6月8日、武田良介議員は、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会で、2人の参考人に対し質疑を行いました(スタッフ)
議事録
○武田良介君 日本共産党の武田良介でございます。
今日は飯塚参考人、竹下参考人、お忙しい中、ありがとうございました。
もう繰り返し訴えておられると思いますけれども、今お話をずっと聞いておりまして、やはり帰国が実現していない苦しさ、一歳のときにお母さんがいなくなると、その異常さというお話もありました。また、竹下参考人からも資料の提出をいただきまして、いかに命に限りがあるのか、家族本人の命に限りがあるというその重さ、しっかりと聞かせていただいた思いでありますし、この国際的な無法行為を絶対に許してはいけないと、解決しなければいけないという、そういう決意を改めてしたところであります。
そういったことも踏まえて、まず飯塚参考人にお伺いをしたいと思いますが、先ほど来出ているように、バイデン大統領と面会がされたということでありました。私も報道記事読みまして、その後の記者会見で飯塚参考人が述べておられることですけれども、国際社会への訴えも重要な、大事な要素であるが、この問題を進めるのは日本政府だと、新型コロナの影響で停滞したとはいえ、被害者との再会を果たせないまま家族が亡くなっていることをどれだけ重く受け止めているのかが全く見えないと、今後、北朝鮮との交渉をどのように進めていくのか、岸田政権の一挙手一投足を注視していきたいと、こういうふうに述べておられます。
この思いをもう少しお聞かせいただければということなんですけれども、それを進めていく上で、日本政府が進めていく上でも、私は一定の外交努力、外交戦略も必要だというふうに思っておるわけですけれども、もしそんなことについても御意見があれば聞かせていただければというふうに思います。
○参考人(飯塚耕一郎君) まず、バイデン大統領とお会いするに当たって、政府関係者に多大な御協力をいただいたことには感謝申し上げたいなと思っております。
トランプ大統領並びに、トランプ元大統領、バイデン大統領とも面会をさせていただいたわけで、その上でちょっと意見を申し上げるのは大変おこがましい部分はあるんですが、アメリカに対してはあくまでも協力を要請するということであって、やっぱりその主たるのは、やはり日本政府がどのようにその拉致被害者を救うんだと、そこのアクションが必要になってくると思っています。
実際、じゃ、救うために、例えばアメリカ側から、いかなる手段、軍事的な圧力なのか経済的な圧力なのか、また違ったものなのかというのは、いろんな形があるにせよ、そこのプレッシャーは横からアメリカが掛けるよと。一方、じゃ、日本はそのまま拉致問題の交渉をすればいいんじゃないという、そういう考え方もありき、あるかと思います。ただ、そこのスキームをどうしていくかというのはあくまでも日本政府の方ですし、我々は交渉できないわけですし、その交渉ノウハウもないわけですので、そこのお考えというところはお任せしたいところではあります。
ただ、ちょっと繰り返しになる部分はあるんですが、やはりちょっと、岸田総理、先ほど私の方から、岸田総理から直接ちゃんと、ちゃんとこの問題を取り組むんだというふうにメッセージを掲げてほしいというのは申し上げましたけれども、やはりそこがあって、お互いの、日本の総理及び北朝鮮の金正恩委員長の開催するんだと思惑が合致した上で、じゃ、どう転ばしていくのかというところは重要なファクターになるのかなと思いますし、そこの意思を明言する必要があるのではないかなというふうには考えております。
○武田良介君 日朝双方の行動がもちろん必要ですし、政府の本気度ということがやはり必要だということだというふうに思います。そのとおりだなというふうに思って聞かせていただきました。
竹下参考人にも伺いたいと思うんですが、昨年、我が党の穀田恵二衆議院議員あるいは笠井亮衆議院議員とともに私も懇談をさせていただいたことを覚えておりまして、その際にも、先ほど少し話がありました行政訴訟、チャンピオン訴訟ですね、お話を伺ったことを記憶しております。了子さんの拉致認定を求めるその行政訴訟ですね。ただ、特定失踪者の代表としてその御家族に御協力をいただいた、そういういわゆるチャンピオン訴訟という性格があるというようなお話だったかというふうに思っております。
懇談の際にもいただいた請願項目、改めて振り返ってみたんですけれども、一項目めに、少しお話がありましたけれども、証明書を法廷で読み上げられたと、で、それを信頼して訴訟を取り下げたということが書かれておりました。それが二〇〇七年だったかというふうに思うんですけれども、ですから、十五年たつわけですよね。しかし、事実上何の結果も出ていないというのが今のお話だったというふうに思うわけです。今までの日本政府の踏襲では何年たっても解決の道は付けられず、救出の扉は開かないと、北朝鮮に対して今までとは違う方策を行使し、確実に被害者を取り返す行動を起こしていただきたいと、こういう要望をいただいたというふうに思っております。
政府の本気の取組が必要だと、先ほどもお話があったとおりだというふうに思います。これまでの踏襲ではなくて違う方策ということがここに言われておるわけですけれども、もう一言、どういうお考え、何が必要だと思っておられるのか、この点について伺えればというふうに思っております。
○参考人(竹下珠路君) 何が必要だというのは、一言で言わせていただければ、総理の本気度、行動力以外にないのではないかと思っております。
○武田良介君 私は、これまでも、この特別委員会でも、その北朝鮮の拉致問題はもちろんですけれども、核だとかミサイルの問題、あるいは日本による植民地支配の歴史、過去の清算といった、そういった問題がある、で、それを包括的に解決していくという日朝平壌宣言があるわけでして、それに基づいた外交が重要だということも述べてまいりました。ある意味、その日朝平壌宣言、これがその諸問題の解決の目標、方向性、示しているものではないかなというふうに思っておりまして、引き続き努力をしたいというふうに思っております。
最後に、飯塚参考人に伺いたいと思いますけれども、日韓関係に関わってであります。
先日、韓国の尹大統領と、国会の方で日韓の議員連盟というものがございますけれども、その代表の懇談があったというふうに聞いております。この懇談の場でも拉致問題が話題に上っているということであります。尹大統領は、日本の拉致問題というのは人権の問題でありながら普遍的価値の問題だと、尹政権は日本側の立場を積極的に支持しているし、これからも支持していきたいと、で、北朝鮮の核問題は、韓国の問題であるだけでなく、極東地域、特に日本と韓国に共通した安全保障の問題だ、北朝鮮の核問題への対応についても、韓国と日本がアメリカと協力して強い関係をつくらなければならない、情報共有をしないといけないと、こういうことが述べられたということであります。
政府の本気度であり、日朝双方の行動なんですけれども、やはりこういった国際関係、日韓の問題というのも併せてあるなというふうに思っておりまして、御感想ですけれども、何かあれば伺えればというふうに思っております。
○参考人(飯塚耕一郎君) 確かに、その核問題に、素人ながらの考えを申し上げますと、核問題というのは、極東も含めて全世界に対するその脅威にはなるかと思います。
ただ、その問題とは別であって、この日本人の拉致問題というのは日本が単独で進めるべきですし、仮に、じゃ、韓国側が拉致、韓国の拉致問題を共同で進めようという考えであるんだったらば、そこのスキームなりで両政府間がお考えになるというのは行動の一端としては別によろしいのかなと思いますが、いずれにせよ、我々家族は早期に、あっ、我々日本人の拉致被害者家族会としては、早期に日本人、拉致された被害者を即時一括で帰国していただきたいというスタンスは変わらないわけですし、そこは貫き通したいわけですし、それはどういう韓国との状況であれ、引き続き申し上げていく次第でございます。
○武田良介君 今日のお話、しっかり受け止めさせていただいて、今後に生かしていきたいというふうに思っておりますので、今日はありがとうございました。