというふうに考えているということです。
○武田良介君 業者の経済的な理由ですよね。それによってどんどん搬出させるということかというふうに思いました。
最後に、高橋参考人にもう一点伺いたいと思いますけれども、政府は先日の質疑の中で、これから実態把握について、あっ、これは本会議ですね、実態把握について、本法案による厳格な出口規制と併せて、中間処理場の管理運営の実態把握に努めるということを答弁しているわけなんですけれども、この民間ストックヤードの実態をつかむ上でどういう点がポイントになってくるのかというところについて所見を伺いたいと思います。
○参考人(高橋立顕君) ポイントと申しますと、なかなか国交省の局の方なのか出張所なのか、又は都道府県に依頼するのかというのをいろいろあるかと思いますが、どこにあるのかというのを恐らく自治体は大体承知している部分はあると思います、許可を得ていますので。ただ、ここが危ないよというのは、我々建交労も分かっています。
ですので、ポイントとしては、分かっているところにお聞きいただければいいのではないかと。建交労としては、そこに協力することはやぶさかではありませんし、ここですというふうにお知らせすることもできます。ここではちょっと差し控えますけれども、どこどこの県の何市だとかというのは控えます。ですが、協力することはいたしますというところです。
○武田良介君 これまでの議論の中でも、関係するところでつかんでいるところもあるというお話が、大島参考人も含めてお話があったかというふうに思いますので、そういった実態を是非つかんでいくことを私も求めたいというふうに思っているところであります。
それでは、大島参考人に伺いたいというふうに思います。
神奈川県のこの条例を私も見させていただきました。この条例では、元請人又はそのストックヤードの設置者ですかね、にあらかじめ土砂の搬出に係る計画の作成、知事への届出を義務付けているというふうに承知をしております。重要なことだというふうに思っております。
ここに関わって、この元請人としている意味、また、その計画の作成と届出の義務付けを行ったその意図、どういったところにあるのかということについて教えていただければと思います。
○参考人(大島伸生君) 条例のその規定の趣旨ということだと思いますが、元請人としたところは、元請人が搬出からの一切の業務を取り仕切っていて全容を把握されているんだろうなという趣旨でそういう規定にしています。
それから、計画書の策定は、まさに、県条例はそのまさにマニフェストまでは取っていなくて、搬出先を明示してもらうところの届出だけやってもらっているんですが、その届出をしてもらう際にどういった計画に基づいてやっているのか、その計画性を問うという意味で計画書をまず出していただいて、その計画に基づいた計画性をもってなされているのかというところを確認するという意味で計画書の作成を求めていると、そういうことでございます。
○武田良介君 ありがとうございます。
この計画書を作成させたら計画どおりに処分が進んでいくということを確認することが非常に大事になるんだろうというふうに思います。
先ほどのお話にもありましたけれども、この埋立ての監視を担当する部署を設置したということでありました。まさにこのことかなというふうに思うんですね。新たな部署六名でつくられて、立入検査、監視パトロール、こういった部署をつくってやってきたその成果というんでしょうか、また御苦労されているところ、あるいはこういう部署をつくる上で、つくること自身大変だった、そういったことなどあれば伺わせていただければと思います。
○参考人(大島伸生君) つくるときに、やはり警察に御協力いただくというところで苦労して、やはりそこで警察から出向者を出していただいて、ある意味、県職員より多く出していただいて体制組んでいますので、全面的に神奈川県警にそこまで協力いただくというところに対しては、苦労したと同時に感謝申し上げる次第でございます。
やっぱりパトロールを一元的に今その厚木というところにある事務所が担っていまして、やっぱり一元的にもう専門部隊でやっているというところに少し意味があるかなと思っていまして、早期発見ですとか、あるいは御指摘のような計画どおりに処分がされているかというところのケアですとか、そういったところはできていると思います。
ただやはり、県外に搬出といったときには、そこはなかなかフォローできないというところがあって、そこが条例の限界かなと思っております。
以上です。
○武田良介君 ありがとうございます。
大変参考になる取組、経験かなというふうに思っておりますので、また今後に生かしていければというふうに思っております。
それでは最後に、蔵治参考人に伺いたいというふうに思います。
先ほど来出ているように、森林は複雑かつ多様なものであると、日本の国土の中でも大変広大であるということでありました。だからこそ、技術基準で判断できるものなのかどうかという御指摘もありました。同時に、住民への周知ということでも指摘がありました。標識をですね、ここでやっていますというだけではなくて、その下流にいる住民にもという趣旨のお話がありました。
私も、本会議の際にもその点ちょっと気にはしておりまして、住民の意見を聴くとか、そういったことが事前に必要ではないかということを聞かせていただいたんですけれども、政府の方からは、技術基準なので、科学的知見なので、知事が区域指定とかする際にも左右されるものではないんだと、住民の意見にですね、というような趣旨で答弁があったところでありまして、それでいいのかなというのが私の問題意識なわけなんですね。やはり、それぞれ地域性がある、特性がある、個別で見ていかなければいけないものがあるというふうに思っておりますので、まあそういった議論があったところなんですけれども、改めて蔵治参考人の御意見を伺いたいというふうに思っております。
○参考人(蔵治光一郎君) やはり森林については、生活空間から少し離れたところにあるということもあり、また、かつて私たちは森林にいろんな恵みを依存していましたけど、今となっては余り森林に関心を持たなくなっているということで、自分が生活している空間から少し離れた森林が自分の生活に危害を及ぼすような災害の発生源になるということについてなかなか想像していただけないという実態があるんだろうと思います。
そういう森林で不法投棄であるとかあるいは盛土であるとか様々なことが起こる可能性があるわけなんですけど、そういうことは災害が起きた際にその災害の規模を拡大してしまうので、できればそういうことを未然防止するためにも、住民の方々にやはり森林にふだんから関心を持っていただいて、森林に入っていく例えば道路等でそれこそ怪しげな車が走っていたとか、そういう情報みたいなものを見て見ぬふりをするのではなくて、是非その情報を共有し、あるいは関連する行政の方にも報告しというような形でやっていくことが災害の未然防止につながるのかなというふうに私としては考えていまして、やはり全てを安全にする、全ての盛土が監視するというのは非常に難しいことなんですけれども、逆に、守るべき住民の生命、財産の在りかに影響を及ぼす場所をきちんと優先順位を高くして押さえていくということの方が、むしろこの法律の目的の達成には近道なのではないのかなというふうに考えたところであります。
○武田良介君 今日は、三人の参考人の皆さん、それぞれの立場から今回の法案に対して大変深めていただける、深めていく上で役に立つお話いただけたかなというふうに思います。
感謝申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございました。