5月12日、武田良介議員は国土交通委員会で、盛り土規制法案(宅地造成等規制法等改正案)について、1回目の対政府質疑を行いました(スタッフ)。
議事録
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
昨日の本会議での盛土法案の質疑を受けて、民間の中間処理場に焦点を当てて質問させていただきたいというふうに思います。
私は、昨日の質問で、民間工事で発生する建設発生土は民間で運営している中間処理場、ここに運び込まれると、こういう事例があるため、私の方から質問させていただきました。
民間中間処理場の業者は、建設発生土を購入しているのではなく、建設会社から廃棄のための費用を受け取り、更に安い処分代で他の業者に処分させている、こういう実態があるということを指摘をし、こうした実態を御存じですかと質問したのに対して大臣が、民間の中間処理場は運営主体や事業規模が様々で必ずしも運営状況を詳細に把握しているわけではない、建設業団体等から聞いたところでは、建設発生土の搬入に際しては通常は搬入側が料金を払っていることは承知していると、こういう答弁でありました。
この搬入側というのは建設発生残土を持ち込む側という意味だというふうに思いますけれども、この搬入側が中間処理場を運営している事業者に対して支払う料金というのは一体何なんでしょうか。国交省に伺います。
○政府参考人(長橋和久君) 今御指摘の搬入側が料金を支払っているということ、委員も御指摘ありましたけれども、建設発生土を持ち込む建設業側が、建設業者側が中間処理場へ料金払っているということを承知しているということを昨日御答弁申し上げたものでございます。
中間処理場には、発生土の再利用のために搬出元と利用先との時間差を調整する役割や、そのままでは再利用が向かない質の低い土砂を改良して再利用を促進する役割があるほか、例えば、ダンプトラック、陸上輸送のダンプトラックから海上輸送の船舶に積み替えて遠隔地に、残土処理、処分場に輸送するといったタイプの一時中継地といったケースもあり、様々な運営実態があるものと承知しておりますし、また利用も、一時的に保管する方と、中間処理場に、これは昨日、本会議で委員からもお尋ねがあったようなケースのように、引取り型があるというふうにも聞いております。引取り型では、中間処理場が建設発生土を料金を徴収して引き取って、他の工事で利用できる場合は販売する、あるいは残土処分場へ処分する場合には中間処理場が処理料金を支払って処分するといった形態があるというふうに聞いてございます。
○武田良介君 最後早口でよく分からないところもあり、持ち込む側が中間処理場に持っていくときに、だから、支払っている料金は何なのかということをお聞きしたんです。
○政府参考人(長橋和久君) いろんなケースあると思いますけれども、引き取ってもらう場合は処分費用として支払っているものと承知しております。
○武田良介君 早口でしたけど、出ていく、中間処理場から出ていくところについても先ほど答弁がありました。ちょっと時間の関係で、本当は詳細確認したいところなんだけれども、答弁ありましたが、ちょっと一つだけ確認ですけど、その持ち込む建設業の側というのは、これは元請業者なんでしょうか。二次、三次の下請も含まれる。
○政府参考人(長橋和久君) 下請の業者が通常のケースだと多いと思い……(発言する者あり)はい、下請で、専門工事の例えば土工業者とかがですね、元請のそれは指示で運んでいるということだと思います。
○武田良介君 建設発生土がどのように動いていくのか、誰が動かすのか、これ整理しないと、実態把握といったときにも、いけないというふうに思っておりますので聞かせていただきました。
もう一つ、私は、建設残土、いわゆるこれ廃棄物も含んだものですよね、については、その発生者が最終処分まで責任を持つことを義務付けるべきではありませんかというふうに質問をさせていただきました。これに対する大臣の答弁ですけれども、建設発生土が民間中間処理場に搬入される場合には、そこまで様々な現場から運び込まれた土と混ぜられてしまうことや、搬出までに長期間を要する場合があることから、元請業者に一律に最終処分までの責任を負わせることは過度な負担になるおそれがあると、こういう答弁でありました。
つまり、私は発生者に責任を負わせるべきではないかと求めたんですけれども、過度な負担になるからできないという答弁をされたということなんですが、では、誰が責任を負うんでしょうか。
○政府参考人(長橋和久君) お答え申し上げます。
元請業者が専門的知識を持っておりますので、建設工事の施工全体に責任を持つ主体であるということは間違いないと思ってございますし、搬出先の適正確保を図る上で元請業者の果たすべき役割は大きいと認識してございます。
お尋ねの昨日の本会議における大臣の答弁につきましては、中間処理場に搬出する場合には最終的な利用先が決まっていて、一時的な場合は元請業者がその最終的な搬出先の確認まで行うことは可能だと思いますけれども、最終的な利用先が未定のまま中間処理場に引き取ってもらう場合、あるいはその再利用のために土砂を改良するようなためで持ち込んでいるようなケースにつきましては、元請業者が中間処理場から最終的な搬出先のところまでそれをずっと確認するということを求めることは過度な負担になるおそれがあるという認識をしているということを昨日はお答えしたということでございます。
しかしながら、中間処理場に搬出された後も、今日、これ午前中に長峯委員からも抜け穴にならないようにという御指摘ございましたけれども、中間処理場に搬出された後も最終処分や再利用が適切になされるといったことは重要であると認識しておりますので、国土交通省としては、中間処理場の実態把握、これに努めた上で、その実態を踏まえて必要な対策を今後講じてまいりたいと考えております。
○武田良介君 答えていただけていないと思うんですね。
私は、その発生、建設発生残土、最終的な責任は誰が持つのかというふうにお伺いしました。元請業者が、その、いや、それはそうですね、搬出している工事に対して発注している、ああ、元請になっているわけですから、その工事に対してはそうですね。そして、役割を担ってもらう必要があると言われました。私、責任だって言ったんです、役割じゃないんです。誰が責任を負うべきなんですか。
○政府参考人(長橋和久君) 現場から土砂を搬出する場合、それが適切に再利用又は処理されるようにするということは、今委員も御指摘ありました、元請が責任を持つべきものと考えております。
ただ、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、中間処理場から先のことについては、最終処分まで一律に全て確認するということに、それを責任を持たせるのは過度な負担になるおそれがあると考えてございまして、ただ、搬出先の適正確保という今申し上げました元請の責任が果たせるように、私どもとしては、中間処理場の今後しっかり管理とか運営の実態を急いで確認した上で必要な対策を考えてまいりたいと考えております。
○武田良介君 納得まだしているわけではありませんけれども。
先ほどの答弁、もう少し詳しく踏み込んで聞かせていただきたいと思うんですが、過度な負担になると言っているものに対して二つ理由を挙げられているわけですね。様々な現場から運び込まれた土と混ぜられてしまうと、なぜ過度な負担になるんですか。
○政府参考人(長橋和久君) お答え申し上げます。
現場から出た土が、そのままどこ、最終的にどこで、まあ再利用されるにしても処分されるにしても、自分の現場から出た土、工事の責任者として、それがどこで最終的にどうなりましたかということを本来確認するということは資源有効利用計画法でありますけれども、申し上げたように、中間処理場に行って混じって、例えば土地改良をして混じってしまったりとか、あるいは一時的に堆積した後にどこかまた持っていくようなケースのところまで、最後ずっと追って元請業者が責任を持って見なさいというところまで一律に決める場合は、時間的な問題とか混じり合ってしまうことがあるものですから、それを完全に一律に責任持たせるということはやや過度な負担になるんではないかという認識で申し上げたということでございまして、私どもとしては、やっぱり管理される処理場の実態をよく見て、やはりそうはいっても現場から出る土をしっかり適正に利用あるいは処分されるようなことが担保できるようなことを、これから対策を考えていきたいと思っております。
○武田良介君 もう一つ聞かせていただきます。
もう一つの方は、搬出までに長期間を要する場合があると。これがなぜ過度な負担になるんでしょうか。
○政府参考人(長橋和久君) ちょっと先ほどと重なるところありますけれども、いろんな混じり合ったりとかあるいは時間を置いていくということで、工事の現場が既に終わった後についても引き続きそれをずっと管理し続けていくとか、あるいはもう混じってしまってそこは確実に明確にここの現場から出た土だということが分からないようなケースもあるので、そこは、済みません、混じり合うこととちょっと時間的な部分、それは現場としてのずっと管理の期間ということも含めて過度な負担になるケースがあるんではないかという認識を申し上げたことでございます。
○武田良介君 つまり、その現場の工事が終わってもいつまで管理したらいいのか分からないから、そのために人を配置しなきゃいけないだとか様々な実務作業も生まれるだとか、そういったことが負担になる、まあ一部その費用も掛かるだろうし、それが負担になる、つまりそういうことですね。よろしいですか。
○政府参考人(長橋和久君) そういう面もあるんではなかろうかとは思っております。
○武田良介君 この答弁にかかわっては、最後に大臣に一つ伺いたいというふうに思うんです。
私は、発生者に最終処分まで責任を負わせるべきではないかというふうに質問させていただいたんですが、答弁は、元請業者に、先ほどもありましたけれども、元請業者に責任を求めることは過度な負担になるというふうに言われているんですね。何で違うのか。じゃ、発生者だったら責任求めることできるんですか。大臣、大臣に伺っています。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今、公共工事におきましては、大半がいわゆる利用先をきちっと決めるということで行われており、公共工事においては八六%がしっかり利用先が決まっているという段階でございます。
問題はいわゆる民間工事で、民間工事の場合、発注者がそういうことに詳しくない、今いろいろな様々な、個人も含めてですね、発注者がいらっしゃる、そういう中では知識を持っている元請がしっかりこの発生土について責任を持っていくというのが基本だと、このように思います。
私は、この議論させていただいていて、この元請がしっかりとこの建設発生土について責任を持っていくというのが基本姿勢だと思いますけれども、そういう中で、先ほど言ったような理由でなかなかすぐその処分先が見付からないというものにつきましては、ある意味でその元請が最終的にしっかり責任を持つということを基本としつつも、その中間処理場の実態の把握を行った上で必要な対策を講じていかなければならない、今局長が答弁したとおりでございますが、このように考えております。
○武田良介君 発生者の責任というのは、何も私が言い出したわけではなくて、皆さんよく御存じだと思いますけれども、大原則だと思うんですね。これ、しっかりと私問われるべきだと思います。
過度な負担というふうに言われますけれども、とりわけ大量の建設発生土を出すような発注者というのは、私、資力も十分あるところだと思いますよ。例えば、国家的なプロジェクトだといって私もリニアの問題何度も取り上げさせていただいておりますけれども、JR東海ですよね、国家的プロジェクトですよね。私は、資力もあると思うし、そういう責任を果たし得ると思う。
もちろん、発生者の中には個人もいるでしょう。だったら工夫すればいいんですよ、そういう方たちに対して、どういうふうに対応いただけるのか。この原則を私はやっぱり外してはいけないというふうに思います。
民間の中間処理場とは何かということについて確認をしておきたいと思うんですが、建設発生土の中間処理業者というのは、根拠となる法令、つまり業法みたいなものあるんですか。
○政府参考人(長橋和久君) 建設発生土を一時的に受け入れる中間処理場を営業するために必要な許可制度など、いわゆる業規制法は承知してございませんが、今回、新たなこの法制度によって、規制区域内で行われる盛土等については都道府県知事の許可あるいは工事の完了検査等の行為規制が掛かることになるということでございます。
いわゆる、お尋ねの点については、業規制法というのがあるというのは承知してございません。
○武田良介君 ないんですよね。だから、私、実態把握できないんだと思うんです。
大臣、私の質問に対して、先ほど紹介しましたけれども、業の詳細を全て把握しているわけではないということでした。でも、先ほど来の質疑の中でも出てきましたけれども、私の問題意識は、そういう実態をどうやって把握できるのか。今回の法案通せばできるんだみたいなこと言いますけれども、本当にそうなのか。私はそうじゃないんじゃないだろうかというふうに思います。私の答弁に対しても、厳格な出口規制と併せて中間処理場の管理運営の更なる実態把握努めるというふうに言われたけれども、行為規制ですよね、今度の法案は。業に対してどういう業態になっているのかということを把握するものではありません。全国どうなっているのかってつかめるものではありません。
そのことは大いに疑問だということを申し上げさせていただいて、時間になってしまいましたので今日は終わりにさせていただきたいというふうに思います。
ありがとうございました。